一般国道49号
福取トンネル旧道
惣座峠 第13部

2022年5月4日 探索 2022年9月1日 公開

現道との合流まであと少しとなったこの旧道。長かった(短かった?)探索も、あと少しでおわりとなる。道は大きく右カーブを描いて現道目指していくが、舗装されて歩きやすいはずなのに、何となく物足りない。だってねぇ?、きちんと整備された道であるが故に何も見どころが無いし、右側はだだっ広い空き地と言うか広場と言うか、それだけなんだもん(笑)。
ま、歩かないと先に進まないから、ポツポツ歩いていくことにしよう。それにしても、日陰がないのはツラい。

やれやれ、やっとここまで来た。上の画像で右カーブを延々と進んでいくと、この地点に出る。ここから右に行くと現道に出るが、前回で書いた通りこれは後年になって接続道路として作られたもので、本来の旧道は左へ行くのが正解だ。ちなみに正面の小屋は農機具小屋・・・ではなくて、私が見たときには大型の除雪用ブルドーザが仕舞われていた。さ、ここからまた旧道だ。何となく足取りが軽くなる。

分岐点に立っていたカーブミラーと、案内表示板。左に行くと福取、右に行くと八ツ田。八ツ田集落の先は鳥井峠。その筋の方には有名な白看と、その脇に立つ馬頭観音が迎えてくれるあの峠道が待っている。そして峠を越えたその先は、福島県耶麻郡西会津町。旧道はここから宝坂白坂区間に入っていき、最終的には車峠に繋がっていく一連の旧道区間の端っこが、この惣座峠なのだ。その途中に立っていると思うと少々感慨深い。私はこの分岐点を右に、現道の49号目指して下っていく。

うむ、いいじゃないか!。右に進むとこんな素敵な道になる。左右に程よく迫ってきている緑が、私の足取りを軽やかにしてくれる・・・と言ったら言い過ぎか。だが、さっきまでの道幅と比べると狭くなり、ギリギリ2車線と言ってもいいと思う。路面は補修だらけで一部には砂利が浮いていたりして、交通量の少なさを教えてくれていたりする。いいねぇ、やっぱり旧道はこうじゃないとね(笑)。

整然と規則正しく並んで次の峠へ向かう電柱をアクセントに、旧道は左カーブで下っていく。もうこの辺までくれば、現道との並行区間に入っているはずで、それを証明するかのように、現道を通行する車のロードノイズがひっきりなしに聞こえてくる。この道が現道だったころには、やはり今と同じように通行する車のロードノイズが響いていたのだろうか。でも、この道が現道だった時代の1965年(昭和40年)前後は今みたいに車の性能も良くないだろうから、ロードノイズもそんなに響かなかったかもしれない。

一見すると、なんの変哲もない田舎道のように見える。実際そうだろう。しかし、ここはもともとは一級国道49号だった。今の国道のイメージからすると「ウソだろ?!」というかもしれない。だが、ここは旧国道49号で、しかも当時は未舗装だったかもしれないとしたら、どうだろう。
大きな体を左右に揺らして上り坂を喘ぎ喘ぎ走ってくるボンネットバスやトラック、土煙を上げながら疾走してくる自動車や軽自動車、その脇をのんびりと歩いている歩行者。昔の風景が目の前に蘇ってくるようで楽しい。

道の右側の茂みの中に山桜を見つけた。春に探索する際にはこうして山桜が迎えてくれることが結構あったりして、探索の楽しみの一つでもあったりするが、意外なところに咲いていたりするので、気を付けて周囲を見ておかないと見落としてしまう存在でもある。
旧道はここから右カーブで現道に更に近づいていくが、なかなか合流せずに高さを高さを合わせながら並走していくはずだ。

第14部へ