一般国道113号
明沢トンネル旧道
第4部

2022年4月17日 探索 2022年6月1日 公開

相変わらず白い雪のせいで白飛びが激しい画像だ。それにはこの積雪もあるが、一番はこの残雪に合わせて天候が青空が眩しい「晴れ!」と言うことだと思う。日光を全部反射して、眩しいったらありゃしない。普段、私は探索中にサングラスをかけることはほとんどないが、今回ばかりは眩しくてたまらず、やむなくサングラスをかけた次第だ。

ところで、この画像は私がこれから進む明沢橋方向を眺めたものだ。
呆れるくらい下り坂、しかもこの勾配は国道としては珍しいほどの急勾配だ。これ、冬には凍結して大型車などは上がらなかったんじゃないだろうか。下りにしても、これだけ急勾配だとブレーキ掛けても止まらず、下まで滑ってた可能性もある。・・・いや、この道が現役だったころはスパイクタイヤが使えたころか?。となると、通行は支障なかったのか?。

・・・いやいや、どっちにしても急勾配なことには変わらないじゃないか(笑)。

ふと左側を見ると、ガードロープのヘッド部分が路肩に頭を出している。その姿は錆びてしまって、おまけに土に埋もれてはいるものの、そこに取り付けられていたガードロープの姿も確認することが出来た。その外側には米坂線の線路が見えていて、この道が現役時代は国道113号を通る数多くの車と米坂線のディーゼルカーが一つの風景の中で共存していて、おそらく撮影地点によっては一つのフレームに納まったはず。それはすごく素敵な風景だったと思うし、一度見てみたい。

右側の法面に対して路面は非常に狭く、左側は米坂線に挟まれ、我らの旧道の道幅は1車線分の幅しかない。路面の勾配は、さっきの急勾配に対してここは一段落付いたのか、幾分緩やかになっている。足元の雪は、私の足の脛の半分まで埋まってしまうほどの深さだから、おおよそ30センチと言ったところで、歩きにくくて仕方ない。右側の山側の法面は整地されたような感じで綺麗に斜めになっているし、やはりここは現道当時から狭かったのか・・・様々な要因がそう思わせる。でも、せめーなぁ!。

狭い上に倒木!。これはなかなか神経を使う場面だ。なにせ道幅が狭いもんだから、潜り抜けているときに少しでもバランスを崩そうものなら、米坂線まで真っ逆さまに落ちてしまう。路肩にはガードロープのヘッドが見えていたりするので、平時なら守ってくれるものがありそうだが、今はこの積雪の路面なので効果は全く期待できない(と言うか、埋もれてしまっている)。枝が邪魔だが手で押さえて潜り抜けつつ、慎重に先に進む。

ところで、雪に反射した紫外線で日焼けしたせいか、先ほどから顔がヒリヒリしている。日焼け止め塗ってくればよかったかな…と思ったが、なにせ汗かきの私なので、日焼け止めを塗ってもすぐに汗で流れ落ちてしまう。今、鏡を見たら真っ赤になっていそうだ。今日の風呂がコワい。

米坂線に別れを告げて先を進む。相変わらずの急な勾配で、今は下っているからいいものの、これが上り坂だったら体力勝負だったかもしれない。この辺は雑木や倒木がなさそうなので、歩いて進むには比較的楽そうだ。路面の積雪は少し浅くなってはいるものの、長靴を履いた足で楽に進めるかと言うと、そうでもない。この辺りは小鳥の声も少なく、響いているのは私が身に付けているクマ鈴三個の賑やかな音と、ラジオの声、それに息が上がってしまって荒くなっている私の吐息だけだ。

ようやく勾配が少し緩やかになってきたかな。そんなことを思いながら進んでいる。まるで十戒のように道の部分だけ綺麗に林が分かれて、右側は広葉樹、左は杉なので針葉樹と、木の種類もきれいに分かれていて感心した。
今は広葉樹野の葉こそないものの、これが新緑の季節になると青々とした若葉が茂り、美しい道になるんじゃないかと言う気がする。…いや、下草も増えるので悠長にしている場合ではなく、ヤブ漕ぎ必須かもしれない。

息を整えるために立ち止まって何気なく山側を見上げると、ここも崩れてしまっていた。と言うよりここは雪解けの水が小さい沢となって流れていて、そのために少し崩れただけのようだ。路面にも崩落した斜面の石や土はなかったから、今こうして崩れたように見えるのは、過去のことだったのだろう。

今日は4月の半ばだと言うのに気温が高く暑いが、ここだけは流れ出る沢の雫で天然のミストのようになっていて、空気が涼しく感じられた。おかげでここで私の身体も少しクールダウン、リフレッシュすることにしよう。

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