一般国道113号
明沢トンネル旧道
第11部

2022年4月17日 探索 2022年6月29日 公開

線路沿いの「ウキウキする道」から右カーブで川沿いへとパートナーを変え、先へ進む旧道。道の細さは相変わらずだが、思ったより道筋は明瞭で先へ進んでいる。今は下草が冬枯れで歩きやすいが、ひとたび時期を外れてしまうと(例えば夏とか)ヤブになってしまって、思うように進めない旧道だろうと思う。こういった道の探索は雪が消えた直後で木々が芽吹き始める直前の、この短い時期が一番だと私は思っている。ヤブがないのでヤマヒルやマダニの心配も少ないし、ね。

よく見ると、路肩には構造物が。こりゃ擁壁の跡じゃないだろうか。てことは、ここの道幅はおよそ車1台分しかない。どこかに離合の施設はあっただろうが、対向車が来たときはどうしていたのかしら。バッタリ鉢合わせでもしたら、離合場所までバックしなきゃならなかったりして。
当然、デリニエータやガードレールなどの、いわゆる路肩防護施設と言う気の利いたものはなかっただろうから、一歩間違えれば川まで崖を一直線。正に命懸けだ。

路面に雪が見られるものの歩きにくいと言うほどではなく、路肩側に雪がないところがあるし、舗装もされていないようなので、そこを歩けば問題はない。舗装されていて路肩側に崩れた跡なんかがあれば要注意。アスファルトが浮いていたりして、そこに体重をかけようものなら崩れてしまって非常に危険なので、気をつけないといけない。それにしても・・・

路肩に笹が茂っていて
廃道の雰囲気満載じゃないか!

やべー、顔がにやけてしまう(笑)。
最初にも書いたが、この探索をしている最中はところどころで私の頭の中に「Electric Light Orchestra」の「Twilight」が流れているし、おなじみ六角精児さんの「電車!」の声も健在だ。その電車の線路(米坂線)は左に逸れてしまったが、旧道と言うレールは私の目の前にあり、先へ進んでいる。相棒のD300と共に進んでいこう。

いいなぁー

まるで鉄道の路盤のような旧道。歩いているだけで、なんだか気分がいいのは気のせいか。
いや、きっと気のせいじゃないな(笑)。ジャリジャリとザラメ状になった足元の雪を踏みしめ、のんびりと歩いていく。現道当時はこれ以上の積雪だっただろうし、そのせいで雪崩が発生したりして通行できなかった日々もあったはずで、多すぎる雪と戦った当時の苦労が偲ばれる。

先に行くに従って路面の雪は深くなり、それに合わせて道形も不鮮明になっていくが、灌木が生えていない空間を目安にして進んでいくと、いかにも「道です」と言わんばかりのおなじみの風景が目の前に広がる。道と思しき直線の左側には人の手が入った斜面が、右側は一段下がったところに杉林が広がっていて、その中央には2車線分の幅の平地がある。この平地はこの幅のまま一直線に林の中に突っ込んで先に進んでいることから、これが旧道の路盤と思われた。

シャリシャリと雪を踏みしめる音を辺りに響かせながら、旧道を辿っていく。
相変わらずの日差しのもとで雪上を歩いているが、依然たっぷりの紫外線を浴びて、いい加減に顔が痛くなってくる。これは間違いなく日焼けしているだろうから、今日の風呂がますます怖くなってきた。しみるんだろうなぁ…。

それに、足元の雪もここにきてなかなか深くなってきた。
歩いていて足を取られることが結構多くなり、時に足が深く沈むことも多くなってくる。それはおそらくは部分的なものだろうと判断して進んできたが、ここから先はどうなっているだろうか。やや不安が募り、このまま進むか、引き返すかしばし考えたが、出した答えは…

全速前進!(笑)

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