一般国道113号
明沢トンネル旧道
第12部
2022年4月17日 探索 2022年7月3日 公開
前回の最後で路面に残る残雪が多くなり、それに比例するように足を取られることが結構多くなってきた私だったが、進むか引き返すかしばし考えたのちに出した答えが、全速前進(とはいえ、その速度たるやたかが知れているが(笑))。やや深くなりつつある足元の雪と格闘しながら前に進み、よせばいいのに直感的に振り返って撮影した画像がこれだ。
山側の斜面に掛けられた落石防止ネットは、長年に渡って身を挺して斜面を守り続けてきたために激しく傷み、その躯を私に見せてくれている。もちろん、その姿は通行が無くなってからもひたすらに、少なくとも半世紀の長きに渡って守り続けてきたからで、私から見れば非常に誇らしく、勇者のごとき風格に見える。実に美しい。
ありし日の国道も、ちゃんと管理されなければ、それがどんなに強固な落石防止ネットであっても最終的にはこうなる。管理されなくなってから久しいのか、既にあちこちで破れてしまっていて、もはやその用をなさなくなってしまっているけど、設置された当時はこのおかげで安心して通れるようになり、それは多くの通行者に安心を与えたはずなのだ。やはり道路のメンテナンスと言うのは非常に大事で、それは私が今まで通ってきた数少ない旧道や廃道から学んできたが、ここに来て改めて再確認した。
ボロボロになった落石防止ネットを後にして、緩やかなカーブを抜けて先へ進む。この辺りから場所によって雪が深いところと浅いところに混在が見られるようになってきた。林の中を進む旧道の路盤は雪の白さもあるせいか、やや不鮮明に見えるものの辿るにはさほど苦労しない。
ここは手元にある地理院地図から消された区間なので、旧道がどのような線形でここを通過していたかわからず、ただこの線形のみを追いかけているので、辺りを注意深く観察しながら先へ進んでいる。
先の画像にも見えていたが、そのまま進んでいくと林の中の一本道と言う様相になってくる。この辺、雰囲気はそのまんま林道だ。路盤は狭く感じるが、これは旧道化してから周辺の杉が旧道の路盤敷に多少侵食してきていることもあるだろう。規則的に植えられた杉は植林されたものだが、下枝も刈り払われておらず、ほとんど手が入っていないことを想像させる。
…この林を管理するためには、今私が歩いている旧道を使ってここまで来ないといけないが、ここに来るためには米坂線を踏切で越えなくてはいけない。私は不思議な力(フォース)が働いて線路を越えたが(←どんなフォースだ(笑))、車はそうはいかないので、仮設の踏切でも作る必要があるだろう。
…うーん、それが仮設でも踏切を新たに作るとなると、実際にはなかなかハードルが高いのかもしれない。
この辺に来ると、路面には明るい日差しが降り注いで、路面の雪も少なくなって歩きやすくなってくる。辺りの景色が少し開けたところで小休止。持ってきたペットボトルのルイボスティーを飲んで、一息つく。足元からはひんやりした空気が上がってくるが、降り注いでいる日差しはなかなかに暖かく、少し汗ばんでいる。ベースに戻ったら着替えないといけないかも。
手元の地図を見て現在位置を確認する(とは言えど、道の記号は消されてしまっているので、現在位置はあくまでも憶測なのだけど)と、この先でもう一度米坂線を越える必要がありそうだ。その時も不思議な力が働くといいのだけれど…。
少し休憩したことで、鋭気も体力も回復した。さて、フォースを期待して進もう(笑)。