新潟県主要地方道56号
小千谷大沢線 第10部
2022年7月24日 探索 2022年10月19日 公開
隧道の登場を願ってはみたものの、道形からしても隧道がいきなり登場してくるわけはなく、素直に砂利道を歩く。この辺に来ると、路肩にはそれまでほとんど見られなかったデリニエータが結構頻繁に見られるようになって、ここが県道であることを通行者に知らせるようになってきた。どういった気の変わりようだろうか(←失礼)。
山側には固く締まった崖の表面とともに明瞭な側溝が掘られ、整備された峠道の雰囲気満載になってくるので、自転車を押して歩くにもなかなか楽しい。
未舗装の砂利道は、右へ大きく回り込んだ後に直進で峠を目指して進む。足元の砂利が白いことからまだ真新しく、どうやら砂利を敷いて転圧してからさほど時間が経ってないと思われる。こういった道なら車が通っても安心だろう。よく整備された砂利道といった印象だ。
おや?。道の左側に何か立っているようだ。その見えないものになぜか少し期待しながら、近づいて確認してみよう。
おおっ!これは!
管理界を示す境界標だ!。正直、デリニエータだけだと少し不安だったが、これがあるならこの道は県道でもう間違いない。小白倉の集落からここまでは十日町地域振興局地域整備部の管轄、ここから先は長岡地域振興局地域整備部の管轄と言うことだ。ちなみにこの道の管理はこの先で長岡地域振興局地域整備部から柏崎地域振興局地域整備部にもう一度変わる。
これまで下越や中越の道をいろいろ辿ってきたが、同じ道で三度も管理する地域振興局が変わるのはここだけのような気がする。
管理界の表示板を横目に先へ進むと道の雰囲気が一気に明るくなって、非常に清々しく感じる。頭の中には今回の探索のテーマである Katy Perry の「Hummingbird Heartbeat」がまた聞こえてきた。なんだか嬉しくなって足取りも軽くなっていくが、右側の森の中になんだか白くて四角いものが見えた。あれは何だろう?。
おそらくはこの道を進んでいった先の道の脇に立っているものだろうが・・・。芝生のような路面に、明瞭に付いたダブルトラック。
これまでの探索ではほとんど見たことがない道の様子に、非常にワクワクしている。私の胸はまさしく「Hummingbird Heartbeat」だ。
※ Hummingbird Heartbeat(ハミングバード ハートビート) ハチドリの胸の鼓動の意
清々しい道を辿っていくと、白くて四角いものの正体がわかった。設定された時間雨量と連続雨量を越えると通行止にしますよと言う表示板だ。そのもの自体は、こうした新潟県の県道ではよく見かける代物だが、こんな感じでポツンと設置されているように見える設置の仕方は初めてだ!。
いかん!シビれる!(笑)
こうなったら一刻も早く近くに行ってあの表示板を拝んでみたいもんだが、昔から言うではないか。「急いては事を仕損じる」と。
ま、逃げるもんでもないし、このまま登っていけば嫌でも出会えるんだけどね。
よく整備された砂利道に、燦燦と降り注ぐ太陽。明るい道には青空が良く似合う。未舗装の県道の存在自体があまりないが、こんなに雰囲気のいい未舗装の道なら大歓迎だ(未開通の道で未舗装なら、178号山ノ相川下条停車場線や137号天神林上条線などがあるが、単に未舗装で開通している扱いの県道となると、初めてではないだろうか)。そんな雰囲気のいい道の路肩に立つ、通行止の表示板。
見てみると、この県道は時間雨量30ミリ、連続雨量100ミリになると通行止になるらしいが、問題はその距離。
・・・7300m?!
長いぞっ!(笑)
ここから7300mと言えば、終点の柏崎市大沢の集落まで行くんじゃないか?。そこまで行くと、この道は長岡地域振興局の管轄から、柏崎地域振興局の管轄に変わっているはず。いやいや、それより異常気象で通行止にしなきゃいけないのは、今まで通ってきた西山橋からここまでの道の方ではないのか。
さぁ、この先はいよいよ峠だ。しかし、この先で私を待っているのは、この辺りで俗に言う「大沢峠」ではない。大沢峠は柏崎市大沢の集落から長岡市(旧小国町)山野田へ抜ける県道341号の峠で、この56号が越える峠は、実は「榎峠」なのである。
・・・とネタを小出しにしつつ、以下次回!