新潟県主要地方道56号
小千谷大沢線 第12部

2022年7月24日 探索 2022年10月27日 公開

榎峠のお地蔵様の前でしばし休憩したので、体力もそれなりに復活だ。今度は榎峠を背にして大沢集落の方向へ出発しよう。ここからは自転車に跨って下ることになり、しばらくの間は快走路になるだろう。ただ、調子に乗ってあまり下りすぎてしまうと、今度は押して上がらなきゃならないという事態が待っているので、気を付けないといけないが。
峠の部分だけ優に二車線の幅が取られていた道幅は、出発するとこのように1.5車線ほどの狭い道に逆戻りだ。一部未舗装区間があるがゆえに、榎峠を通過する車などの交通量は非常に少ないようで閑散としているものの、路肩の草はきちんと刈られていたりする。

道の両側に立つ木が日光を遮るおかげで薄暗いものの、空気が冷やされて道を駆け抜けるので非常に気持ちいい。この辺りは稜線上を走っていて、左右とも見晴らしがいいはずだが、あいにく草や木に阻まれて見ることはできなかった。ところで、左側の木の真横に、何やら白い柱のようなものが見える。標識柱か、案内板の柱か。近づいて見てみよう。

おおっ!やはり!

ここから柏崎市を示す表示板と、管理する地域振興局界を示す表示板が、そこにあった。この県道は3つの市を跨っていると以前に書いた記憶があるが、まさしくそれだ。これまでは長岡地域振興局小千谷維持管理事務所の管轄だったのが、これからは柏崎地域振興局に変わるというもので、その表示者は新潟県。この道が県道である証拠でもある。これだよ~、これが見たかったのだよ~。
ただ、この表示板は「長岡地域振興局小千谷維持管理事務所」となっているのに対して、この前に見かけた表示板では「長岡地域振興局」だけになっていたはず。設置されたのは、こちらの方が後かもしれない。

右カーブを過ぎると、道は更に細くなっていく。周辺には誰もいないことをいいことに、「おい~、また未舗装になるんじゃなかろうな~」と残念そうな言葉を口に出してみるが、実は期待して喜んでいることは言うまでもない。いや、むしろそれは当然じゃないか(笑)。
だってねぇ。左路肩の下は急斜面、おまけにデリニエータが集中して立っているところは、おそらく過去に崩落したところ。そこに強固な擁壁を斜面に築いて復旧してあるのだ。山の中を走る、わずか一車線の主要地方道に、それだけの手間をかけて復旧しているだけに、この先にさらなる未舗装路の出現を期待してしまう(笑)。

路面右端の消えかけた路側帯を表す白線が、いい雰囲気を出している。山側の斜面はこうして見ると石垣のように見えるものの、実際はただの土肌の斜面だ。若々しい緑に囲まれながら下っていく道は、自転車で下っている私にとっては快適で、身体に感じる風が気持ちいい。この辺りに県道番号を記したヘキサでも立っていると、雰囲気も気持ちも一気に盛り上がるんだけどなぁ。

おおっ!ここもいいなぁ!

こういった風景を見ると、この道が稜線に非常に近いところを走っていることが、おわかりいただけると思う。左路肩の駒止めが、この道の年季を感じさせてくれる。ここから見ると、駒止めがあるところだけ谷側の木がなく、擁壁が造られているが…。
「まさか、ここも滑り落ちたんだろうか」そんな考えが頭をよぎる。確証はないし、あくまでも想像だが、中越地震や中越沖地震での被災だろうか。ただ単に滑り落ちたのなら、範囲が広すぎるような気がするのだが。そういえば、ここに来る途中の山側の路肩に…

このような工事の表示板を見つけた(会社名は伏せさせていただいた)。見ると、地すべり防止工事で、およそ1年にわたる長い工期の工事だ。もともとこの付近は、地すべり多発地帯なのかもしれず、そこに大きな地震でも起きたら…推して知るべしということだろう。そう見ると、この道は実は災害と隣り合わせの道なのかもしれない。

三枚目の地域振興局の表示板を確認したし、残るは大沢峠へ向かう県道341号の分岐点を確認するのみだ。ここからそう距離はないはずで、そこが今回の探索の一応の終点としてきた。そこまでもう少しとなると、寂しいものがあるが・・・それまで存分に楽しむとしよう!

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