新潟県主要地方道56号
小千谷大沢線 第2部

2022年7月24日 探索 2022年9月17日 公開

森の中を進む県道。今回は楽をして西山橋までは車で探索をしているが、この道は相変わらず急勾配で下っていく。その途中で思ったことは、この道は人間の手が入った「林」は少なく、自然のままの「森」が多いと言うことだ。いろんな道の探索を重ねて、いろんな場所でいろんな道で撮影をしていると、つい周りの木々や様子なんかを見て楽しんでしまうけど、道をただ通るだけではなくて様々なところを観察するようになったのは、この趣味のおかげと思っている。

ただ、欠点もある。それは、観察しすぎてなかなか前に進まないと言うことだ(笑)。

晴れわたった青い空、目に痛いほどの緑、その二つを和ませてくれる灰色のアスファルト(笑)。
実に素敵なコントラストじゃないか。しかも、ここから先の道幅も極端に狭くなっているのがアクセントになってまた良い。それに加え、この道は普段から交通量はほとんどないようだ。実際、私がここに来るまでにすれ違った車は1台もいない。でも忘れてはいけない。ここは立派な「主要地方道」なのだ。


ところで主要地方道とは道路の分類の一つで、その地域で主要な役割を担う都道府県道または市道に対して、道路法第56条を根拠として国土交通大臣が指定する道のことだ。その中で主要地方道は、高速自動車国道や一般国道と一体となって日本の広域交通を担う幹線道路として位置付けられていて、その管理は地方自治体が行うが、管理費用と言うことに関しては整備や維持管理に要する費用の50%までを、国が補助することができるようになっている。
主要地方道は広域交通を担うという性格上、二つ以上の自治体を経由するもの、あるいは全区間が単一の自治体に含まれるものでも、起点・終点の少なくとも一方が駅(停車場)・インターチェンジ・港・空港となっているものがほとんどだが、指定後に沿線の自治体が合併したために上記のような性格を持たなくなってしまった道もある。


更に下って、路肩から何気なくひょいと覗き込んだ風景がこれである。この道が急勾配で下っている理由がわかったような気がする。下に見える田圃の下に、この谷の最下部があると言うことを考えるとかなりの高さになる。それにこの道の高さと、下にある田圃の高低差はどうだ!。おそらくこの田圃は西山橋付近から延びる農道を辿っていくと辿り着くのだろうが、世話をするのも大変だと思う。きっと美味しいお米なんだろうな。

これが谷を覗き込んだ地点だ。周りの景色が非常に明るく拓けて気持ちいい雰囲気だが、この道をよく見てみると一部分にだけガードロープがあるのにお気づきだろうか。それに、この部分だけ妙に舗装が新しく見える(これまでは路面がひび割れていたりしているのが見られたのだが)。おそらく、補修されたのだろう。これらのことからガードロープが設置されている部分は、おそらく過去に滑った部分だろうと思われる。なもんだから、ここだけ谷側に擁壁があり、ガードロープが設置されているのだ。さっき覗き込んだ時の、あれだけの高さだけ滑ったとしたら・・・考えたくもない。

更に下っていくと、分岐点を見つける。左下に向かって細い道が下りていくが、県道はもちろん右カーブで下っていく道が正解だ。この左下へ下っていく道は、先ほど滑った場所の遥か下に見えた田圃に行き着く農道と思われる。現地では特に気にも留めず右カーブで県道を辿っていってしまったが、今思うとこの道に入ることはしなくても、ここから覗き込んで道の状態を確認するくらいのことは出来たんでないかと悔やまれる。

やっぱり車で辿っていると、あとから振り返った時に見落とすことが多い。移動速度が速いせいで、どれだけ注意しても見落としてしまうのだ。しっかり探索しようと思ったら、やっぱり自転車か徒歩に限ると実感した。

一気に下っていくと道幅が急に狭くなって、山側には自然の擁壁が、谷側には杉が立ち並んで道全体が薄暗くなってくる。この道はこの先で柏崎市に入るが、そこにある峠は榎峠(えのきとうげ)と言って、確か古くからの街道筋だったはず(←この辺うろ覚え。詳しくは後ほど)。そうすると、この風景は今までの整備された道の姿と違って、元々の峠道の風景だった可能性が高い。県道指定当初はこんな道だったのかと思うと、タイムスリップした気分だ。
先ほどの滑ったところから結構下りてきたから、もうそろそろ中間地点の西山橋のはずだが・・・。

と思ったら、橋に辿り着いた!。
これが西山橋かっ!

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