新潟県主要地方道56号
小千谷大沢線 第1部

2022年7月24日 探索 2022年9月13日 公開

さて、いよいよ探索開始だ。今、私は国道403号と県道56号が分岐する、名もなき交差点にいる。ところで、前方の青看板を見てみれば、この先で左側に県道56号が分岐し、その行き先は十日町・小千谷となっているのにお気づきだろうか。
そう、この県道56号はこの小白倉集落内で一部分だけ国道403号と重用しており、鉄道的に言えばこの数百メートルだけ「二重戸籍区間」になっているのだ。今回の探索範囲からすると十日町・小千谷方向へ向かう県道56号は範囲外なので、私はこのまま西山橋へ向かうことにする。

上の画像の地点から右を向くと、この風景が見える。そう、この山の中へ突っ込んで行く雰囲気がとても良くて、またこの狭さがたまらない道。これが主要地方道56号なのだ。左側に見える、屋根が丸くて茶色のメルヘンチックな茶色の建物は車庫だ。この辺りは日本有数の豪雪地帯の十日町市、車庫の屋根に雪が積もり過ぎないように丸くなっていて、自然に雪が下りるようになっているのだ。車庫一つでも土地柄によって構造が微妙に違っていたりするので、こういうところも探索の一つの楽しみでもある。さて、それではこの県道を愛でに行こう(笑)。

入ってすぐ、のんびりとした道の右側の道端に看板が見える。そこには「地区外者の山菜取りを固く禁ずる」と書いてあった。これは意地悪しているわけではなくて、この辺は先ほども書いたが豪雪地帯。農業や林業もそうだが、山菜一つとっても地域の重要な産業でもあり、また山林資源の保護のためにと言うことで禁止していると、以前に別のところだが探索した時につい話し込んでしまった農家の方に、そう聞いたことがある。

7月も下旬だから当たり前だが、今日も暑い。今回の探索は車と徒歩または自転車のハイブリッド探索なので、車の中だと涼しいじゃないかと思われる方もいらっしゃるだろうが、こういった探索の際は頻繁に車を停めるため、車への負担を考えてエアコンを切ってしまうので結構暑いのだ。
だが、幸いにも今日は探索する道の標高が高いせいか、幾分涼しく感じられるのは幸いだ。吹き抜ける風で時折木々と草が揺れて、探索は始まったばかりにも関わらず、既に暑い私の身体も冷ましてくれる。

左は山、右は遥か下に小白倉集落の端っこが見える。覗き込むと足がすくんでしまうほどの高さで、高所恐怖症の私としては出来れば遠慮したいところだったりする。先へ進むとしよう。ところで、この先の道は木々に囲まれてなんともいい雰囲気じゃないか。道幅は段々狭くなってくるが、今のところは県道の雰囲気はまだ保っている(笑)。

右の路肩には一部路面が補修したところがあって、白線が引き直されたところがある。
おそらくこれは何らかの原因(地震や大雨など)でここが滑ったか路盤崩壊したかで補修した跡だろう。この先、おおよそ主要地方道の名に負けないほどの道になることは(?)わかっているが、ひとまずはすぐに補修されたようだ。

暗闇の中に突っ込んで行くと、見事な切通しが現れた。その先の道は明るく、陰と陽のコントラストが非常に印象的な道の風景が現れる。左の山の斜面に伸びる木の生え方がなんともいい感じで、街道っぽい雰囲気も醸し出してくれている。道の脇には側溝で、しかもその脇の路面には苔が見えるじゃないか。この辺り、この道の交通量を地味に教えてくれているようで楽しい。

一見普通の道幅に見えるものの、地味に離合が難しそうな微妙~な道幅がたまらない(笑)。しかも、この道は結構な急角度で下り坂。およそ街中では見られないような下り具合と言ったら、わかって頂けるだろうか。ここをもし自転車で探索していたとすると、行きは良いが帰りはここを押して上がることになる。この急角度の坂道で自転車を押して歩いたら…すっかり鈍っているオッサンの身体には結構しんどいことになっていたかもしれなかった。

思わずのんびりと歩きたくなるような切り通しの道を後にして先へ進むと、今度は林道のような雰囲気で攻めてくる。ホントにこの道はコロコロと顔(印象)を変える、楽しい印象の道だ。だが、勾配の急なことは変わらずに西山橋を目指して下り勾配で一直線に進んでいく。

それにしても何とも明るい道で、通っているだけでも思わず深呼吸したくなる道だ。車のエンジンを停めると、一気に辺りに静けさが戻ってくる。目を瞑ると小鳥の鳴き声、風が森を抜けるときの木の葉が擦れる音、その他に例えようのない音がいろいろ重なり合って、実に気持ちいい音を奏であって、心が洗われるようだ。これがあるから、私はこの趣味を止められない。

この主要地方道が、西山橋から先に何があるのか。
そのヒントは導入部のURLにあるので、ぜひ解き明かしてほしい。ただ、そんなに大した内容ではないことは、あらかじめお伝えしておこう。でも、私は大好きだ(笑)。

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