一般国道113号
鷹の巣旧道 第8部
(完結編)
「小国街道」

(新潟県一般県道492号 鷹の巣公園線)

2026年5月5日 探索・2026年8月12日 公開

小国街道

鷹の巣トンネルの小国側坑口だ。坑口のRに合わせて造られた扁額は、なかなか凝っているもの。きれいにRに沿って造られていて、なかなか手が込んでいるじゃないか。この鷹の巣トンネル坑口は、地山よりも坑道と坑口が飛び出ている、いわゆる「突出型坑門」と呼ばれるものだ。高速道路などで採用が多いベルマウス型坑門も、この突出型坑門の派生型ともいえる。強固にフェンスなどで防護されたトンネル坑口は、何が何でもこのトンネルと道を護ってみせるという改良担当設計者の気概を感じさせてくれるもので、見ているだけで胸が熱くなってしまう。

ほら。こうして見ると、この隧道(トンネル)が突出型坑門であることがわかるでしょ?。たぶん、ここから見えているコンクリートの部分そのままが、後から追加されたものだろう。本来の坑口は地山に面したところだろう。となると、全長としては坑門の部分だけ結構延長されていることになるな。…本来の坑口を見に行く輩が多いのか、二重に設置されたガードレールが「入るなよ?」という気概をひしひしと感じるのは気のせいか。

こちらは鷹ノ巣トンネル関川側坑口を眺めたものだ。ここにも扁額が設置されているが、扁額は「鷹の巣」、道路表示板は「鷹ノ巣」になっているなど、なかなか面白い。まぁ単純な間違いだと思うけど。関川側坑口も突出型坑門になっていることに注目したい。突出型坑門は、突出している部分が強度的にどうしても弱いため、ここに衝撃が集中すると坑口が崩壊してしまう危険性があるはずなんだけどな。さて、この道にあった、「トマソン」とも言える何がなんだかわからない構造物は、この辺になるはずだが…あ、あったあった♪。

前の画像のちょうど脇に、下へ降りる階段を見つけた。これがこの階段だ。なかなか立派な階段で、ちょうどこの真下にある鷹の巣第2駐車場なる駐車場に降りれるように…なっていない。この階段はちょうどこの真下に見える木々の中に着地するようになっていて、右下に見える黒い車(これがいつもベースとなる私の車だが)が止まる駐車場に直結していないのだ。さて、この階段はいったい…。ま、ひとまず降りてみようか。

あまり、というかほとんど通行がない階段を下りていくと、このなんとも言えないコンクリート構造物の荒れ具合…。積もった枯れ葉やコンクリートを覆う苔、チョロチョロと生えるわけのわからない植物(失礼!)など、そそられるモノが多数ある階段。ここは前の画像で降りて行って突き当たって、左を向いたところだ。数段降りて、さらに右に折れて地上を目指すという、どうにもわからない道筋を辿っている。しかも、形作っているコンクリートは結構に強固なもので、簡単には劣化しなさそうなコンクリ構造物でもある。だからこそ、今まで残っていたんだろうが…さーて、こりゃいったいなんだろうな。。

で、前の画像から右に曲がると、この階段になる。ここから地上までは一直線で、階段もそんなに急な階段ではなく簡単に降りれるようになってはいるものの、到達した先が県道から離れた植込みの中と、少々(かなり)訳のわからない構造になっているのだ。いったいこの階段は何がしたかったのか。しかも、この画像からも見えているが、階段を下りた先の出口には積雪深を計測するポールまで設置されている。造りが結構しっかりしていることから、何かの間に合わせで造ったものではなく、結構真面目に造られているものだと思うのだ。さて、こりゃなんだろうなぁ…。


現地でしばし考え込んでしまったが、この階段は現国道の鷹の巣トンネルを掘る際の現場事務所が建てられたと思われる、現在の県道脇にある「鷹の巣第2駐車場」にアクセスするための道ではないかという気がしてきた。そういえば、現国道の鷹の巣トンネルの周辺に現場事務所が建てられたと思しきスペースが見当たらないことに気づく。となると、この階段は鷹の巣第2駐車場のスペースに設置された現場事務所に、簡単にアクセスするための階段ではなかったか?。実に立派な階段で、竣工後は何かに使おうとしていたように思えるが…。それだけ、この鷹の巣トンネルを含む局改工事が重要だったことが伺えるというもの。歴史に取り残された遺物と言えよう。

この国道113号は、もともとは土木県令と呼ばれた三島通庸が小国街道として開通させた道。
山形県の西置賜郡飯豊町と新潟県岩船郡関川村を結ぶこの道が最初に開通したのは、1885年(明治18年)秋のこと。今から実に140年前だ。今回レポートしたこの鷹の巣旧道も、おそらくはこの140年前の道だろう。でも、今の交通事情からすると道幅も狭いし急カーブはあるし、もしこれが現役の国道だったとしたら、思いっきり交通のネックになっていたことだろう。局改(局所改良)を受けても仕方ないな。

でも、幸いなことに昔の道は、今もこうして残っている。
今度はもう少し視点を変えて、ゆっくり通ってみようか。

一般国道113号 鷹の巣旧道
完結