一般国道113号
鷹の巣旧道 第7部
「不思議なネット」
(新潟県一般県道492号 鷹の巣公園線)
2026年5月5日 探索・2026年8月1日 公開
不思議なネット

おお、落石注意の標識だ。その標識柱には管理主体が記されていないが、この道のこの区間は関川村が管理しているはずなので、設置は関川村だろうか。それとも新潟県が設置したものだろうか。もしかして国土交通省?。いやいや、そんなことはないな。現道なら国土交通省だけど、この道は旧道だから新潟県のはず。…などと、標識の前に突っ立ってブツブツつぶやいているおっちゃんがいたら…私なら近寄りたくないな、ウン(笑)。

ふと川側を覗くと、荒川の綺麗な流れが遥か下に見える。川砂の白と水の青、それに新緑の緑が美しい。今は穏やかな流れだが、ひとたび雨が降ると暴れ川となる荒川。その名前も「荒ぶる川」から付けられたとの説もある川だ。大雨になるとこの高さまで水流が上がるのだから、自然の水の力は恐ろしい。改めて人間は自然の力には絶対に敵わないなと思う。

またまたふと山側を見ると、落石を防止するための金属ネットがボロボロに傷んでいる。遥か昔に設置されたネットだろうが、ここまで傷んでいるのもまた珍しいんではないだろうか。そのネットの隙間から草木が生えてきて、ネット自体も自然に取り込もうとしている。石が白いなぁ…。調べてみると、この荒川の周辺は花崗岩が多いらしい。とすると、ここも花崗岩か?。でも、花崗岩だと表面がこんなにならないんじゃないだろうか。とすると、砂岩か泥岩か…泥岩かな?。

さて、分岐点までやってきた。ここは旧道が再び現道に合流する地点だ。道の高さはかさ上げされているのかもしれないが、私が注目したのは合流点の脇にある、ここだった。…え?ただの土の斜面じゃないかって?。ここ、よーく見ると右側の岩肌に、落石防止のネットが見える。これに惹かれてしまった。…でも、これはどういうことか。この岩肌のままだったら大した高さではないので、、わざわざ落石ネットをする必要もないはずだ。とすると…旧道時代の低い高さの道の時代に落石防止ネットが設置されて、そのまま嵩上げされたものかもしれない。そう考えると、すごく素敵ではないか。先っぽだけ残った落石防止ネット。なかなか想像力が膨らみ、面白い。
この石の前に立って、何かを考えながら時折「不思議な~ネット」と、「吐息でネット」のメロディで口ずさんでる私は、傍から見ても気色悪い。もし見かけたら、近寄らないですぐに離れた方がいい(笑)。

現道に戻って、起点を目指す。これは、さっきの低い落石防護ネットから現道に入り、少し戻ったところにある現道のトンネルだ。この坑口部にこんな表示板が付けられていた。これは北海道の国道229号にある豊浜トンネル(旧)(北海道後志管内の余市郡余市町と古平郡古平町とを結ぶトンネルで、国道229号の一部)で1996年(平成8年)に発生した豊浜トンネル崩落事故や、1997年(平成9年)に発生した、同じ国道229号の第2白糸トンネル崩落事故などの重大災害を契機として、全国の道路管理者や国主導で実施された緊急点検のことだ。トンネル坑口や隣接する急崖・オーバーハング部の安全性を確認するために行われた。ここも検査を受けて、いくつか改修を受けたのかもしれない。
作者注…実はこのように危険と言われた隧道が新潟にもあった。それが国道49号にあった本尊岩隧道で、いつ崩れるかわからない「日本で一番危険な隧道」と言われたが、現在では対岸の山中を新道がトンネルで突っ切り、それまでの国道49号だった新潟県阿賀町揚川と本牧の間の旧道は廃道となっている。あの三島通庸が開通させた会津三方道路の一本だった道筋だが、本尊岩隧道を中心としたこの区間は、交通が全くなくなった現在では本当に危険なので、むやみに立ち入ることはお勧めしない。と言うか、立ち入らない方がいい。なお、旧道の様子はJR磐越西線の三川~津川間に乗車すると、その一部を確認することが出来る(磐越西線と旧道が並走していたため)。

坑門の脇から、荒川に架けられた吊り橋の様子を眺めてみた。
こうしてみると実に穏やかな、長閑な景色なんだけどねぇ。ひとたび雨が降ると暴れ川になってしまう荒川。この荒川沿いの、川面からそんなに高くない位置を国道113号は走っていた。それが羽越水害で壊滅的な被害を受けて直轄国道となり、山を穿ち橋を架け、多くの局改(局所改良)を経て現在の国道113号の姿になった。画像右側に写っている建物は、確か宿泊施設の一部ではなかっただろうか。御覧の通り川の水面からさほど高くない位置にあるので、堤防を越流してしまうと大変なことになると思う。
次回、鷹の巣トンネルを少し観察してトンネルを抜け、いよいよ不思議な階段に向かう!。
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