一般国道113号
鷹の巣旧道

(新潟県一般県道492号 鷹の巣公園線)

2026年5月5日 探索・2026年5月28日 公開

県道の矜持

ここは新潟県の関川村、一般国道113号。今は右側に高規格道路の「一般国道113号鷹ノ巣道路」の工事が行われている。工事を管理しているのは国土交通省羽越河川国道事務所。リンクを貼らせていただいたので見て頂けると幸いだが、今は数多くの車が通行するこの道も、鷹ノ巣道路が開通すれば旧道化する運命を持っている。工事は順調に進んでいるようで、その日も遠くはないだろう。

さて、今回探索するのは、この113号の旧道。ここでは何度も取り上げている113号、そのリーダー格はやはり八ツ口旧道と宇津峠だろう。だが、沿線には小さい旧道もたくさんある。ここはそのうちの一つだ。実はこの旧道は、手前に立っている卒塔婆の通り、現在でも途中までは新潟県一般県道492号鷹の巣公園線として管理されている。


作者注…八ツ口旧道はここでも紹介しているが、私の探索後しばらくは通行出来たものの、今は西沢橋の手前辺りで大崩落が発生したようで、完全に通行することは出来なくなった。こうして旧道は時間の経過とともに通行できなくなっていく。それは旧道化、廃道化すると同時に管理されなくなるからだが、やはり思ったときに通行しないといけないというのを実感した次第だ。中沢橋の彼はお元気だろうか。こうして思い出も廃道化していくのは寂しいものだ。


この113号の関川村の沿線は「えちごせきかわ温泉郷」として知られている。高瀬温泉、鷹の巣温泉、雲母(きら)温泉、湯沢温泉、桂の関温泉の五つからなる温泉だが、この鷹の巣温泉郷はキャンプ場もあって、なかなか賑やかな場所だ。ここは旧道への分岐点。右が国道113号、左が鷹の巣温泉郷に向かって行く県道で、途中から関川村道になり、また国道113号に合流するという、旧道の王道を行く道と言ってもいいかもしれない。そうだよねぇ…どう見ても旧道だもんな、この分岐のしかた。

113号と旧道の間には、ドライブインだか旅館だかの廃建物があって、そこにこんな看板が。周りは山だしなぁ…そりゃいるよなぁ。でも、近くには鷹ノ巣道路の工事が行われているもんだから、周囲は相当賑やかなので、もしかしたらクマも逃げていくかもしれないな。
実はこの探索は昨年の新潟県一般県道207号大栗田村上線以来の探索になる。大栗田村上線が昨年の8月の末だから、もう9か月近くになるんだと驚く。その原因は本業の仕事が忙しくなったのと、このクマ騒ぎがある。去年から増えたもんねぇ…クマ。

分岐点から旧道に少し入ってみると、鷹の巣温泉郷に向かって一直線に下りていく旧道の風景が広がる。左側には少し背の高い消火栓もあったりする。この消火栓はまだ低い方だが、別の場所にはもっとノッポの消火栓があったりして、なぜこんなに背が高いのか?と思ってしまうことが多々あった。よくよく考えると、これは冬季の積雪で消火栓が埋まってしまうのを防ぐためなんだなと、最近気づいた次第だ。
閑話休題。現代の車がすれ違うには、少し狭いかなと感じる道を、のんびりと下っていく。今回の探索は、この旧道上の鷹の巣温泉郷にある駐車場に車を停めて徒歩で行っているが、久しぶりの探索なので非常に楽しい。もちろんこの探索の前に、探索のリハビリはちゃんと行っているので、準備は万端なのだが…。

それでは、ここで道路台帳を見てみよう。正式には「道路現況平面図」。私がこの前の画像でいた地点が、県道492号の終点であることがわかるだろう。この先、真っすぐ下りて行って右にカーブして山肌に沿って進んでいくことがわかる。この先の見どころは右側、113号をくぐって橋があり、更にまた113号をくぐるというところだろうか。この県道の起点は鷹の巣温泉やキャンプ場の入口付近になる。


いっそのこと、この旧道をすべて県道としてしまえばいいようにも思えるが、実は都道府県道というのは、ある地点と国道等を結ばなければならないと規定されている。これは当時の建設省道路局長が各都道府県知事にあてて昭和46年10月15日に発出した通達、「道政発第一〇八号 都道府県道の路線認定基準について」に定められており、この新潟県一般県道492号鷹ノ巣公園線は、この基準の第2、主要港等の基準の(4)、「国、地方公共団体、公益法人等が設置した特に公共性の強い観光施設、レクリエーション施設又は500人以上を収容する宿泊施設をもつ温泉地」、これに該当すると思われる。すなわち、「ある地点と国道を結ぶ路線」とここで規定されているために鷹の巣公園側が起点になっていて、この旧道全部を県道には指定できなかったのだろう。


プロローグの最後は道路ではないが、これに登場してもらおう。あのノッポの消火栓だ。今は付近に建物などはなく、あまり使用されないようにも思えたりするが、山林火災などが発生すると真価を発揮すると思う、この消火栓。近くにはもともと旅館やドライブインであったであろう建物や空き地も点在するので、それだけでもここにあることは安心の一つなのかもしれない。近くで観察してみたが、色は褪せてはいるものの、当たり前だがきちんと整備されており、雪が積もる冬も、強烈な日差しに照らされる夏も、その万一の時のためにここに立ち続けている。

それじゃ行こうか。

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