一般国道49号
七折峠 旧旧道編 第9部
2021年3月20日・2021年4月11日 探索
2021年6月30日 公開
木の根坂沢との合流点を右に折れて(左に行くと七折橋の真下へ行ける)、旧旧道を辿る。この区間、おそらくはもともとの純粋な旧旧道ではないだろうが、それが辿れるだけの道が用意されているのは、非常にありがたい。この画像を見る通り、進行方向左側は高いフェンスに仕切られており、その外側が何か厳重で重要なものが存在していると言うことが見てとれる。それが何なのかは、もう少し先へ進まなければならないが、その前に…
これまで通ってきた道を振り返って撮影してみる。改めて思うが、結構なヤブの中を通ってきたもんだ。若干苦労はしたものの、無事に通り抜けられてよかった。
ところで、林の中を抜けてきた旧旧道は、今私が立っている地点から左下に進路を変えるが、この地点から見る峠方向へ向かう路面の勾配が、非常に緩やかなことに注目したい。馬車や牛車が峠道を上がれるように勾配を緩和させるため、峠道をつづら折りにするのはよくあることで、この七折峠も例外に漏れずそうだった。この風景を今こうして眺めていると、往時の景色が戻ってきそうで懐かしい。
では、もうすぐゴールが近い旧旧道を辿っていこう。先ほどの画像で、左側に見えるフェンスの外側に何があるんだろう?とお思いの方もいらっしゃると思うが、この画像で左側に小さく車が写り込んでいるので、ピン!と来た方も多いだろう。
そう、左側のフェンスの外側は「磐越自動車道」。つまり、この七折峠の旧旧道は、磐越自動車道建設の際に作業道として、七折橋建造の際も作業道として、そして現道の七折峠トンネル建造の際も作業道として使われた可能性がある、と言うことになる。…でも、作業道としてでも現役で活躍していたと言うことは、ありがたいことだと思う。だって、その間だけ旧旧道になって寂れる時間が少なくなるってことだもんね。
ここまで来ると、もう左側の道は磐越自動車道で間違いない。普段通行する車もほとんどないようで、路面にはダブルトラックの跡もなく、一面枯草に覆われている状態だ。道幅は1.5車線ほどあり、ここだけ見ているとここがおよそ七折峠の旧旧道と言う感じはせず、やっぱり作業道のようにしか見えない。
先へ進むと、旧旧道は磐越自動車道の下をトンネルで潜っていた。現在の地理院地図にも、この場所にしっかりとトンネル記号で描かれており、こちらから探索する時には目印になると思う。
旧旧道の両側の法面は現代の技術でしっかりと保護されていて、よほどのことがない限り「法面が崩れました」なんてことはないだろう。
さて、それではいよいよ入洞!…なんて大げさなものではなく、御覧の通り磐越自動車道の下を潜り抜けるだけだが、ここも旧旧道の一部。昔で言うと会津沼田街道だった。後年になって三島通庸が会津三方道路を開通させた際に会津街道に組み入れられたこの道がもしも無かったとしたら、国道49号は今でも束松峠経由の道筋を通っていたかもしれないと言うことになる(ところで現在の国道49号は藤峠経由の道になっているが、磐越自動車道は束松トンネルで束松峠を越えており、昔の道筋に戻っているとも言えなくもない)。今のこの姿はおよそ峠道らしくないが、そう考えると、単純に高速道路を潜り抜けるだけのこの道も、その裏には大きな歴史があって非常に面白い。
抜けた!。
ここまで来るとゴールまではもうすぐ。目の前に見える、一段高いところを通っているのが七折橋を経由する、国道49号の旧道だ。その旧道の路肩に整然と設置されているガードレールが、この画像に写り込んでいる。と、ここで前方に橋が現れた。橋と言っても木の根坂沢からの小さい川を渡るコンクリート製の桁橋だが、銘板はついているようだ。確認してみよう。
坂本橋…どこかで聞いたような?