一般国道49号
七折峠 旧旧道編 第6部
2021年3月20日・2021年4月11日 探索
2021年6月18日 公開
旧旧道、いよいよ後半の出発だ。道は非常に歩きやすく、このまま最後までこの状態が続いていってくれると非常に助かるのだが、今までの経験上そんなことはほとんどなく、この先に泥濘とかヤブ等があったりして、それらと格闘することになるのがお決まりのコースだ。今回もきっとそうだろう(もっとも、それがないとちょっと物足りなかったりするんだけどね(笑))。
ところでここ、よく見ると路面は枯れた草で覆われている。今は冬枯れの時期、積もった雪が草を枯らして、その雪が春になって消えた直後だ。枯草の量からしても、ここって暖かくなってくると実は草に覆われるんじゃ…そんな気がしてきた。
やっぱり、探索する時季って大事よね。
振り返ってみて撮影。旧旧道の道形がよくわかると思う。右の上を走ってきた旧道は180度向きを変え、緩やかにカーブしながら降りてくる、と言うわけだ。ここから見ると、右側の斜面の下側は金属ネットと大きめの石で斜面が崩れないように施工されており、これは間違いなく後年、しかも近年に施工されたものだと思う。やはりこの旧旧道、道形は昔のままだが道路そのものは大掛かりな改修が加えられているようだ。チェンジ後の画像は、その施工されている部分を撮影したもの。しっかりと組まれていて、斜面の土が流れ出さないように守っている。
路面をよく観察してみると、路肩側のガードレールの下に草に埋もれてはいるものの、グレーチングを見つけた。側溝などによく被せてある鉄製の網だが、それが路面を横断するように設置してあるところを見ると、山側に沢…はなさそうなので、雨水をまとめて路肩側の斜面に放水していて、そのためのグレーチングのようだ。旧旧道と言う遥か昔からの古道と言えなくもないこの道筋に、こうした近代的な設備がこそっと設置してあるというのは、実に面白い。
先へと歩を進めていくと道の雰囲気は旧旧道らしくなってくるが、倒木が通せんぼしていた。こういうこともあって、車が入れなくなったのかもしれないと勝手に想像を巡らすが、車と言ってもこの道に似合うのは軽トラックかミゼット辺りではないだろうか。でも、今のこの状態で通れなくなったのはあくまでも車であり、私は今は自前の2本の足で歩いている。このくらいなら一向にお構いなしで、下を潜り抜けて先へ進む。残念だったな、倒木君(笑)。
おおっ!いい感じ!
中年になって若干(かなり?)出てきたお腹の肉を気にしながら、前かがみで倒木の下を潜り抜けると、旧旧道らしい路面が現れる。もちろん未舗装で、今はさほど背が高くない笹に覆われた廃道と言ってもいい、実に大好物の風景が目の前に広がる。
正直、ここまでは旧旧道と言うものの、そのどこかに現代の手が入っていて正直やや物足りなかったのも事実。
そこに現れたこの風景なので、思わず「おおっ!これだよこれ!」と大声で言ってしまった(もちろん、その直後に思わずあたりを見回したのは言うまでもない(笑))。
・・・と思ったのもつかの間、すぐにこうしてガードレールとフェンスが現れる。ガードレールはわかるが、フェンスと言うのはいったい…?。それにガードレールも新しすぎるような気がする。と、ここまで思ったときに、この旧旧道の下に位置するもう一つの道の存在を思い出した。
磐越自動車道だ。
この旧旧道の真下には磐越自動車道が通っていて、地図上ではこの旧旧道もこの先、旧道との合流地点直前で磐越自動車道の下を潜り抜けている。このフェンスはおそらく、磐越自動車道のものだろう。転落防止か何かだろうか。それなら、こんな山の中にこんなフェンスがあるのも納得できる。
ま、それはそれとして先へ進もう。相変わらず右側にはフェンスと、今は笹に埋もれてしまっているが、おそらくガードレールもあるだろう。確かにこんなところから高速道路上に転落しては大事故になってしまうから、致し方ないところもある。
それよりも、路面の笹の状態が激しくなってきた。さっきまではせいぜい膝くらいまでの高さだったし、密度もさほどではなかった。が、今は高さは腰ほどもあり、結構密度も濃い。この場所が太陽の光に溢れているからなのか、ここは夏や秋になるとヤブ漕ぎしないと通れなくなりそうだ。腰に付けたクマ鈴が、私が歩くから鳴るのではなく、笹に弾かれてなるようになってきたと言えば、その密度がお分かりいただけるだろうか。
そんな旧旧道の路盤で笹と戦っていた私に、癒してくれるかのように目の前に桜が現れる。実に美しい山桜だ。
こういった旧道や旧旧道の路盤で草や笹と戦っているときに限って現れて、癒してくれるのは偶然だろうか。ま、桜の方もそこまで考えて咲いていないとは思うが(笑)、お礼にちゃんと画像にして残しておこう。
お~、いいなぁこの景色!