一般国道49号
七折峠 旧旧道編 第2部

2021年3月20日・2021年4月11日 探索
2021年6月2日 公開

七折坂へ

いよいよ旧旧道に入っていく。旧道から分岐したこの道は塔寺方向から来ると右回りの急カーブで方向を変え、つづら折りの緩やかな勾配で徐々に高度を下げていくという、全体の距離は長くなるが勾配は緩やかになる明治車道ならではの道筋で下っていく。1910年(明治43年)測量の地図に「七折坂」と記載があるこの峠道を、幾多の馬車や牛車が通ったことだろう。この峠は「七折峠」と言うよりも「七折坂」の方がしっくりくるような気がする。ここで佇んで眺めていると、牛車や馬車が行き交った往時の光景が目の前に広がってくるようだ。

…と、道端を見てみると、不法投棄された廃棄物の数々が目に付いて、一気に現代に引き戻される。左下側に見える白い箱状の物体は、懐かしのPCのディスプレイだろうか。その他にもいくつかの雑多なゴミが目に付く。これはきっと上を通る旧道から投げ込まれたものだろう。さすがに旧道が現役の国道だった時代に、往来が激しい国道に車を停めて投げ込む人はいないだろうから(思いっきり目立つもんね)、上を通る道が旧道化になってから投棄されたものだろうと思うが…。
探索していると、しばしばこういった光景を目にする。そのたびに、なんだか悲しい気持ちになってしまうのは、私だけだろうか。

ところで、旧旧道の入口からここまで少し上り勾配になっていた。その道がこの辺りで頂点を迎え、平坦になってそのまま先へ進んでいく。道の右側(旧道側になる)の法面はコンクリートの吹き付けなどは行われていない、土むき出しの安定している斜面になっている。でもこれ、この旧旧道本来の斜面ではなく、後年になって整備された法面だろう。冬枯れなのか、今は法面に草などは見られず、すっきりとした印象を受ける。路面には笹が繁茂しているが、その高さはせいぜい腰のあたりまでで、掻き分ければ問題なく進める程度だったから通行には支障はなかった。探索の時季が少しずれたりすると、この笹は結構成長しているかもしれない。

なんか、いろんなものが
落ちてるなぁ…

青空に生える緑と、暖かそうな日差し。ここから見える風景は穏やかな春を見せてくれている。それだけにねぇ…落ちてるごみがなければ最高の風景なんだけどなぁ。非常に残念。そんなことを思いながら、路面にはびこる背が低い笹をガサゴソと掻き分けつつ先へ進んでいく。その路面は乾燥していて非常に歩きやすい。



右に見える斜面の上には旧道が走る旧旧道の道筋。最初に旧旧道に足を踏み入れてから、まださほど進んでいないが、旧道の路盤とはもうこれだけの高低差が出来ていることに、少し驚く。日光が差していないところはまばらに生えている路面の笹も、この先に見える日光が差し込んでいる箇所は、やや密度が濃い目だ。これから先、季節が進むとやっぱりヤブになりそうな気がする。だが、探索自体は今のところ普通に歩けているおかげで周りの風景を楽しみながら進んでいて、足に伝わるフカフカした杉の落ち葉と笹の落ち葉の感触を楽しんでいたりする。

チェンジ後の画像は、右側の法面を見上げたものだ。旧道のガードレールがはっきり見えていて、地図上でしか確認できなかった七折坂のつづら折りを辿って峠を下っていることを実感した。

ひゃ~…たけぇなぁ…

左側の路肩の下を覗き込んでみる。ここもお決まりと言うべきか、路肩にデリネータなどの防護施設は何もない(この先進んでいくとガードレールが登場するようだが)。なので、もし万が一落ちるでもしたら、この斜面を真っ逆さまに下っていくことになるので注意が必要だ。でも、この斜面の下にはこの道の続きが通っているはずなんだけどなぁ…

おっ!あれはなんだ?!

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