一般国道352号
種苧原・城山トンネル旧道
第8部

2021年9月25日 探索 2022年3月13日 公開

さて、前回は大川原橋の探索を終えたところで終わったが、今回はその続き。
今見ているこの風景は、大川原橋を越えて現道に合流したところから旧道の方向と種苧原トンネルを眺めたところだ。右側の電柱の麓に何やら錆びたガードレールが見えるのが大川原橋で、現道の種苧原トンネルを出たところにある橋も大川原橋も同じ和田川を跨いでいるが、ここから眺めていると現道の道筋の取り方と、旧道の道筋の取り方がよくわかる。

新道は種苧原トンネルで山をぶち抜いているが、旧道は和田川沿いに谷間を縫いながら走っている。もし、ボンネットバスがここに走っていたとしたら、似合うのはどちらの道か?。それは文句なしに、右の旧道の道筋だろう。

ところで、新道と旧道の合流点だが、実はもう一本道が隠れているのを、お気づきだろうか。
そう、合流点の直前に、現道と並行して走る道が分岐しているように見えるが、その通り。ここからもう一本、道が分岐している。実は新道と旧道はここで合流せず、ギリギリの間隔を保ちながら並行して次の城山トンネルへ向かっているのだ(向かっているだけで、合流はしていない。その後どうなるかは、この後のお楽しみ(笑))。もちろん、今度はその旧道を進むことにしよう。だが、その前にこれから進む方向を確認することにする。

さて、上の画像から回れ右をして、今度は城山トンネルの方向を見てみる。城山トンネルの全長はさほど長くなく、数百メートルと言ったところだろう。そして、この新道の左側に生えるススキのヤブの更に左側には旧道が隠れていると言っていい。

この探索も、いよいよ後半戦。これまでは長閑な旧道の雰囲気と、多すぎる年代物のコンクリートの桁橋の中で一本だけ紛れ込んでいる新しい橋(おおつぼばし)など、それなりに楽しい旧道であったが、これから先はどうなるのか非常に楽しみだ。それでは早速、突っ込んで行くことにしよう(笑)。

さて、先ほどの合流点から一見目立たない現道に並行する道を入っていた画像がこれだ。細い道筋、荒れたアスファルト、道端に立つ電柱・・・そう、この先の旧道は、これまでいくつも紹介してきた旧道と同じように、電線の作業道として維持管理されていたのだった。そのせいだろうか、最低限に道幅と、綺麗に下草が刈り取られた畦道のような旧道の風景が広がる。

先へ進むと少し道幅は広がり、荒れたアスファルトの路面にもダブルトラックが見えるようになってきた。どうやらこのような細い道でも車の通行はあるようだ。右に見えるススキの壁の先は現道。この旧道と現道が実に狭い幅で並行しているのがおわかりいただけるだろう。そう、現道と旧道を隔てるのはススキの壁だけなのだ。実に楽しい(笑)。

更に先へ進むと、軽自動車一台くらいなら余裕で進める道幅になってきて、先を見ると更に広がっているようだ。木々と草に囲まれた道は、まるで違う世界に繋がっているかのように、真っ直ぐ伸びている…と言うような道ではない(笑)。
でも、足元のアスファルトはそれなりにくたびれていて、それなりに惹かれるものはあるので、やはりここは先を確認しないとだろう。いやぁ、長閑な道だ(笑)。

長閑な道が続くだろう・・・と思っていたら、いきなりのエンド。行き止まりになってしまった。路面にはやたら目立つタイヤ痕。Uターンをしようとしてステアリングを切り返した動作がよくわかる。左には電柱があるが、電線もここで終わりではなく、先へ進んでいるじゃないか。
ここでいきなり途切れているのは、何か理由がある。とは言え、正面のヤブの先へ突っ込んで行くのもなんだか危険な気がした。そういえば、この旧道は現道と並行していたはず。それなら、現道に戻って先へ進めば、この正面に立ちはだかるヤブの先も答えが得られるような気がする。

一旦戻ろう。

合流点まで戻って城山トンネル坑口まで進み、撮影したのがこの画像だ。この画像の手前には、実は一つ橋があって、その橋の名前は「続橋(つづきばし)」と言う。これでわかった。旧道が行き止まりになっていた理由は、以前はそこに橋があったが今は撤去されて橋がなくなっていたからだ。現道の続橋の橋上から見てみよう。

その前に、坑口右側に伸びるのは旧道ではないか?。少し目線をやるが、直視するのは今はやめておいた。その理由は後ほど自ずとわかると思う。

現道の続橋から下を覗き込んでみると、右側にコンクリートの構造物があるのが見える。おそらく旧道上に存在していた続橋の橋台の跡だろう。先ほどまで田圃の脇を流れていた和田川は、ここでは一種の渓谷美のような様相を見せてきているのが新鮮で面白い。
さて、と言うことはこの付近に旧道の跡があるはずだが・・・とあたりを見回してみると・・・

ありました。旧道跡。城山トンネル坑口から和田川に沿って左側に道が伸びていて、先に見える電柱のたもとでプッツリと切れている。この道が旧道の続きだろう。路面も荒れてはいるものの舗装はまだ残っていて、この道が今も現役であることを教えてくれている。さ、坑口に戻って、これから先に進むであろう旧道を見てみよう。

えーと・・・

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