一般国道352号
種苧原・城山トンネル旧道
第2部

2021年9月25日 探索 2022年2月13日 公開

それでは、いよいよ旧道に突入だ。・・・それにしても狭いな、おい(笑)。
こういった旧道につきものの目安として電線があるが、御覧の通り現道沿いではなく、この旧道沿いに敷設されている。これは、ここに電線が敷設された際にはこの旧道しかなかったと言うことであり、この細い道がまぎれもなく旧道であることを示している。

ところで今回の探索は徒歩で行うが、現道沿いには車を停車する場所がないため、今回はこの旧道沿いに車を置き、そこをベースとして探索を行った。ここは道幅が一車線ほどしかないが、この先で道幅が広がるだろう・・・たぶん(笑)

先ほどの城山橋で渡った和田川は、この旧道の右脇に寄り添うようにして進んでいる。すなわち、この画像で言うと右側に見えるススキの外側は和田川と言うことになる。現道は左側の一段高くなったところを通っており、この旧道は現道と和田川に挟まれた、非常に狭いところを通っているのだ。・・・いや、現道にそうされたと言うべきか。センターラインもない1.5車線の狭い道は、現道当時の記憶をところどころに残しながら進んでいく。

ほらほら、道幅が広くなってきた!。この道幅が本来の道幅なのかもしれない。最初の分岐点のところの道幅ではどう考えても作業道にしか見えなかったが、ここなら自信を持って言える。旧道です、と(?)。道の右端の路肩にはデリニエータも見える。今は夕暮れで画像が若干暗いが、もう少し時間が早かったら明るい日差しに輝く素敵な景色が見えたことだろう。

ところで、私はこの辺に車を停めた。道幅も広く、車の通りもほとんどないため交通の支障にもならないので、安全かなと判断したためだ。どことなく落ち着ける場所でもあり暫く佇んでいたものの、足元にすごく大きい毛虫を見つけてしまって驚いたのはナイショだ(笑)。

毛虫に驚き、慌てて探索を開始したものの、右側の路肩の下から聞こえる川の流れの音は聴き逃さなかった。この画像は、その路肩から下を流れる和田川を覗き込んだものだ。こんなに下を流れているとは思わず、高いところがやや苦手な私は少し足がすくんでしまうものの、すぐにその景色に圧倒される。

ここから見た画像ではわかりにくいが、下に見える砂防堰提を越える水はここから見てもわかるほど非常に透明度が高くて綺麗で、実に美味しそうな水だった。堰堤から流れ落ちる直前の流れの水は川の底が見えるほど透明だったと言えば、わかって頂けるだろうか。

砂防堰提を眺めて水の綺麗さに驚きながら先へ進んでいくと、このようなトンネルが。
・・・いや、これはトンネルじゃないな。ボックスカルバートと言った方がいいかもしれない。

ボックスカルバートとは主に地中に埋設され、水路や通信線などの収容に使われる箱型のコンクリート構造物のこと。それだけではなく用途は多岐に渡り、このようにトンネルとして代用されることもある。またボックスカルバートをプレキャスト化することで品質が安定し、その結果として工期の短縮につながると言う利点がある。


もちろん、このボックスカルバートの上は現道が走っており、現道が旧道を跨ぐために設置されたものだ。こういった際は多くの場合において、新道の盛り土で旧道は寸断され、あるいは旧道の接続点を他の場所に移設されたりする場合が多いが、ここは旧道の道筋を大事にしながら新道(現道)の工事が進められたようで、こうした構造になったのだろう。
旧道を大事にしながら、新道を建設してインフラと歴史を守る。そういった目的でこうした構造になったかどうかはわからないが、少なくとも今こうして旧道が守られていることに感謝したい。

高さ制限4.5m。現道の規格にほぼ沿う形で造られたこの道は前後の道幅がやや狭いものの、今でも現道の迂回路となっているのかもしれないという気がする。…それは考えすぎか(笑)。それにしても、高さ制限の標識の上半分が折れ曲がっているのがどうも気になる。どうやったら、上半分が折れ曲がるのか、知っている方がおられたら教えていただきたい。

次回、ボックスカルバートを越えて、その先へ!。
その前に、このボックスカルバートを見てみることにするのだが、そこには…!。

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