新潟県主要地方道56号
小千谷大沢線 第13部
2022年7月24日 探索 2022年10月31日 公開
突然だが、この道を辿っていると、先程から「過去は街道や裏往還ではなかったか?」と言う考えが頭をよぎりまくっている。勾配が穏やかだし、それなりに交通があった道のように思えて仕方ない。そして、そのまま主要地方道になったのでは…という気がする。
この先は、この56号から分岐して、もう一つの峠である大沢峠へ向かい、小国町を経由して小千谷市へ向かう県道341号の分岐点だが、こちらもなんとなく街道っぽいような気がしていて、この後の机上調査でどんな結果が出てくるか、楽しみなところだ。
その分岐点まで、あと少し。左の谷側の路肩の駒止めがないところはデリニエータが立ち、視界不良時や夜間の通行に備えてはあるものの、ここから間違って落ちようものなら数十メートル下まで真っ逆さまだ。霧の夜なんかは絶対通りたくないこと請け合いだ。
いよいよ分岐点だ。ここの分岐点はなかなか交通量が多く、そのほとんど(99%と言ってもいいくらい)は県道341号へ流れていく。おまけに、路肩に立つ青看(これがまだ道形通りに表示されている)や、ここから見える風景でもわかるように、大沢方向から県道341号に入ろうとすると、その分岐する方向が56号に対して鋭角になっているので(道形からすると、そのまま56号を進むように作ってある)、一回右に振って左に曲がるように大回りしなくてはならず、交差点に立って撮影していると危険なので、このようにやや遠景となってしまった。
チェンジ後の画像は青看を中心に撮影したものだ。大沢方向から来るとそのまま素直に県道56号へ進むように路線配置されているのがわかって頂けると思う。でも、深い緑に包まれたそれぞれの峠への分岐点は、実に素敵だと思う。こうして離れて見ていても、往時の峠へ向かう人々の姿が見えるようだ。
分岐点を過ぎて、大沢方向へ峠を下っていく。これまでの峠の姿と何となく違って、深い緑の森に包まれた位置の姿は美しく見える。・・・と言うのは道路好きの欲目と言うものか。でも、真夏の日差しに照らされて輝く、木々の緑は非常に美しい。こういった風景が見れるのも、道好きの醍醐味だと思う。この道にどんな歴史が隠されているのか(この道にはきっとあると思う)。今からワクワクしている。
深い緑の中を大沢方向へ進む、県道56号。画像下部中央に見える分岐は、崖の下にある田圃に降りるための分かれ道だ。ここから崖の下の田圃まではかなりの距離がありそうだが、そこを降りていくだけでもかなりの勇気がいると思う。よほど入っていこうかと思ったが、高いところが苦手な私には苦行に等しい行為なので、やめておいた(笑)。
更に下ってきて、山側の路肩に見つけたのがこの表示板だ。ただ、時間雨量は消されていて、連続雨量が140ミリ以上になると通行止になるようになっている。でも、その規制距離はここから1000mと表示されているのだ。その下に説明板もあるので規制されている理由はわかるのだが、榎峠に着く前にみた表示板では規制区間が7000mじゃなかったっけ?。そうなると・・・規制区間が合わないじゃないか(笑)。
ここでひとまずゴールとしよう。榎峠からここまでだいぶ降りてきた。ここからまた榎峠までは歩かなきゃいけない訳だが、それはそれとして今は走破した喜びに浸ることにしよう。あとは帰って机上調査だ。それでそんな結果が出てくるか。いや、非常に楽しみだ!。
この長閑な景色が、この道のすべてを物語っていると思う。西山橋から先、榎峠までの区間には、どこか集落もあったのかもしれない。この道が街道だった時代には多くの人がこの道を行き交ったことだろう。この風景を見ていると、その当時の景色が蘇ってくるようだ。どんな人がこの道を通ったのか、そこはすごく興味が引かれるところだ。
山々の間を縫うように走る道。青い空と鮮やかな緑に彩られた道の歴史は次回!。