新潟県一般県道546号
駒込北潟線
 第1部

2019年9月18日 探索・2020年10月5日 公開

意外なつながり

前回の最後で、この道を探索を決定するきっかけになったこの看板。改めて見てみるとツッコミどころが満載で「キケン」はカタカナだし、時間雨量が40ミリと言う少ない雨量で通行止めになるこの道。一体どんな道なんだろうと期待が膨らむ。それに、この看板には「ここから6.5㎞区間は、当分の間」とあるが、この当分の間と言う意味が「このまんまだよ」と言う気がするのは気のせいか。
ところで今回の探索はクルマを使用している。この探索は2019年に行ったが、この付近では探索時にプーさんが多く出没している情報があり、山越えもあって時間短縮と安全のためにクルマを使用しての探索とした。

探索を開始してすぐに案内板があったので振り返って見てみると、一般県道213号の行く先が記されていた。この県道213号下田見附線は五十嵐川沿いを進む一般国道290号の長沢から分岐して見附市の杉沢町へ向かう県道だが、この長沢と言う地名は、国鉄弥彦線(通称弥彦東線)の終着駅となっていた越後長沢駅(えちごながさわえき)があった町で、かつて新潟県南蒲原郡下田村だった。
ところで、県道の表記では鉄道の駅を「停車場」と表記する。越後長沢駅だと「越後長沢停車場」となるが、この場所に聞き覚えがある方もいらっしゃるかもしれない。実はこの越後長沢駅は、新潟県一般県道上谷地越後長沢停車場線の起点になった場所であり、この県道と言えば、ここではあの「堰下橋」が属した県道なのだ。

自分が探索したそれぞれの点が、こうして偶然にも繋がっていくことが非常に楽しく嬉しい。ここでも堰下橋(越後長沢駅で)と旭隧道(吉野屋集落で)が繋がっていった。こういうことがあるから探索を止められないし、そこに何か繋がりがあるんじゃないかと思ってしまう。

閑話休題。
この県道546号はこの付近では見附方面と下田方面を結ぶ唯一と言っていいほどの県道で、この546号がなかったら213号を通って大きく迂回しなくてはならず、そういう意味でもこの546号はもう少しきちんと整備されてもいいんじゃないかと言う気もするのだが…

さて、北潟を目指して進んでみよう。この辺はまだ道幅は広い。だが、前方には既に怪しげな上下2連の警戒標識の姿が見える。ここからではまだその姿ははっきりとは確認できないが、もしかして幅員減少なのであれば、間違いなく険道のスタートと思われる。見た目が良いように入口付近だけ整備したのだろうか(←そんなことはない)。それにしても…いかん、この先の展開にワクワクしてくるじゃないか(笑)。



いいぞいいぞ(笑)。ちなみにさっきの標識は丁字路と幅員減少の警戒標識だった。その後に現れたのがこの交差点だ。さぁて、県道はどっちだ?と一瞬思ってしまうが、ここではもちろん右だろう。ということで、右に進んでみたのがチェンジ後の画像だ。集落の中を進む市道のような雰囲気だが、さにあらず。ここが県道だ。実にいい県道じゃないか。私は廃道や隧道、未成道が好物だが、実は険道も好物の一つだ。胸を膨らませて先へ進む(笑)。

またまた分岐点?!

アスファルトのひび割れが目立つ道だが、さ~て、県道はどっちだろう?。順当に考えて、山の方向へ突っ込んで行く真ん中の道が一番だろうか。次に右へ上がっていく道かな。大穴は左へ向かう道だろうか。男なら大穴を選んでみたいところだが、ここは順当に真ん中の突っ込んで行く道を選んでみようか。

いやぁ~長閑だぁ~

消えてしまって、その面影だけ残している路側帯の白線。ひび割れた舗装。左側には休耕田か、その昔は畑だったという感じがする空き地。前方の森は山間部でよく見かける杉林ではなく、ブナやナラと思われる木々が茂る、昔ながらの里山の風景がある。今は15時半少し前、もう少しするとプーさんたちが動き出す夕刻の時間になるだろうか。
この山は彼ら(プーさんや孫悟空)の住処。そうすると私たちは侵入者なので、わきまえて行動することにしようか(←とは言っても、道を通るだけなんだけどね)。

傍らに石仏を見つけた。小さい祠だが、こういう道の傍らにある祠に見られがちな傷みは非常に少なく、ほったらかしで風化しているという感じは一切感じられない。この集落の方々が大切に管理されているのだろう。私もこれからこの道を通行する身、クルマを停めて、これからの通行の安全を祈って丁重にお参りさせていただいた。

後ほど詳しく調査するが、この道は大面油田に関連する道。この油田は東山丘陵の片隅にあった油田で、東山丘陵と言えば榎峠・比礼隧道が有名だろうか。ここでも道の歴史が繋がった。
近年まで未舗装だった道。大面油田に関連する道。そして見附方面と下田方面を結ぶ、唯一と言っていい県道(通りにくいが)。ま、それはそれとして楽しんでいこう!。

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