新潟県一般県道546号
駒込北潟線

2019年9月18日 探索・2020年10月1日 公開

今回は廃道や未成道でもなく、険道の範疇に入る道を一つ紹介したい。
その路線は、新潟県一般県道546号駒込北潟線。新潟県三条市大字駒込(こまごみ)と新潟県三条市(旧南蒲原郡栄村)大字北潟(きたかた)の間を結ぶ、全線が新潟県三条市の中で完結する県道だ。
探索する前にネットで軽く調べてみると、実はこの県道、20年ほど前までは未舗装で、いわば「昔の県道」の面影を色濃く残していた県道でもあった。今は全線舗装されているだろうが、それでも何か未舗装だった頃の往時の痕跡が残っているはず。事前知識は「つい最近まで未舗装だった」それだけだったが、何か惹かれてしまって、早速現地に向かうことにした。と言うことで、まずは地図を見てみよう。お馴染み、地理院地図である。

国土地理院の電子地形図(タイル)に注釈と矢印を追記して掲載

この県道546号駒込北潟線はこのような細い線がヒョロヒョロと続く、いかにも険道であるかのような感じで山を越えていく、いわば山岳路線だ。図中、この県道の起終点である「北潟(きたかた)」の文字がないが、これは左に見える「大面(おおも)」と言う集落のすぐ脇にある地名だ。また、上に「吉野屋」と言う集落の文字が見えるが、この集落はあの「皆が大好きな旭隧道」の起点の集落で、地図上は縮尺の関係で旭隧道が見えないが、実際はちゃんとあるので安心して頂きたい。なので、ここを訪れたら次に旭隧道を訪ねると、非常に効率よく探索が出来る(笑)。

ところで地図をよく見ると、この県道546号は駒込側から来て「298」の標高点を過ぎると少しの間、市町村境の上を通っている。この境の下側は新潟県見附市で、まるでこの県道に沿って市町村境が引かれているかのようで、非常に興味深い。今は駒込も北潟も同じ新潟県三条市になってしまったが、前述の通り北潟は平成の大合併以前は南蒲原郡栄村だから、合併する以前はこの県道546号が三つの自治体の境になっていたのかもしれないと考えると非常に興味深く、今からでも机上調査に入ろうかなどと思ってしまうが、それは最後の楽しみにとっておこう(笑)。

ということで、現地。ここは新潟県三条市駒込、新潟県一般県道213号上の名前もない交差点だが、ここから今回の主人公である県道546号が分岐している。大抵、こういう場所には卒塔婆(そとば)と呼ばれる県道を案内した矢羽根型の標識があるはずだけど…と思って辺りを見回してみると、ありました。右側の電柱の結構高い位置に「コソッ」と取り付けてある。…パッと見でもわかりにくいわ!とツッコミを入れつつ、曲がってみると…

・・・思ったより道幅が広い。これなら普通の県道と変わらない。ひょっとして没ネタになるか?!。ここで探索を中止しようかとも思ったが、視線を道の右側にやると、何やらお知らせの看板が立ててある。大抵の場合、こういうお知らせが設置してある県道と言うのは、入口付近は立派で一見普通の県道と変わらなくても、先へ進むといきなり道幅が狭くなったりするものだということを身をもって体験しているので(県道413号とか(笑))、期待が膨らんでくる。どれどれ…

探索決定!(笑)

まさしく、期待通りの展開だ!。大雨の時の通行規制の案内で、連続雨量が80ミリとはなかなかの数字じゃないか!。しかも、その範囲が6.5キロと長い。これは意外と楽しめる道かもしれないぞ!(←連続雨量規制の数値が低い=道が険しい)。
しかも時間雨量が40ミリなんて、昨今のゲリラ豪雨だと、あっさりとクリアしてしまいそうな数字だ。解除は雨がやんで3時間後に点検してそれからと言う内容も、確か県道58号の明神側入口で似たような内容を見かけたような気がする。この看板はそれ以来じゃないか?。どうやら、いろいろ楽しませてくれる道であることは間違いないようだ。

それでは、いざ出陣!

第1部へ