新潟県一般県道546号
駒込北潟線
 第5部

2019年9月18日 探索・2020年10月21日 公開

稜線を走る道

さて、前回の最後で登場した青看をたっぷりと堪能した私は、県道の先へ進むことにした。これは青看が設置されていた交差点の中央から(←交通量が少ない(少なすぎる?)から、中央に立つことが出来る)北潟方面に降りる県道を眺めてみたものだ。左側に見えるブルーシートで包まれた物質はおそらく看板の類だろうと思うのだが…まさかほどいて見るわけにもいかず、中身は確認できなかった。それより県道の先が気になる。

杉林を抜けると空が急に明るくなって、その眩しさに思わず手をかざす。道幅は相変わらず狭いが左側が妙に拓けていて、それがこの道を更に明るく照らしている。少なくとも自然に拓けたものではなさそうだ。畑か田圃かはわからないが、人が耕したものであることには間違いなさそう。でも、それが今は草原?ヤブ?と化してしまっているのが非常に残念だ。

いやぁ…いいねぇ

先へ進むと、右へ左へクネクネと曲がりながら山中を進む細い道になった。私が幼いころ、こんな道は通った記憶がないのだが、それでももしかしたら何かしらの記憶が引っかかっているのかもしれない。この風景にどこか懐かしさを感じてしまって、思わす佇んでしまった。この付近は若干の上り坂になっていて、峠を目指して進んでいるようだ。

左右の路肩をよく見ると、両方とも崖になっている。ということは、ここは蟻の戸渡り状態になっているということだ。こういう道はたまに見かけるが、この狭さではここが初めてで、この先がどうなっているのか実に楽しみだ。路面はこの分だと狭いながらも全線が舗装されているようで、内心期待していた「もしかしたら未舗装が残っているかも?」と言う思いは無くなってしまった(笑)。
ところで、ここも緩やかな上り坂で先へ進むが、先にある左カーブから先は結構急な坂になっているようだ。ここまで結構登ってきたし、そろそろ峠かな?と言う気がさっきからしているんだけど…

やはり峠だ!

綺麗な切り通しで一気に貫いた、いい峠だ。舗装してある峠も良いが、ここは未舗装でいてほしかった気がする。
私の中では、未舗装の峠道は国道7号旧道の大毎峠勝木峠くらいしかなく、この峠で3つ目だろうか。昼間でも辺りは木々のせいで薄暗かったりするが、貫禄は十分だ。まして冒頭でも軽く触れたが、もしかすると油田に関わった道かもしれないと思うと、薄暗さなんてますます気にしない(笑)。

先へ進むと、なんと!。すごく舗装が新しい区間に出た。今までで一番現代的な舗装区間で、ここが一番最後に舗装だと思う。真っ白な側溝、真黒な舗装、凛とした路側帯の白線…そうすると、もうすぐ山頂付近だろうか。
でも、ここが未舗装だったとしたら…通行するのにも、大雨で点検するのにも、大変だろうなぁと言う気がする。

先へ進むと、このような場所に出た。この道幅の細さでヒョロヒョロと進むこの道、先の風景を見ると道の左右が崖になっているように見える。ここで手持ちの地理院地図をプリントした地図を見てみると、「297.9」の標高点が近くにあって、等高線に沿う形で県道が走っている区間に出たようだ。

稜線の上を走る道を楽しみながら先へ進むと、辺りの杉の木が無くなって広葉樹や常緑樹が茂る、本来の山に戻ったような風景が広がった。稜線の近くだけに、今日は曇り空だがそれでも明るい日差しが降り注ぐ道になった。ここで車を停めて、しばらく佇んでみる。静寂が辺りを包んで、木々の葉が擦れ合う音だけが響く空間になった。
ここで少し小休止。車で探索しているので体力的には楽だが、路肩の縁石に座り込んで持参した麦茶を一口飲むと、心が洗われるような気がした。やっぱり山はいいなぁ。


ここから先、県道は北潟目指して下っていく。
駒込から登ってきた今までの道は非常に印象的な道で、これまで通ってきた険道の中でも思い出に残る道になった。
これから先の道程も楽しみだ。休憩を終えて、私は北潟方面へ下っていく。

第6部へ