一般国道49号旧道
宝川白坂区間 第3部
越後街道編

2019年7月24日 探索 2019年8月28日 公開

前回、道端にそれぞれの宿が記された道標を見つけた。その道標は近年になって建造されたもので、この道が旧越後街道であることが記されていた。今回は、その道標が立っている場所から始まる。私はこの旧越後街道を宝川宿から白坂宿へ向かって自転車で走っているが、どうやら小さい峠を越えたようで、白坂宿へ向かって道は下り坂になっていて、自転車では一気に下れる快走路。でも、何か見落とすといけないので、慎重に下っていく。

下り坂を下り切ったところにある、この風景。左に見える建物は水道施設のようだ。深緑と空の青が非常に眩しく、気温も順調に(?)上がってきている。撮影場所はちょうど大きな木があって日陰になっているので結構涼しく、この辺で休憩することにした。日差しはあっても、この辺は時折風が吹き抜けるのでありがたい。事前にコンビニで購入した麦茶のボトルに持参した食塩を少し混ぜて飲むと、生き返るようだ。

水分と塩分を補給したところで、白坂宿を目指して出発する。とは言っても、ここから白坂宿まではさほどないはず・・・などと思いながら水道施設の前を通り過ぎると、道の先の方に民家が見える。あれが白坂宿かな?。先ほど休憩した場所から水道施設の前を過ぎて白坂宿に入るまでが結構な登坂になっていて、さっき休憩したばかりだが早速汗ばんでしまった。

宿場が見えた地点から振り返って撮影した。奥の方に見えている木陰から出てくる道の辺りが、さっき休憩した場所。画像ではわかりにくいかもしれないが、道が上り坂になっているのがわかっていただけるだろうか。ここから見て左側は元々は田圃だったようだが現在は休耕田になっているらしく、背が高い草に覆われていた。

かなりの急勾配で白坂宿へ向かう旧道。自転車のギアを変えても立ち漕ぎが必要になるほど急な坂だった。これを登れば白坂の宿、この坂を上がりながら「少し早いけど、今日はここで泊まろう」などと昔の旅人は思っていたのだろうか。でも、ここまでずっと歩いてきて、最後にこの坂はしんどいものがあるんじゃないかと思うのは、気のせいか(笑)

これは白坂宿の中で見つけた道標。本当なら町中の画像が欲しいところなのだが結構人通りが多く、そこを撮影するのは何となく気が引けてしまい、遠慮させていただいた。だが宿場町の様子や雰囲気は今も残っており、多くの旅人がこの白坂宿で休んだのは想像に難しくない。道標には次の集落である「川谷」と言う地名が見えるが、今日はここまで向かう予定だ。

道標から少し進むと、このような案内板があった。この白坂宿の歴史から宿場付近の当時の様子、また若者の間で流行した疫病(疱瘡=現在の天然痘らしいが)、弘法大師が護摩の修行をした滝があることなど、非常に事細かく書かれている。理解しながら読むのに、たっぷり10分はかかるだろうか。炎天下の中でこの文章を立ち止まってずっと読んでいたので、めまいがしてきてしまった。文章が短ければ書き起こしたいところなのだが、非常に長いのでどうかご容赦頂きたい。

この案内板がある場所から道を見ると、このような分岐点になっている。旧越後街道はもちろん右の道で、左の道はこの後すぐに鬼光頭川を橋で渡り、現道の国道49号をアンダーパスでくぐって山側に出た後で現道に合流している。今回は越後街道編なので右へ進むことにしよう。だがこの左の道も実は国道49号の旧道であり、越後街道の探索が終わった後で書くつもりである。

この白坂宿に入る道も結構な勾配だったが、出る道も結構な勾配である。入るときよりも急勾配かもしれない。どうやらこの白坂宿は丘と言うか、小高い山の上にある宿場だったようだ。そういえばさっきの分岐点から左に進んですぐの鬼光頭川を渡る橋から下を見ると、水面まで結構な高さがあった。それを、この短い区間で一気に下っているらしい。そりゃ急勾配にもなるわな・・・

少し下って振り返ってみたのが、この画像。私が立っている方向から来る道が、白坂宿から川谷へ向かう旧街道で、右へ向かう道が現道へ合流している国道49号の旧道である。宿場から出るときの画像だが、なんとなくでも雰囲気を酌みとって頂けると幸いだ。では、この急な坂を下りることにしよう。

前の画像でも小さく見えていたが、坂を下りた直後に橋がある。これはその橋だ。自転車を止めて観察してみると、随分と傷んでいるがこの橋は「小坂橋(こさかはし)」で、竣功は昭和37年12月、鬼光頭川を渡っている。親柱は傷んでいるものの健在だったので、この情報がわかった。橋の構造は単純な「桁橋」だ。

なかなか欄干が傷んでいる。何かがぶつかったのだろうか。コンクリートが剥がれて中の鉄筋が見えているじゃないか。昭和37年竣功と言えば、架橋してから56年。そういえばこの辺、冬は雪が数メートル単位で積もるし、もしかすると除雪するときに除雪車が当たってしまったのかも?。下を流れる鬼光頭川も、この辺に来ると流れが細くなってくる。

それではこの小坂橋を渡って、旧越後街道を川谷集落へ進んでいこう。道は御覧のように緑鮮やかな田圃の中を通って、緩く左にカーブしながら集落へ向かっている。白坂宿と川谷集落の間はさほど離れていないはずで、ここから見えるカーブした道が入っていく、少し先に見える森の中に川谷集落があると見た。


実はさっきから「もしかして」と思っていることがあるのだが、それはまだそうだと判断出来る材料が揃っていない。集落と集落を単純に結んでいるだけの旧道かと思いきや、それが実はとんでもない代物で、長閑に田園の中を走るこの道。まずは川谷集落を目指そう。

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