一般国道113号
八ツ口旧道 第4部

2020年3月7日 探索・2020年3月31日 公開

本領発揮?

前回登場した「名前がわからない橋」をあとにして、ロックシェッドを目指して進む。この辺までやってくると身体も慣れてきたのか、体温が上がってきて暑くなってくる。日頃の運動不足で蓄えた栄養分(=脂肪分)が順調に燃焼しているようで(笑)何よりだ。息が上がらないようにペースを維持して進んでいると、路面が急に荒れてきた。路面の落石を見てみると大きくて角が鋭角な石がゴロゴロしているが、こんな石を車のタイヤで踏もうものなら、踏んだ角度によってはタイヤが裂けてしまう危険がある危ない石だ。この転がっている石のお陰で足元も不安定になってきてるし、灌木も多くなってきた。この区間は崖崩れも経験しているようだ。

山側にコンクリートで固められた擁壁があるが、その手前に石積みの擁壁も見えた。このコンクリート製の擁壁は元々は手前側に見えているような石積みの擁壁で、それをコンクリートで補強したものかもしれない。その擁壁が抑えていた斜面を見るといかにも崩れやすそうな斜面の感じで、路面に落ちているような石が斜面にも多く見られる。「この崩れ方は現在進行形かなぁ」などと思いつつ呑気に眺めていたが、その時に落石でも起きたらシャレにならないので、とっとと先に進もう。

崩れた区間を過ぎると、また当時の雰囲気が色濃く残る道が続く。正面の山々と脇を流れる荒川が、非常に眺めが素晴らしいところ。思わず立ち止まって、またしばらく眺めてしまった。でも、路面に茂る灌木はいただけない。およそこういう灌木は木だけに留まらず、蔦系の植物も一緒に自生している。で、それが灌木に複雑に絡まっていたりすると非常に進みにくく、おまけに、この蔦は先へ進もうとする私の足に時として絡まったり引っかかったり、場合によっては転ばせようとしたりするので、私はこいつらが大嫌いだ(笑)。
灌木を搔き分けながら道筋を探し出し、灌木を避けつつ蔦に引っかからない道を選んでゴソゴソと先へ進んでいく。

路面はどこだ?

ここまで順調に路面をトレースして来たが、ここに来て路面がわからなくなった。ここは路面のほとんどが崩れてきた土砂に覆われているし、灌木もすごいことになっている。これまでの道の様子から考えると川沿いが元の路面なんだろうなとは思うけど、それにしてもこの状態だとどこかわからないし、あまりに路肩側を通って路肩が崩れるのも嫌なので、堂々と真ん中を通ることにした(← 一休さんじゃあるまいし(笑))
それにしても、斜めになった路面の先に何か見えないだろうか。何かの建造物のように思えるが、もしかしてあれがロックシェッドか?。だとしたら、いよいよじゃないか!。

お~!ロックシェッドだ!

とうとう到達した!。これが中間地点のロックシェッドだ。…にしてもだ。その手前が派手に崩壊しているじゃないか。たぶん、もともとロックシェッドの手前に沢があって、旧道はそれを跨いでいたんだろうけど、その沢に沿って一気に土砂崩れが起きたんだろう。山側の擁壁は盛大にズレているし、手前右側にあるコンクリートの塊も道路構造物の一部だろう。結構激しい土砂崩れだったのかもしれない。それに、ロックシェッドの内部にも崩れた土砂が入り込んでしまっていて、半ば埋めてしまっているようだ。

問題は、ここからどうやってロックシェッドに近づくかだ。ここで撤退してしまうのは冗談じゃないし、その気はさらさらない。辺りの状況を確認して、通れそうな経路を探していく。まずは正面突破を考えたが、それで進むにはこの付近の地質がサラサラとしていて、まるで砂のようで崩れやすい地質と思われることから、これは避けた方が無難だろう。それに崩れた沢の底まで降りるにも結構な高さがあって、これも難しそうだ。となると、次のルートは…

ここから上側に向かうとロックシェッドの天井付近に到達する。そこからトラロープを下ろしてロックシェッドの中に入り込むか(もちろん使ったロープは残置する)とも思ったが、それをするにはコンクリートの擁壁が邪魔だ。それにロープが固定できるようなところもなさそうだ。行けないことはないが、リスクが大きそう。ということは、上側がダメなら下側か。下側を確認してみることにする。

途中の画像を撮り忘れてしまったが、結局撮影地点から下へ向かって土砂崩れの崩壊地点をかわし、そこからロックシェッドに向かって斜面を登ったのだ。この画像に写っている右側の鉄骨はロックシェッドの右側の柱で、私はロックシェッドまでよじ登り、これから内部に突入しようとする直前の画像がこれだ。こうしてみると、このコンクリートの擁壁は砂防ダムのそのもので、旧道化してから建造されたものかもしれないという気がしてくるが…それはともかく今は入るのが先!。いよいよ突入する!。

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