新潟県主要地方道59号
大和焼野線
後山トンネル旧道 第2部
2023年4月22日 探索 2023年5月31日 公開
崩れた斜面
前回の最後、大きさの割に重い自転車を押しながら上がっていた私の目の前に現れた、左側の法面にそれまでの疲れを吹き飛ばすものとはいったい…と言うことで、それはこの玉石積みの石垣だ。
この前のレポート、国道49号の花立旧道の玉石積みの擁壁の逆の施工パターンじゃないか。花立旧道は角が玉石積みで法面はコンクリートブロックだったが、これはその逆。法面が玉石積みの石垣になっているところが非常に良くて、私のツボを押しまくりだ。
この石垣が造られたのはいつなのか。何となくだが、主要地方道に指定されてからではなくて、その前の一般県道時代からのものだろう。となると、かなり旧いものということになりそうだ。
いつ造られたかはともかく、この石垣がさっきから私のツボをガンガン押していることは間違いない。持参したペットボトルのルイボスティーを片手に、この石垣を思う存分楽しむ。
右側の路肩から下を覗き込んでみると、高いところがあまり得意ではない私は思わず目がくらみそうになったが、落ち着いて見てみるとこんな風景が見えた。画像右側は現道の後山トンネル坑口側だ。私が車を停めたベース地点をちょうど上から眺めた形だが、画像中央には後山隧道の姿も見えるし、その脇には未だに残る雪の姿も見える。こうして眺めてみると、右側の後山トンネルから伸びてきた現道は今はそのまま一村尾トンネルに向かっているが、以前は右にカーブを切って後山隧道の方向へ向かっていて、その後に続く峠道に繋がっていることがわかる。
と言うことは、今は後山トンネルを出てすぐに一村尾(ひとむらお)トンネルに向かっている道筋が、以前はそうではなく、後山トンネルを出て後山隧道に向かっていた時期が少なからずあると言うことになる。この辺は後ほど地図で確認してみよう。
私を十分楽しませてくれた玉石積みの石垣に別れを告げ、峠道を先へ進んでいく。その道幅は相変わらず狭く1.5車線程度の道幅しかない。その狭い峠道の右側の路肩には、こういった旧道には定番の、ガードワイヤーの支柱だけが点々と残っている。ここから崖下はかなりの高さなので、落ちれば命にも関わるということで設置されたのだろうが、今は肝心のワイヤーがないのでほとんど効果はない。もっとも、それだけの交通量もないのかもしれないが…。
先ほどのガードワイヤーの支柱が点々と残る旧道。相変わらずの急勾配で、自転車を押しながら頂上目指して登っていく。この旧道に入ってまだ一つしかカーブを迎えていないはずだが、さっきよりもかなり空が近くなったように感じるのは気のせいか?。
だが、ここは旧道。御覧の通り路面には細かい木屑が散乱し、路肩に近いところは斜面から湧き出た沢水で路面を濡らす、雰囲気満点の旧道の峠道だ。時折、押している重たい自転車を放り出したくなったりもするが、あたりの景色は独り占め。休みつつ登っていく。
視線の先には山肌が一部分だけ白くなっているところがある。崩れたのだろうか。いやな予感がする。何事もなければいいが…。
さらに登っていくと、支柱が一本だけ外側に倒れた状態の箇所があった。ここだけ外側に押されたようで、他の支柱よりも一段ズレて崖の斜面に押し出されたような形になっている。雪の影響か、土砂崩れが起きたときの名残だろうか。どちらにしても、支柱の位置が崖側に押されて位置が移動していること、他の支柱を見てみるものの動いているのはこの一本だけなので、やはりここだけ地盤が動いたかな?と思いながら、二つ目のカーブに差し掛かる道の先に視線を向けると、そこには!。
おおっ!崩れてる!
道はここから左カーブで更に登り坂のステージを上げて頂上を目指すのだが、その左カーブの外側が見事に崩れていた。今思えば、この崩れている様子は2つ前の画像でもしっかり写り込んでいた。その時には単純に道の脇の斜面が少し崩れたのかなと思って、一瞬嫌な感じはしたがさほど心配もせず、先へ進んだのだった。
あらためて崩れた様子を見てみると、かなり上の方から崩れてしまっているようだ。この部分の道幅はカーブだけに少し広かったはずだが、崩れ落ちた土砂がその幅を狭くしてしまっている。それに、崩れた斜面の地肌が妙に白いのも気になるし、安定している感じが全くない。それらを考えて導いた結論に、おおよそ間違いはないだろう。この斜面はたぶん…
現在進行形だ。
いつ崩れるか、わからない。こういうところはさっさと切り抜けていくに限るので、出来るだけ早く、この場を立ち去ることにしよう。そう思った私の目に、次に飛び込んできたのは…?!