新潟県主要地方道59号
大和焼野線
後山トンネル旧道 第11部
2023年4月22日 探索 2023年7月6日 公開
自転車で下るオッサン
前回、後山峠の頂上に到達した私は、そこにあった旧薮神村村長であられた小川康夫氏の胸像と、その後ろにあった道、そして峠から見える景色に多くの時間を費やした。これからは集落の方向へ峠を下っていく行程の始まりだ。実はこの峠、集落から上がってくると直線路といくつかのカーブがあるだけで、ここに到達する。つまり、この後山峠でもなぜか「大変な方から上がってくる」と言う、私が探索する時の謎の条件が発動され、私はわざわざ「急勾配で急カーブが連続する」方から上がってきたというわけだ。まぁ楽しかったからいいんだけどね。
ところで、ここから見える景色は路面に雪が残り、先の方ではこれ以上に路面に雪が残っていそうだ。こりゃ自転車を通せるかなといささか不安になり始めたのと、頂上にあった「道らしき平場」に通ずる入口がないのに気がついた。やっぱりあれは道ではないのか。それにしては、いかにも道らしかったが・・・。戻った際に調べてみよう。それじゃ、状況確認も含めて先へ進んでみるか。
コンクリートで固められていないにも関わらず、非常に綺麗な山側の斜面。山の一部分を削って道を通したことがハッキリとわかる、この道の造り方。山の斜面を道の部分だけ掘り下げて切通しとして通す、峠道にはよく見られる方法だ。そうして通した道はここから陰陽で言うところの「陰」に入るようで、日陰が連続するため雪が融けずに路面に残っている。その積雪は一番深いところで目算だが30cmはあるだろうか。但し、新雪のようにフワフワではなく根雪に近いシャーベット状になっているだろうから、自転車くらいなら何とか通せるだろう。
シャーベット状になった根雪の上を、自転車を押して進んでいく。幸い、私の自転車のタイヤは小径タイヤながらもブロックパターンになっているので、押し歩きながら雪を噛んでくれて、進むのにさしたる支障はない。右側の路肩はものすごく開放的で、転落するのを防止する設備などは一切ないと言う割り切りの良さだ。少し先にガードワイヤーのアンカーが見えているが、現道時代もあそこまで路肩防護施設はなかったのか。こわー(笑)。
やはり雪の上を、自転車を押して進むのは疲れる・・・と思い始めていたところで、路面の雪が消え始めた。転落防止の施設が何もない路肩側の雪が消えており、自転車のタイヤがそこを通るように押して、少しでも体力を残しておけるようにする。今日はここの他にもう一つ探索をする場所があり、場合によってはそこの方が荒れている予感がするからだ。
その雪が残っている道幅はわずか1.5車線。こんなところで対向車が来たらどうするんだと言う気がするが、たぶんどちらかがバックしていたのだろう。だけど・・・出来ればこんなところでバックしたくないなぁ。
路面に張り付いている根雪を、自転車を押しながらなんとか越えて辿り着いたのがこの地点だ。路面にはすっかり雪もなく、走りやすそうな=下りやすそうな路面が覗いている。これまでの道の風景とは違って、周囲を針葉樹に囲まれた道と言うのは、これまで数多くの新潟県の峠道で見てきたが、ここも変わらずそうだった。
ここは一本の道を通すのに、それまでの山の斜面を一部分掘り下げましたと言った感じの切通しで道を通している。だからなのか、斜面がすごく安定しているような気がするのは気のせいか。やっぱり自然に逆らってはどんなこともうまくいかない。改めてそんなことを思い、実感する風景だ。
左カーブを越えると、これまでの峠道にはなかった「電柱」と言うものが道に寄り添うようになってきた。この電線の行く先は言わずもがな峠の頂上に半身の銅像と共にあった、基地局だか中継局だかわからないアンテナの動力源だろう。そのせいか、道の雰囲気もこれまでとは違ってきちんと管理されている、いや、「ビシッと」管理されているであろう道の雰囲気を醸し出している。それが証拠に見てくれ、この路面を。路面がものすごく綺麗だ。路面に杉の葉が散乱してはいるものの、落石などもなく路肩の崩壊もなく、こうして通っていると普通の峠道を通っているのかと錯覚するほどだ。
さ、残るはあと下るだけ。自転車に跨って下るオッサンに、この先どんな試練が待ち受けているのか?!。
きっと、そんなに大したことないと思うが、期待も含んで次回!(←自らハードルを上げてるヤツ(^^;)