新潟県一般県道440号
麓野積線 第1部

2023年8月12日 探索 2023年10月10日 公開

小さな祠から始まる峠道

この先幅員狭小 すれ違い困難!

なんとそそられる看板だろうか。いかにも「探索してください」と言っているような看板じゃないか(←そんなことはない)。画像だとわかりにくいが、道幅はここでおよそ2メートル。私の車の車幅がおよそ1.7メートルなので、結構狭い。この先、これ以上狭くなることも十分に考えられるが、最大幅の規制標識はここまで見かけていない。大き目の車が「通れるだろう」と突っ込んでいき、前から他車が来たりすると、離合するのに大変なことになりそうだ。


ところで、これだけ狭いのに最大幅の規制標識がない。どうも新潟県にはこんな道が多いような気がするのは気のせいだろうか。この道にも最大幅の規制標識はなく、確か主要地方道78号尾神隧道でも、最大幅の規制標識は見かけていない(ここでは高さ制限の規制標識は設置されていた)。他に確認したところ、主要地方道56号小千谷大沢線でも設置されていなかった。この二つの道は自動車交通不能区間ではある。


そうだ。書き忘れたが、実は今回は車で探索している。
本来ならば、こんな面白そうな道は自転車で探索したいところなのだが、厳しい暑さの中で自転車を漕ぐと、本来汗っかきの私は全身が大変なことになりそうで避けておいた。涼しくなった秋ごろには自転車での探索を再開したいと思ってはいるが、決定ではない。

ふと道の横を見ると、小さな祠(ほこら)があった。一口に祠というにはあまりに立派で、なんとなく小さなお寺と言う雰囲気だ。その扉を開けるのも恐れ多くなってしまい中を確認することはしなかったが、おそらくはこの道を通る人々を守るためのお地蔵様なりが祀られているのだろう。祠の周囲の様子を見ても、お花が活けてあって、まるで境内のようにロープで囲まれた内側の下草はきれいに刈られているところを見ると、この祠が地元の方々の手によって大切にしっかりと管理されていることがよくわかる。私もこれからこの道を通る身、頭を垂れて深々とお辞儀をした。

祠から少し先へ進むと、またまた先ほどと同じ「すれ違い困難!」の看板が現れる。今度は左側に立っていたが、向いている方向は同じだ。設置しているのは新潟県長岡地域振興局与板維持管理事務所。この看板、出口にも設置されているのだろうか。後ほど確認してみよう。でも、これなら最大幅の規制標識を設置してもいいように思うのだが…。

ところで、先ほど狭かった道がここではやや広くなり、私の車でも楽に通れるくらいの余裕ができた。右側に広い場所があるが、これはおそらく休耕地だろう。里から山の方へ上がったところに耕地があるというのは決して珍しいことではないが、そこへ毎日通うというのは大変だろうなと思う。

この先、道は弥彦側を目指して
深い森の中へ突っ込んでいく

いきなり道の雰囲気が変わって、このような道になった。右側は針葉樹、左側は広葉樹が広がり、森に囲まれた道。いよいよ山道の始まりらしい。気分は否が応でも高まってくる。やっぱり自転車の探索にすればよかったなぁ…。だが!。

この道はいかん。楽しい(笑)

この道、それなりの交通はあるようで路面にダブルトラックが見えるが、端っこと中心部分が苔と言うのが、なんとも愛おしいじゃないか(笑)。

苔が生えた道を楽しみながら先へ進んでいくと、このような場所に出た。右側は針葉樹から谷へ、左側は広葉樹から草場へ変わったが、道の谷側の路肩がコンクリートで補強されている。この補強の仕方はもうおなじみ、この部分が谷側へ崩れてしまったことを意味する。おかげで、これまであまり見かけなかったデリニエータがこの周辺だけ異常に多いという事態になっているのが非常にわかりやすくて楽しい。おまけに、この周辺だけ路側帯の白線が引き直されているもんだから、目立って仕方ないじゃないのよ(笑)。

この地点で、思わず車を停める。この道なんかは、いかにも「古い街道筋」みたいな雰囲気でよろしい。しばらくの間ここに立って道を眺めていると、この道を行きかった往時の人々の姿が見えるようで、非常に楽しい。
ここに立ってしばらく眺めていたが通る車は一台もなく、のんびりと眺めることが出来た。眺めることが出来たのは嬉しいが、海側と山側を結ぶ重要な道筋と思われるだけに、気持ち的には少々複雑でもある。

祠から始まる峠道。
この先どんな風景を見せてくれるか

楽しみだ。

第2部
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