一般国道403号
大貝トンネル旧道
第1部

2022年7月24日 探索 2023年2月12日 公開

里山を抜ける国道

さて、探索開始だ。改めてこれから通る道を眺めてみるが、実に素敵だ。現道を造るときにいくらか嵩上げされてるのかもしれないが、素敵なくらいに路面が上下してるじゃないか。まるでジェットコースター。ま、もしかするとこの合流点は後年に造られたものかもしれないな。
それと、嬉しいくらいに道が狭い。今は交通量が少ないので道幅が狭くても支障ないかもしれないが、よくよく考えてみるとここは国道403号だった道だ。しかもこの改良を受けた区間は国道404号との重複区間でもあるから、この道が現役だった当時はそれなりに交通量はあったはずなのだが・・・この道幅で大丈夫だったんだろうか?

狭いっ!(笑)

どのくらい狭いのか?。その疑問に答えるために用意した画像がこれだ。でも、普通車なら楽に通れるので、まだまだかもしれない。左側に見える空き地のような場所は、そばにある田圃への作業道の入口だったと思う。右側は草が生い茂っているが、その下は田圃になっている。幸いにも高さはほとんどないので安心して覗き込んでいいし、私のような高いところが苦手な人にとっては嬉しい限りだ。道の先は、まるで隧道(あえて「隧道」にしてみた)のように木々のトンネルが出来ている。夏の強い日差しを避けて休憩するには絶好の場所だ。合流点などを撮影するのに動き回ってしまって、すっかり汗だくになってしまった。あとで休憩することにしよう。

少し戻って、先ほどの右側の路肩の下の様子を見てみる。やはり道との高さはさほどない。それよりも印象的なのは、金属製のロープが弛みきったガードロープの姿(ちなみにこれ、正しくはガードケーブルと言うそうだ。リンクは日鉄神鋼建材様のWEBへ飛びます)。おそらく、中間の柱が一本欠損したか、積雪のシーズンに除雪車が雪を押してしまったかで緩んでしまってこうなったのだろうが、豪雪地帯ではあるあるの姿だ。ちなみにこれがガードレールだと、レールがまるで「だし昆布」みたいにクネクネとなっている場合が多かったりする。

澄み切った青空に若々しい緑の稲穂、灰色のくたびれたアスファルトに、ところどころ錆びついたガードロープ。実に素敵だ。やはり旧道も良いなぁ。これが現役の道として生きているのが、また素敵じゃないか。

前方に見えていた、あの木々のトンネルの中に入っていく。
右は針葉樹、左は広葉樹。里山の組み合わせで、自然そのままの山の中を走る区間だ。路肩に自転車を停めて、左の斜面のところに体育座りで座り、自転車に取り付けてある保温ボトルから冷たい麦茶を取り出して一口、身体に流し込む。更にウエストバッグから個包装の梅干しを取り出して口に含み、2~3咬みしてから冷たい麦茶を一口。・・・ん~!天国じゃ(笑)。
夏の暑い日に冷たい風が吹き抜けるこんなところで冷えた麦茶を飲んで、こんな気持ちいい気分で過ごせるのが私の一番大好きな時間だ。

今日はこの前に一つ探索を済ませているので、もう少しすると夕刻に近い時間だ。この辺はプーさん(クマ)も出没する地域。彼らが活動時刻に入る前に、大貝の集落へ抜けておきたい。もう少しのんびりしていたかったが、早めに出発することにしよう。

左上に見えるのは、地図に載っていない林道か作業道だ。地理院地図に載っていない道であることから私有道かもしれないので探索はしなかった。それよりも今はこの旧道の探索だ。私がさっき休憩した地点はそこそこの道幅があったが、ここは一段と狭くなっている。右の谷側には路肩をガードするように杉が生えているが、その下は結構な高さの谷になっていて、私が覗き込むことは避けておいた。ホントにここが国道だったんだろうか…と心細くなってくるが、地図上からもこの道が国道で間違いない。この道が生活道路だった近隣の集落の方々は、冬になると通行に苦労をされたことだろう。厳冬期には下手をすると集落が孤立しかねない危険もある。
そう考えると、やはり道路は大切だ。最近、探索をするたびにそう実感する。

旧道の右側に続く谷を眺めつつ、まるで山を回り込むような左カーブを進んでいくと、最初の合流点に辿り着く。右から左に横切っているのが現道の国道403号で、旧道は現道を渡って更に先へ進んでいる。地図上では旧道はここから下りになり、現道の白倉大橋が跨いでいる谷まで等高線に沿いながら一気に降りていくと、そこからは登りに転じて大貝の集落を目指す。この辺の地形上、そうするしか仕方ないのだろうが、全体的にアップダウンが非常に多い旧道と言う印象だ。

この地形を現道は白倉大橋と大貝トンネルで全体的に緩やかな勾配にしながら一直線にぶち抜いて、厳冬期の積雪時でも通行を可能にしている。この道の造り方は旧道の開通時にはなかっただろうから、それだけ技術が進歩した証左だろう。

・・・てことは、ここまでの旧道は前哨戦と言うことか。前方に見える現道を渡って進んでいくと、更に厳しい旧道の姿があるのか・・・?。

面白い、上等だ。
その挑戦、受けよう。

挑まれてないんだけどね(笑)

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