新潟県主要地方道58号
小千谷大和線
一村尾トンネル旧道 第6部

2023年4月22日 探索 2023年8月31日 公開

坂道の先へ

前回の最後で、私はここも吹付コンクリートで保護した方がいいんじゃないかと言う趣旨のことを書いたが、それは撤回したい。旧道の路面にこのような塊があったからだ。これはたぶん、上から落ちてきたものだろう。上から落ちてきて、板状のもの。そう、これは斜面に吹き付けられたコンクリートが剥がれ落ちてきたもの。こんなものが突然上から落ちてきたら。下を通っていた車や歩行者などは、危なくてしょうがない。

もちろん、この道が現役として使われていれば相応の維持管理がされるので、こんなものが落ちてくるようなことはないかと思うのだが・・・

斜面を見上げてみる。崩れてきたというよりも、滑ってきたという気もするが、斜面の路肩には落ちてきた土が積もっている。ここだけを見ていると、ここは硬い岩のような岩盤に薄く土が被っているような状態ではないか。すると、中間あたりに見えている斜面の土は、いつ滑り落ちてきても不思議ではないと言うことになる。

さっきの剥がれた吹付コンクリートの山も、おそらくこの斜面から剥がれ落ちてきたものと思う。…早々に退散した方がよさそうだな。

いやー、いい天気だー(笑)
自転車も一緒に来てるけど気持ちいいので乗らずに押して、のんびりと旧道を辿っている私だ。山側の半ば滑り落ちている斜面も、ここまで来ると高さも低くなり、斜面の地肌に草木が生えていて安定した印象を受ける。

ところで、お気づきだろうか。正面の針葉樹(杉)の木の左側に、斜め上に上がっている白い線のようなものが見えるが・・・もしかして、あれが路盤で、私はこれからあそこを上っていくのか?!・・・なるほど。分岐点で最初に一旦下がって、そこからずーっと上り調子で上がっていくのか。こりゃいろんな意味で楽しめそうだな(笑)

左の谷側が針葉樹の場所が先に見えていたが、それがこの地点だ。日陰になっているせいか、ここだけ路面が一部ぬかるんでおり、左の路肩にはフキの葉も見えていたりして、ここだけ湿気が多いのがよくわかる。それにガードワイヤーのエンドも綺麗に残っていてくれたりして、ここがその昔は賑やかな道だったんだなと言うことを教えてくれているが、道幅は車1台くらいの幅しかない。車が通るにも、非常に神経を使ったことだろう。運転しにくかっただろうなぁ。

この道の雰囲気は実にいい!。晴れ渡った明るい空と、ここに来て爽やかに吹き付ける風が実に心地いいのだが・・・さっきから左側が気になって仕方ない。この道の左側は谷になっているのだが、その上が気になる。結構な急角度で路盤らしきものが上がっていっているじゃないか。
と言うことは、この先は結構急角度で(あるいは180度かもしれない)回り込むような道形になっているはず。それに、上がって行く道をここから見てみると、少しだが白いものも見える。まだ路面に残雪があるかなぁ。

なるほどね。

真っすぐ進んで、突き当って谷を回り込むように反転して進んで、その後が…なんだ、あの勾配は(笑)。画像中央付近から斜め左に向かって上がっていく、明らかに路盤と思える平地が上へ進んでいる。今の車と違って比較的非力だった昔の車やバスは、ここを上がるのに一苦労したと思う。それに、歩いて上がるだけでもなかなか大変だぞ。

ここを眺めていて、上越地方の主要地方道78号を思い出した。この道も、確か隧道に入る手前は急勾配で上り詰めていたはず。そして、上り詰めた先に隧道があったのだ。中越地方の主要地方道71号の旧道もそうだった。どうやら今回も同じ展開らしい。
空を見上げて、一つ大きく息をついて…ニヤリと笑う。

そう来なくちゃ(笑)

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