新潟県主要地方道58号
小千谷大和線
一村尾トンネル旧道 第5部
2023年4月22日 探索 2023年8月27日 公開
祈りの壁
さて、白い壁から私が進むべき方向を見たのがこの画像だ。前回、白い壁の上方から降りてきた道は、この旧道と合流して進むようになっている。私は前回、その道は現道を造る際の作業道の名残りではないかと推理したが、さて、真実はいかに。
残念ながら、今となってはそれらしき痕跡も残っておらず、なんとも言い難いが、この作業道が分岐している先は、現道で言うと一村尾トンネル(正しくは一村尾スノーシェッドだろうか)に入っていくはずなので、やはり現道を進んで来た車を、トンネルとスノーシェッドが開通するまで旧道に流していた名残りなのではないかと思っている。それが一番しっくりくるような気がするのだ。
合流地点から先へ進んでいくと(つまり後山隧道側に進んでいくと)、いつもの旧道や廃道の風景に戻る。この辺は路面にしっかりとアスファルトが残っていて、自転車で走るにも走りやすい。ここから先は、後山隧道を開通させたのと同時期に施工された道路の部分と思われ、言わば後山峠と言ってもいいくらいの道だったりする。これまでと同じように、道幅は非常に狭くて、到底ここをボンネットバスが行き交っていたとは想像に難しい。でも、賑わっていたのよね、この道。旧道は山の斜面に沿って右にカーブしながら進んでいく。
右へ左へ、クネクネと曲がりながら山の斜面に沿って進んでいく。だが、最初の頃よりも道に日陰が増えたせいか、通りやすくて非常に助かる。この区間の旧道は現道から見ようと思っても見えないので、隠れるには最適の道だったりするじゃないか(←なんで隠れなきゃいけないのかと言う疑問は、ひとまず置いておいてくれ(笑))。
見てくれ!
この迫力ある壁を!
組んだ壁でもない、石垣でもない。近くに寄って見ると、吹き付けコンクリートだった。だが、結構な高さまで吹き付けコンクリで斜面を防護している。見上げると10メートル以上はあるだろうか。その斜面に草木が生えているのは、長年斜面を守り続けてきたコンクリートにヒビが入って、そこから生えてきているのだろう。手前の路面には結構大きめの落石。
実はこの落石、御覧の通り道の他の場所よりも一段と暗い場所に落ちていて、遠くからだと視認性が非常に悪い。なもんで、この落石を遠くから初めて見たときに、クマのフンかと思って驚いて、私の非常警報全開になったのはヒミツだ(笑)。
…しかしだ。落ち着いて考えりゃ、フンにしてはこの量は多すぎるわな(笑)。
これが本当に動物(クマ)のフンなら、そのクマはすっげー便秘だったのかもしれない…などと、後でいろいろ考えて笑ってしまった。もしそうなら、きっと繊維質が足らなかったんだろうな(笑)
ところで、この辺は道幅が広い。さっきの白い擁壁の区間はやはり一部が旧道の路盤を使ったようで、それで狭かったのだ。本来はこのあたりの道幅が続いていたんだろうなと思う。山側の法面は相変わらず吹き付けコンクリートでがっちり固められていて、それ以前は落石が多発していたのかもしれない。それにしても…こうして下からこの法面を眺めていると、自然に対しての畏怖を感じ、祈りを捧げたくなるほど、ものすごい威圧感だ。
こうした感覚を感じるのも、旧道・廃道探索の醍醐味じゃないかと思うのだが…どうだろう?。
吹き付けコンクリートが無くなるところまで来てみると、本来の法面が現れる。実に崩れやすそうな法面じゃないか。こりゃあ吹き付けコンクリートで固められるのも当たり前か。しかし、それならここもコンクリートを吹き付けた方がいいんじゃないかなどと思ってしまうのだが…予算がなかったのだろうか。んなことはないか。ひとまず、いつ崩れてくるかもわからない。先へ進もう。