新潟県主要地方道58号
小千谷大和線
一村尾トンネル旧道 第1部
2023年4月22日 探索 2023年8月3日 公開
築堤で駆け抜ける道
さ、いよいよ楽しい探索の始まりだ。今日2本目の探索と言うことで、ベースでリフレッシュはしたものの、やや疲れ気味ではある。体重はあるものの、体力はそこそこしかないと言ったところか。今の時刻は確か12時半を少し回ったところ。日差しもそれなりにきつくなってきて、4月下旬と言うのに汗ばんでいて、さっき着替えたばかりと言うのに、リュックを背負った背中は既に汗で濡れてしまっている。さて、では入ろうか。自転車を旧道に向けて、入っていく。
分岐点から少し入ったところで止まって、現道と旧道の位置関係を確認してみる。右から一段高いところを緩い勾配で谷の中腹辺りに沿って、ぐるりと回り込むように通っているのが現道だ。現道は谷の左側に回り込むと、一村尾ロックシェッドに入って、やがて一村尾トンネルに入っていく。
これに対して旧道は分岐点から一気に谷に降りるように下っていって、現道と同じように回り込んで更に緩やかに下っている。つまり、現道と旧道は同じように地形に沿って回り込んでいるものの、現道は上り坂で、旧道は下り坂で進んでいるのだ。と言うことは、だ。旧道の方が上り坂の区間が長いと言うことにはならないだろうか。
いいだろう。上り坂万歳だ。
汗かきながら登ってやる。楽しめて、体重が落ちて最高じゃないか(笑)。
んー、素敵な道だ。これから入っていくのにワクワクする。私の自転車が普通のタイヤなら進入するのに躊躇するところだが、小さいヤツだがブロックパターンのタイヤを装着して、前後のサスペンションがあるので、多少の荒れた路面なら越えていけるので楽しめるからいいのだが、それにしてもよく下ってるなぁ。この道が、後山峠と同じ時期に拓かれた道と思うと感慨深い。ここから後山隧道まで、結構な距離があるぞ。
いい感じで弛んでいるガードワイヤー。廃道や旧道のマストアイテムと言ってもいいものだ。路面には枯草が見えるが、今は冬枯れでなくなってはいるものの、暖かくなってくるとヤブになったりするんだろうな。時季によってはヤブで通れなくなるかもしれない。そう、今、私の眼下に見えている、雪が残っている路面辺りなんかはホントにそうなりそうだ。
凸凹した岩山の下を通っていく旧道に対して、その凸凹の上をコンクリートと擁壁で越えていく現道。これが土木技術の進化と言うものだろう。もちろん、私は下の道の方が好きだが(笑)。
岩山の下を通過する道に感激しながら、そのまま視線を左にずらしていくと、見事なまでに造成された築堤の路盤が見えた。山を削り取って造った路盤は結構見る機会があるが、これは斜面に土を盛り固めた築堤の路盤と思う。路盤を作ろうと自然に立ち向かい、自然の姿に馴染むように造られた築堤の上を走る道の姿は、実に美しいと思うのは私だけだろうか。
さっきから旧道の入口で立ち止まって俯瞰的に旧道の姿を眺めているが、そんな私の目の前に、ここを歩く人々の姿や、大きい身体を左右に揺らしながらのんびりとボンネットバスが走っている風景が蘇る。その姿は安全に峠道を通行する人々の姿だ。積雪期には通行止めになったとしても、遭難して命を落とすことはないだろう。
おぉ、突っ込んでいってるなぁ(笑)。
築堤で造られた道が川沿いに右カーブで山中に突っ込んで行く姿が見える。この川は辻又川と言い、最終的に魚野川と合流し、信濃川となって日本海に注ぎ込んでいる。南魚沼の山々の栄養を海へと送っている、大切な川でもある。
右上の隅に小さく写り込んでいるロックシェッド様の物は、おそらく一村尾ロックシェッドの後山側口だと思う。これから、この旧道はあの現道に沿って進んでいくのだ。現道と旧道の路面の高さに、差がありすぎはしないか?。
まさか…カーブが少ない分
急な坂が続くんだろうか