新潟県一般県道550号
東谷塚野山線 未開通区間
第9部

2022年9月17日 探索 2022年12月14日 公開

未開通区間のスノーポール

足元の草がだんだんと深くなって来た。いよいよヤブの襲来だろうか?と、期待が高まる。足元は長靴だしグローブも装着しているし、ヘルメットも被っているので勇気百倍。安心して突っ込んでいける。やはり探索時には装備が大事ということを実感する。

足元の草がやや深くなった路面はヤブ漕ぎと言うにはほど遠いものの、先ほどまでの歩きやすい路面からすると、やはり草が足に絡みついてある生きにくい。その路面の山側には、いつの間にか側溝の姿が見える。実はそこも程よく(?)草に覆われていて、その状態で側溝の役目を果たすのかどうかは疑問なところだが。

キタキタッ!

ようやくヤブの登場だ!。やはり探索はこうでなくてはいまいち盛り上がらないというもの(笑)。その高さは身長170センチのほどの私の胸の高さくらいはあるだろうか。この探索の初めに、峠道には明と暗があると言う話を第6部あたりで話した覚えがあるが、それから行くと、いま私が歩いているこの道はどっちだろう?。「暗」だろうか。

・・・それにしちゃ雰囲気は明るいな。おや?。

この円筒状のものは何だろう?。錆びついてはいるが、まだしっかりとしているようだ。色は・・・よく見ると黄色と赤に塗り分けられているようだが。さて、この二つの色に塗り分けられて棒状のものと言えば・・・スノーポール(積雪深を測る棒)だろうか。でも、スノーポールはおおよそデリニエータに立てられているものだが、そのデリニエータがないのよね。でも、こいつはたぶんスノーポール。と言うことは、雪が降る季節にはこの未開通の道にわざわざ立てに来た人たちがいる訳で、本当に頭が下がる。

おお~!

来たぜヤブ!。どこが道だかわかりゃしない!(笑)。
だが、落ち着いて眺めて見る道形は何となくわかる。問題は路盤だ。ヤブに包まれてどこが路盤かわからないぞ、こりゃ。しかも、道幅はこれまでよりも狭くなっている。道路台帳を見ると、ここは2mの幅員があるように記載されているが…もしかすると、ここも滑ったのだろうか。右の谷側は結構な崖。路肩から覗き込んで見てみたいが、高いところがやや苦手(高所恐怖症ではない)な私にとっては、山側の路肩を慎重に通ることにしよう。

ようやく路面が復活。やっぱり路面は平らじゃなくちゃいけないよね。下草(と言うには少し背が高い)は更に深くなってくるが、それでも道の在処ははっきりしているので、ゴソゴソと草を掻き分けながら進んでいる状態だ。上を見上げると、木々が鬱蒼と茂っているというわけではないらしく、木々の隙間から空が見えるが、これはありがたい。暗い森を歩いていると、こちらまで暗くなってしまいそうでいけないが、ここはそんなことはなさそうだ。



ヤブを掻き分けながら進んでいくと左側の側溝に、今度は立っている(刺さっている?)スノーポールを見つける。雪国ではおなじみのあの姿、さっき路面の草に隠れながら転がっていたものは、やはりスノーポールだった。設置されてから結構経つのか、変色したりして傷んでいるものの、今でも道を通る人に積雪深を伝えるべく頑張ってくれている。でも、積雪よりも先に冬季通行止めになるんだろうな、この道。
徐に反対側(谷側)の路肩を見ると…

おおっ!標柱ではないかっ!

こんな山の中で見る彼(←標柱)の姿はとても凛々しく、県道であることを教えてくれる、安らぎの存在でもある。しかも、この道に入ってみた標柱は半ば埋もれていたりして見えにくかったが、今回のものはそんなことはなく、はっきりと明瞭に「新潟県」と、自らをここに設置した親分の存在を誇示しているところが非常によろしい(笑)。

一通りスノーポールと標柱を愛でたのち(と言うもんでもないが)、前を見ると…!

おー、崩れてますなぁ…

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