新潟県一般県道550号
東谷塚野山線 未開通区間
第8部

2022年9月17日 探索 2022年12月10日 公開

先住民はサルとクマ?

印象的な切通しの次に現れたのは、またまたスポットライトが当たる道。もしかしてここにも標柱があるかと思ったが…なかった。残念だ(笑)

なんとなくここだけ道幅が狭くなっているような気がして確認してみると、ここには小さい沢があって、この道はその沢を渡っていた。ただ、橋ではなく小さい穴が開いているだけの簡素な構造で沢を超えていて、もともとが流れが少ない沢か枯れ沢だったようだ。
新潟県の長岡市の小さい山の山中に、まさかこんな素敵な景色が隠れているとは想像もつかない。やっぱり廃道や未成道など様々な道の風景は美しいと、改めて実感した。

印象的なスポットライトの場所を過ぎると、また森の中を進む道になる。様々な木々が生えている自然豊かな山は、同時にいろんな生物が生息する豊かな森であり、こうした山々は通っていても楽しい(もちろん、悟空さん(サル)や、プーさん(クマ)等の先住民には気を付けないといけないが)。この辺りは右側に高い杉の木があって道全体が薄暗くなっているが、一息入れるには涼しくてちょうどいい場所。昔の旅人たちもこうして休んだのかなぁと思いつつ、私も水分補給する。

右側に茂っていた杉の木が無くなり、また明るい道の印象に戻る。この道はこうしてコロコロと印象が変わるのが非常に楽しい道だ。日差しの豊かさの量に合わせて路面の草のの深さも変わってきていて、この辺りはこれまでよりも若干下草が多いように感じるが、廃道などのヤブに比べたら非常に楽で可愛いもんだ。

でもねぇ…ホントにきちんと刈られてるよね、この道。刈ったばかりなんだろうか?、快適に探索(←と言うか、軽いハイキングに近いが)していることに、少々怖い。まさかこの先、激ヤブなんじゃないだろうか(笑)



実に穏やかな道で、ここには自動車は似つかわしくない。徒歩から自転車、自動車へと移り変わってきた、人間が移動するための手段の歴史がこの道には通用せず、ここだけ時が止まったような感じがする。この道の移動手段には徒歩か自転車しかない。そのほとんどは徒歩だろう。でも、だからこそこの道は令和になった今でも昔の面影を保ったまま、ここに存在し続けているのだ。

また、この道には石垣や橋など、そういった道路構造物が(気持ちいいほど)何もない。今までまともに整備されてこなかったからこそ、「道」としての原型を保っている道と言える。そういった道は、辿っているだけで過去の風景が目前に蘇ってくるようで実に楽しい。

チェンジ後の画像は、1枚目の画像の場所から少し進んだものだ。ここにはこの道で初めての倒木があったが、脇へどけられていて、通行するには何ら支障はないようになっている。正直、短い脚を大きく開いて乗り越えなきゃダメかなと思ったが、一安心。

実はこの道は倒木の場所から左に90度のカーブになっていて、下りになっている。いよいよここから塚野山方向に下っていくようで、地図と道路台帳で確認すると、ここまで東谷集落から3分の2ほど来ているようだ。この道の探索も、あと3分の1で終わるかと思うと、なんだか名残惜しい気がする。

ここからいよいよ下りだ。足元の草はやや深くなってきて、もしかするとこの先は(待ちに待った?)ヤブかもしれないと一抹の期待…いや、不安がよぎる。それに、ヤブもそうだが勾配も結構急で、「ここまで一生懸命登ってきたので、あとは一気に下るよ!」と道がいっているかのようにも聞こえる。
道路台帳で確認すると、この区間は道幅2.5m、10%の下り勾配となっていて、塚野山までは数百メートルのようだ。また、おそらくはこの辺りが東谷集落と塚野山集落の境界だったと思われる。

おお、だんだんと足元の草が深くなってくるな…

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