新潟県一般県道550号
東谷塚野山線 未開通区間
第6部
2022年9月17日 探索 2022年12月2日 公開
明の道、暗の道
左右が谷になっている地形と言うのは、どうもいけない。左右が谷と言うことは、どちらに転んでも真っ逆さまに落ちるだけではないか。そういった地形を抜けて、ようやく普通の山道に戻ったようだ。ここは左側は山、右側も平地になっているようで、ようやく安心して(?)探索が出来る。そうして改めて眺めてみる未舗装の県道は、やっぱり非常に清々しい。
そう言えば、しばらく休憩していなかったのを思い出した。バックからルイボスティーを取り出して一口飲むと、生き返る気分だ。今年の5月に探索した国道49号の惣座峠の時には個包装の梅干しと麦茶で熱中症を予防したが、今日もなかなか暑い日だけに個包装の梅干しを持ってくるべきだったかと少し後悔した。
前言撤回。右側は平地のようだと前回言ったが、とんでもない。御覧のように、思いっきり谷だった。しかも結構急角度に落ちている。幸いなことに道幅はさほど狭くないので(←ずっとこの道を歩いているから、この狭さに慣れてしまっているのかもしれない。実際には2mほどしかない)、足を踏み外さない限りは、普通に歩いていて落ちることはない。
重いカメラ(D300)を首から外し、地面に座って一息ついていると、心身ともにリラックスしているのがわかる。街の生活で溜まったものは、ここに置いていこう。そんなものを置いていく代わりに、私はこの道をしっかり探索してレポートしないとね。さ、先へ進もう。
自然に生えて伸びた木々に囲まれた道が、山頂へ向かっているかのように上り坂で進んでいる。雰囲気はまるで「となりのトトロ」に出てきたあの木々のトンネルの気分。その木々の隙間から見え隠れしている秋の高い青空と、日差しが織りなす明暗のコントラストが非常に美しい。これもこの趣味の醍醐味と言ったところだろうか。普段通っている道では、こんな風景を見ることは出来ないもんね。ここはもともと街道と思しき道。昭和初期や大正時代には、この道の往来は激しかったかもしれない。
こんなところで、前からもし「はいからさん」が自転車で来たら・・・惚れるぞ(笑)
おお~明るい道!
道には「明」の道と「暗」の道とがあると思う。この道はやはり「明」の道だろうか。実に素敵な道だが、「明」の道は陽射しが豊富なので植物が育ち、およそどこかの区間がヤブになっていることが多い。この道はこれまで、歩けないほどのヤブと言うのはまだ現れていないが…この道程のどこかにはあるだろうと思っていたりする。今はこの道を楽しむとしよう。そう思って先に進んでいると…
またしても標柱!
右の谷側で標柱を見つける。最初に見つけた標柱は、その存在自体を控えめに「コソッと」姿を現したが、今度は結構堂々とその存在を主張しているかのように見えた。その標柱に刻まれた文字はやはり「新潟県」。先ほどの明るい道も、私がさっき休憩した場所も、みんな県道と言うことだ。きっとこの道はこのまま整備されることもないだろうから(代わりの道として県営農道東谷塚野山線がある。トンネルもある立派な道の方だ)、このまま徒歩県道として開通させてしまうってのはどうだろう?。ここにヘキサが設置されれば、話題になると思うんだけどなぁ(笑)。
山にへばりつくようにして先へ進む県道。ここを地図で照らし合わせてみると、やはり等高線に沿うようにして道が進んでいる。この探索の全行程のうち、もう半分くらいまで来ただろうか。穏やかな「明」の区間の道は、まだまだ先へ続いているようだ。気温は相変わらず高いが、標高が少し高くなったせいか、時折吹く風は涼しくて、探索で火照った身体を覚ましてくれる。こうした自然と真正面から向き合って感じることが出来るのも、道路探索ならではの特権ではないかと思うのは私だけだろうか。
でも、改めて思うが…この道、やっぱりヘキサあるといいよねぇ(笑)