新潟県一般県道550号
東谷塚野山線 未開通区間

2022年9月17日 探索 2022年11月8日 公開

新潟県一般県道550号東谷塚野山線。
起点は新潟県長岡市東谷(の山の中)、終点は新潟県長岡市塚野山と言う、全てが新潟県長岡市内で完結する短い県道である。その全行程は6091.8m(道路台帳調べ)。およそ6.1キロしかない短い県道で、普通であれば何の変哲もない県道なのだが、この道は違った。
私がこの県道を発見したのは、もうすっかりおなじみになった「地理院地図」の小千谷市付近を眺めていたときだった。主要地方道56号の地図上での確認を進めていた際に、渋海川を辿って長岡市塚野山地内に辿り着き、そこでふと視線をずらした先に、黄色く塗られた県道標記の破線を見つけたのだ。
そこで、まずは地図を御覧頂こう。おなじみ地理院地図で、今回は探索する県道の全長が非常に短いため、起点から終点までを収めた地図である。

国土地理院の電子地形図(タイル)に注釈と矢印を追記して掲載

赤線で示した区間が県道550号の全区間。起点は右側の東谷地区の山の中、終点は左側の長岡市塚野山の集落だ。赤く塗られた上下に貫く道は国道404号で、県道550号はこの国道404号から分岐している。画像中央には上下に流れる東谷川が見えるが、これに沿って進む黄色く塗られた道が県道550号で、途中で直角に近い形で曲がり、破線の道となって山の中に突っ込んで塚野山地区の田圃の真ん中に出ると言う、なかなかアグレッシブな道なのだが、今回の探索区間は青線で示したこの破線部分だ。その近くには緑で示した農道東谷塚野山線もあるが、こちらの方がよほど県道らしく見える。
しかも農道はその経路の途中にトンネルまであるのに対して、県道550号は大迂回した挙句に山越えで、しかも破線。なんだか県道と農道の立場が逆転しているようで、県道が不憫にも思えてしまう。まるで我ら道路探索者のためにあると言ってもいいくらいの道ではないか。実に素敵だ。我らは君の味方だぞ、県道550号(笑)。

さて、現地である。ここは上の地図で言うと、途中にある神社を過ぎて少し分岐点に近づいたところだろうか。探索当日は9月も半ば頃で秋と言うにはまだ早く、今日は特に気温も高くて、夏と言った方がいいくらいの陽気だった。今回の探索は山道となることがわかっていたので自転車の出動はなく、全行程が徒歩である。最近、なぜか体重も更に増えてきたことだし、身体のため歩くのはちょうどいい。

ところで、他のレポートの中でも体重が増えたり・・・などと言う話はたまに出てくるので断っておくが、私は肥満体形ではない。腹も極端に出てないし、なぜこんなに体重が増えたのか、不思議なところではあるのだが・・・ビール腹だろうか。何にせよ、もう立派なオッサンでもあり、あまり体重が増えすぎると腰やひざにも影響がくるし、そのお陰で探索に影響が出るのはよろしくないので気を付けなくてはいけない。

・・・閑話休題。
私の体重はいいとして、話をレポートに戻そう。この県道550号は新潟県の県道の中でも3ケタの500番台と言うことで、比較的後期に指定された路線だ。従って道幅が狭かったり、今回のように破線が指定されていたりするが、こんな県道の場合、これまでは起点終点を調べるのが大変だった。だが、つい最近新潟県が(我々道路探索者のために(←違う))WEB上で道路台帳をオープンデータとして公開を行ったおかげで、非常に助かっている。実は今回、この先で道路台帳がなければ、まずわからない地点があり、その特定に非常に役にたち、ありがたかった。

先ほどの地点から、更に歩いていく。おそらくこの辺が分岐点のはずだが・・・。片手に地図を持ち(しかもこれが道路台帳)、首からカメラを提げて頭にはヘルメットを被り、靴はこの時は・・・トレッキングシューズだったか。それでも、この格好で時折地図を見ながらキョロキョロして歩いている姿はなかなかに怪しいものがあるので、「道路調査中」と表示した腕章を着用している。これで少しは怪しさが軽減されるだろう。

さて、この辺りが分岐点のはずだが・・・

ここかなぁ?。いや、でもこの道は作業道か何かだろうと判断した。あたりは田園風景、人っ子一人いない昼下がりの時間帯だけに、休憩されているのだろう。そんな中、私は探索を続けていると言うわけだ。なもんで、人に道を伺おうにも伺えない。プリントして持ってきた地理院地図を見てみると、県道はこの辺りからほとんど直角に山に入っている。破線で標記されているとはいえ、いみじくも県道だ。それなりに判別できるようになっているだろうと思っていた(後になれば、この思い込みが惑わせたのだが)。そこで、今度は道路台帳を見てみる。

道路台帳を見ると、私が通っている道はこのまま進むと途中から長岡市道越路712号線に変わり、県道ではなくなる。と言うことは、その前に右に分岐する道が、目指す県道550号と言うことだ。県道の分岐点には、丸に不の文字や丸に未の文字も見える。これは丸に不が不通区間、丸に未が未舗装区間を意味しているので、すなわち未舗装区間で不通区間と言うことになる。分岐した後の県道はすぐに半径7mや8mのカーブがあり、その後に18%や9%の勾配などが続くところを見ると車道ではないのが明らかで、歩くにも一筋縄で行かない道のようでもある。すると…さっき作業道とみた道がそれだろうか。改めて正対してみると…

県道はどっち?!

やべー、顔がにやけるぜ(笑)
こいつは楽しめそうだ。

それでは…

探索開始!

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