新潟県一般県道546号
駒込北潟線
 第9部

2019年9月18日 探索・2020年11月06日 公開

林の中を一直線に進む険道。道幅はクルマ一台が通れればいい位の狭さで、右側にはポツンと立っているデリネータが見える。ここで少し小休止、辺りを見回してみると静かな時間が流れる穏やかな空間がそこにあった。今までのこの道の雰囲気を思い返してみると、なんとなく遥か昔から重要な道として存在する雰囲気がある。この道を探索するにあたって事前調査は特に行っていないので、この後の机上調査が楽しみになってくる。

おっ!また分岐点!

この道にはなかなか分岐点が多く、選ぶ楽しみがあって楽しませてくれる道だ。私はこの道の左側からここにやってきた。つまり、この風景は振り返って撮影していることになる。ここから見ると右側に分岐する未舗装の道は作業道か林道で、県道は左に走る舗装されている道なのだが、この県道が未舗装だった頃はどちらが県道か見分けがつかなかったはずで、そのためにこの看板が設置されたのかな?と勝手に想像してみる。確かに両方とも未舗装だったとしたら、これじゃどっちが県道かわからないよねぇ…(笑)。

分岐点を過ぎて進むと、周りの木々が拡がって景色が開けた場所に出る。左右に見える土地は放棄された耕作地だろうか。辺りを杉林に囲まれた道の様子は非常に明るく、こうして道を中心にいきなり広がる風景はそれまでとは違った印象で、私の好きな風景の一つだ。左右に見える土地には昔何があったのだろうか。畑か田圃か、それとも人家かな?などと、想像力を膨らませてみる。

いいねぇ!

この県道のゴールも近いのか、ここに来ていきなり道幅が拡がり、二車線の幅になった。これなら楽に離合できそうだ。ところで左右は木々が規則正しく並んでおり、並木道の様相を呈している。このような並木道の風景は、いろんなところにありそうで、実はなかなかない風景の一つだと思う。また、路肩にはデリネータは見えるが、ガードレールやガードロープなどの路肩防護施設の類は一切ない。ここにその類の施設があるとかえって邪魔のような気がするのは気のせいか。

並木道を過ぎると丁字路に出る。この風景を見た瞬間「おっ!やはり未舗装区間があったか?」などと喜んでしまったが、さにあらず。直進は農道のようで、正解はもちろん右である。右への矢印で「駒込」の看板が。おそらくだが、この県道が未舗装だった頃には農道も未舗装なので、どっちが県道がわからなくなるので、こういった看板が必要になったのだろう。



さっきの交差点を右折して、この場所に出てきた。この画像は看板を通り過ぎ、振り返って撮影。どうやらここからが通行止め区間の始まりらしい。ここから6500m区間。6.5kmの長い通行止め区間は初めてだ。右側は一見すると公園のように見えるが、実は地元の方が造った個人的な庭園のようになっている。左側は広葉樹の林になっていて、いかにも里山の雰囲気が満載の風景が広がる。北潟の集落までもう少しだろうが、ここに来て周りの風景にも人の手が感じられるようになってきた。正面の杉も手入れされているのか、綺麗な三角形になっている。クリスマスツリーにしたら、かっこいいだろうな思ってしまった。

雨が止んで3時間後に点検して解除かどうかを判断する。点検してる際に路肩や法面がもし崩れたら…それは怖いなぁ!。そう思うと、この道を点検する方々に頭が下がる思いだ。看板の表面が剥がれてしまっているのが哀愁をそそる。それにしても連続雨量が80mmとは、最近のゲリラ豪雨なんかだとすぐに到達してしまいそうな雨量で、そのたびに通行止めになっていることを思うと、あの稜線の上を走る部分がどうなるのか非常に気になる。


ここまで来たら、北潟の集落までもうすぐ。着いたら歴史を紐解いていこう!。

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