新潟県一般県道546号
駒込北潟線
 第8部

2019年9月18日 探索・2020年11月02日 公開

切り通しの中を進む県道。切り通しの法面が高くなって草が密生していて、この草の根っこが法面の崩壊を防いでいるのかもしれない。その法面に生えた草の中に、埋もれたようにポツンと立っているデリネータ。路面は綺麗だが、路肩と側溝は苔むしてしまっているし、その脇にはかすれて消えかかった白線も見える。これで路面が荒れていれば廃道に見えてしまうじゃないか(笑)。



先へ進むと左カーブになるが、その手前から舗装の状態が変わって、ひび割れが目立つアスファルトになった。また、道幅も若干狭くなっているようだ。かなり以前に舗装されたものと思われ、ひび割れの中に苔が生えていたり、路面も薄く苔が生えていたりするようだ。自転車だと滑ってしまうかも。また、カーブにはカーブミラーが設置されていて、そこには徐行の工事用看板が立てられている。チェンジ後の画像は、このカーブミラーの付近を拡大してみたものだ。路面が薄く緑色の苔に覆われていて滑りやすそうな感じと、徐行の立て看板の様子が見て取れるだろう。

なんだか・・・いいなぁ!

実は、こういう道も私の大好物だ。森林の中を進む県道はアスファルトもひび割れ、ダブルトラックも鮮やかな道。そこには、数年でこうなったのではないという歴史と風格を感じさせる。杉などの背が高い木々がなく、この辺は主に広葉樹が多いせいか空が明るくて、画像ではわかりにくいかもしれないが木々の緑が非常に鮮やかで気持ちいい。

木造の土留めが雰囲気を醸し出してくれる素敵な道。ここは路面に積もる落ち葉も量が多く、どことなく廃道の雰囲気を醸し出しているが、さにあらず。ここは現役の県道だ。だからこそ、その道を辿っている自分が非常に嬉しいし、そんな道を見ることが出来ているこの瞬間が非常に嬉しい。旧道や廃道は、自分から興味を持って探さないとおおよそ見れるものではないから、こうしてその瞬間の風景を見せてくれる道は非常に思い出に残るものだ。ここも印象深い道として、私の記憶の中に残っている。

森の中を進む県道。少し道幅は広くなったものの、離合設備のようでまたすぐ元の道幅に戻る。三桁の県道とはこんなものとは十分わかっていたものの、正直に言うと「もう少しなんとかならんか」と言う思いがあった。だが、この道が県道として管理されていて、道幅が狭くても廃道のような状態になっていたとしても、その道を必要としている人がいる。だからこそ、この道は今でも県道として管理されているのだ。どんな形でも現役の道として機能している。この場所で佇んでこの風景を見ていると、そんなことを思い浮かべていた。

峠道を下って麓に降りてくると、初めての分岐点に出くわした。この角度から道を眺めて、この県道が未舗装県道であったことを考えると思わず直進してしまいそうだ。だがそうではない。おそらく、その看板が立てられてからと言うもの、数えきれないさまよう人々を救ってきたことだろうと思われる看板は、その役目を果たそうとするべく頑張っていた。…と書くといかにも大げさだと思われそうだが、中央より左側にある看板が見えるだろうか。ほとんど自然に馴染んでいるものの、今でもその役割を果たし続けている。

「駒込」と書かれている看板は汚れていて、若干苔蒸してもいるためか目立たないし、通行する人が瞬間的に見て判断できるかと言うと「否」だと言ってもいいかもしれない。実は私もここに来て心情的には直進しそうになった。だってねぇ?、この場所に来て左右の道を見比べたら、やっぱり直進したくなるじゃない?(笑)。


終点の北潟までもう少し。稜線を進む県道、あるいは近年まで未舗装だったという印象を受けるこの県道は、非常に印象的な道になった。ゴールまで、この風景を楽しみながら進んでいく。

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