新潟県一般県道227号
室谷津川線 旧道 第15部
2021年5月8日・2021年6月2日 探索
2021年9月6日 公開
前回の最後で書いた通り、ただ広い長閑な景色が続く中を進んでいるが、このような広大な景色(田圃とかじゃなくて)の中を進んでいく道は、私は殆ど通ったことが無いように思える。そういった意味では「新鮮」とも言えるが…味気ない(笑)。道幅はこの辺りも1.5車線ほどの幅しかない狭く舗装された道だが、右側には何かの建造物があったのか、路面の端っこにある側溝を挟んで土台の跡が見える。この辺りはもともとの室谷集落からも少し離れており、もともと人家が少ない場所で、そこに何の建造物があったんだろうと思うが、今となっては知る由もない。
旧道をのんびり自転車をこいでいると、路肩に咲いていた紫色の小さい花に思わず視線を奪われる。これはアザミだろうか。アザミの開花時期は確か4月~7月だったと記憶している。時期は合うし、花の雰囲気から言ってもアザミで間違いないだろう。だが、こうして自然に咲いているのを見たのは久しぶりのような気がする。しばらく立ち止まって、この花にレンズを向けて撮影会をしてしまった。
旧道や廃道を探索していると、常に周囲に何か構造物はないか、危険はないかと観察しながら進んでいるので、おのずとこうした自然にちゃんと正面から眼を向けられる感性を養える気がする。私にとっては普段の生活の中ではとても養えないもので、それが探索中に養えるというのは非常に嬉しい。
ひとしきりアザミの撮影会を楽しんで、さて先を急ごうと自転車に跨って走っていると、こんな場所を発見。このすぐ外側はもう常浪川の河川敷なので、この路面が削られた原因は常浪川の増水によるものと思われる。ガードロープの支柱の基礎は残っているものの、路面はごっそり削られてなくなっていて、アスファルトの路面の下側も少し削られてなくなっていた。
こうして舗装敷の下側の土が削られると路面側から見てもわからず、上に乗った瞬間に崩れるということも十分にあり得るので、気を付けないといけない。少し冷や水を浴びせられた気分で自戒し、気を引き締めて進む。
さっきのアスファルトに冷や水を浴びせられたついでに小休止、ここで休憩をとることにする。
路肩に自転車を止めて日陰に入ると、こんな素晴らしい景色を見ながら、塩を混ぜた冷たい麦茶を一口飲む。小腹も空いたので、同じく持参したスナックタイプの栄養補助食品(こう書くとややこしいが、早い話が何とかメイトと言われている、アレだ)で手っ取り早く栄養補給、こういったところで食べるとなんでも美味しく感じられるし、何となくスッキリした感じになるのが嬉しい。
紙屑などのゴミは(当たり前だが)きちんとリュックにしまって、終点を目指す。
常浪川からは少し離れ、旧道は山側へと移動していく。ここは周りに生えている木々がトンネルのようになって路面を覆っていて、何となくジブリっぽい感じがしていい感じだ。ところで、今私が辿っている県道227号は室谷の集落を過ぎると人家はなく、現道でも周りに田圃が広がる長閑な風景が広がる道だから、旧道はなおさら「人っ子一人いない」「真っ暗」の状態の中を進んでいて、真夜中には絶対通りたくない道の一つと言ってもいいほどの寂しい道なので、注意されたい(←そんな人はいないと思うけど)。
ますます狭くなってくる道幅(笑)。
ここまで来るとだいぶ狭くなってくる旧道。周りには緑が迫ってきているが、不思議なことに鳥の声がしなかった。果たして昼寝中なのか、もともといないのかはわからないが、普段はこういったところを通っていると鳥の声が聞こえてきているので、今日は何となく寂しい。
ところで、その旧道はと言うと道の端に緑が迫り、何やら鬱蒼とした雰囲気になってきていて、その辺の木の陰からクマがヌッと出来てきそうな気がして少々緊張する。思わずラジオの音量を大きくして、ホイッスルを一回吹いた。
今まで木々に包まれて見えなかった常浪川側の視界が少し開けたところで、これから先を確認してみる。ここから県道の終点まではそんなに距離はないはずだが…ここから先も濃そうだなぁと言う雰囲気が満載じゃないか。ここまでいろいろあったこの旧道だが、もうすぐ終点となるとなんだか感慨深い。それにしても、ホントに川と山に挟まれたところを通っていたのね、この道。
さ、あともう少し!。
とは言っても、何があるかわからない。
気を付けていこう!。
…しかし、ホントになげーな、この旧道…