新潟県一般県道227号
室谷津川線 旧道
 第12部

2021年5月8日・2021年6月2日 探索
2021年8月25日 公開

進んだ先に見たものは?

道の脇の草が深くなって、道幅はいよいよ一車線になってしまった。路面には至る所に沢の水が流れ出していて、ところどころに水溜りが出来ているほど地面を濡らしているが、路面が舗装されているので、ぬかるんではいない。今回の探索は徒歩と自転車で行っているが、おかげで快適に進めているのは非常にありがたい。前方には、これまでしばらく旧道と離れていた常浪川が見えてきた。また寄り添って進むことだろうと思う。

しばらく離れていた常浪川と、また合流だ。旧道や廃道にお約束のガードロープの残骸が、路肩にその躯をさらしている。遥か向こうに見える山を越えたあたりが福島県の本名か。そこを目指すこの道は、これまでにないくらいに川のすぐ脇を通っているが、よくもまぁこんなところに道を通したもんだと感心する。これは道を通すために切り開いたものか、それとも自然の地形のところに通したものか。



そばを流れる常浪川の流れは、浅瀬では非常に速く、水量もどことなく多いような気がする。雪解けの水が水量を増やしているのか、山の滋味がしっかり詰まった水を流す常浪川。こんな川を堰き止めてはいけない、そんな気がする。
チェンジ後の画像は、その常浪川の流れの一部を撮影したものだ。川の水は透明度が高く、川底まで見えてしまう。だが、それ故にその深さと流れの速さがわかろうというもので、こうして見ているだけで引き込まれそうなほど、深い。

ふと山側を見ると、道のそばにこんな風景を見つける。旧道のほんのすぐ脇に、新緑に包まれながら清らかな水が流れる、こんなに美しい沢があるのだ。やはりこの道、ただ者ではない。
だが、この沢も徒歩や自転車の探索だから発見できたのであって、クルマやバイクで通ればまずわからなかったと思う。探索の速度を遅くすれば遅くするほど、いろんなものが見えてくる(あまり遅いと時間ばっかりかかるが)。これは大事にしたい。

と、「なんだかいいものを見た」と言う、いい気分になって進んでいると、まず最初に路面に土が被るようになって、おや?と思いながら先へ進んでいると、ますます路面が怪しくなってきた。そして、最後に現れたのがこれだ!。なかなか強そうじゃないか!…この辺にしておこう(笑)

それはさておき、なんかや~な気がするんだけどなぁ…。ひとまずあそこまで行ってみるか。

うおっ!やっぱり!

自転車を道の隅に停めて、道路を塞ぐように止められていたショベルカーの脇を抜けて、その先を見てみると、こんな素敵な風景が目の前に広がった。道が崩れると言っても、ここまで来ると感動だ。いやぁ…見事な崩れ方だ。路面と路盤がごっそりと無くなってしまっている。
山側を見ると、崩れた部分だけ過去に補修した跡があるが、これは滑ったか崩れたかだろう。路盤はそのもの全部が消失するという崩れ方をしているので、もしかするとこの部分だけ地盤が弱かったのかもしれない。

さて、これをクリアするにはだが…やはり迂回するのが一番だろうか。
新しくプリントした地図を広げてみる。

国土地理院の電子地形図(タイル)に注釈と矢印を追記して掲載

そうだよねぇ…やっぱり名古津まで戻って現道を通って室谷集落の入口まで行って旧道に戻り、崩落箇所まで戻ることにするか。ん?、今まで通ってきた道を戻ると確か…「坂を上るのに息が上がって、嫌になるほどの勾配」がなかったっけ?。それに確か「こういう時には後で帳尻が合うようになっていて、この後自転車が使えなくて押して歩く羽目になったりする」と言うことも書いた気がする。

しゃあない、戻るか…


と言うことで「坂を上るのに息が上がって、嫌になるほどの勾配」 を自転車を押しながら上がって現道に戻り、ジェットコースターのように上がり下がりする現道にヘロヘロしながら室谷集落に辿り着き、あとはこの坂を下りて旧道で崩落箇所に戻ればいい、と言う地点まで来た。ここは室谷集落に入る直前にある、旧道へのアクセス道路だ。この道の路肩を見てみると、形がいびつになったガードレールの合間に駒止めが見える。結構古くからある道なのか?!と期待が膨らむ。だが、まずは崩落箇所へ向かおう。

と言うことで、崩落箇所の対岸に戻ってきた。ここからは少し距離がありそうだが、画面中央あたりに崩落箇所が見えているじゃないか!。あとは…今日は日曜日なので誰もいないと思うが…誰か工事関係者の方がいたら、とびきりの笑顔で乗り切ろう。…もっとも、中年のとびきりの笑顔なんて、そうそう武器にはならないような気がするが。
それにしても、この区間だけ大掛かりな護岸工事が行われているところを見ると、被害は結構酷かったようだ。



崩落箇所に向かう旧道の、封鎖地点までやってきた。通行止めのバリケードは一般的なA型バリケードだが、その封鎖がどうでもいい感じじゃなくて「通るな」と言う気概がひしひしと伝わってくる。杞憂かもしれないが、通ることが躊躇われた。自転車と止めてしばらく悩んでいたが…。ここを無理して通って何かあると、(探索者として)自らの首ならず他の方々の首も絞めることになりそうで、それは避けなければいけない。

ま、工事が終われば通れることだし、ここは無理しないでおこう。ところでチェンジ後の画像は、その工事中の看板を撮影したものだ。この旧道は「町道室谷線」と言う名前がついているらしい。工事内容はやはり道路災害復旧工事で、かなりの被害を受けたと見える。災害で被害を受けるとそのまま放置される旧道が多い中で、この道は復旧工事がなされているということは、幸せなことと言えるかもしれない(それなら個人的には国道49号の石間石戸間の旧道も、ぜひ復旧して頂きたいところだが)。

450ミリ望遠レンズに付け替えて、崩落箇所を撮影したのが、この画像だ。
まぁ…よく崩れているねぇ。改めて反対側から見てみると、見事にゴッソリといっちゃってる。この探索を行ったのが6月。工事は9月までとなっているから、実質は残り3カ月。…う~ん、間に合うのかしら?。でも工事中ってことは、完成する予定で進んでるんだよね。じゃ、通れるようになるまで待つことにして、まずは終点を目指そう!。

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