新潟県一般県道137号
天神林上条線 未開通区間
第8部

2020年11月14日 探索・2021年1月25日 公開

さて、前章を終わりで書いた「合流部分が変」とは一体どういうことか。それを確認するために、ここでもう一度地図に登場いただこう。
冒頭でも登場した、おなじみ地理院地図である。

国土地理院の電子地形図(タイル)に注釈と矢印を追記して掲載

赤の矢印で注釈を加えた箇所が「おや?」と思った部分だ。この地図によると、橋を渡らずに進む細い道も県道指定がされているかのように標記されている。この区間、おそらく現在の道の旧道のような気はするが、集落の中を通る道なので、今も通ることはできるだろうと思っていた。と言うことで、それがどんな道なのかというと…



この画像を覚えているだろうか。この画像に関して私は前章で「赤い落葉と紅葉のトンネルに覆われた自宅への道って、実に羨ましい。」と書いたが、その道はここから見える右手方向に上がる坂道のことを指していた。だが、そっちではなくて、ここから見えている舗装が復活した地点辺りから右に分岐する道があったのだ。
それがチェンジ後の画像の道である。この道は、一枚目の画像の奥に見える橋の川沿いに(ちょうど現県道の対岸を走る道だが)100メートルほど走り、小さい川で川を渡って現道に合流している。

その道の様子がこれだ。前のチェンジ後の画像の左側に写り込んでいた、見事に紅くなった紅葉が同じ地点の証拠になるだろう。このように、車一台通るのがやっとの狭い道が川沿いに続く。もっとも、この道の狭さは未開通区間の道幅とほとんど似通っていて、この道が若宮と長福寺のそれぞれの集落を結ぶ重要な道であったことは間違いないようだ。そういえば(画像として撮影はしていないが)この県道137号が若宮側で新潟県主要地方道9号長岡栃尾巻線から分岐するあたりも、非常に道幅は狭かった。おおよそ、これより少し広いくらいの道幅しかなかったような気がする。

旧県道と思しき道を進んでみる。御覧のように非常に狭い幅の道が集落の中を縫うように進んでいる。何か県道の名残はないかと、あたりを見回しながら進んでいくがデリネータはもちろん、標柱の類は全然ない。もし県道だったとしたら、標柱はすべて抜かれてしまったのだろうか(それも結構大変なような気がするが)。でも、何となくだが「道のつながり」としてはこっちの道の方がしっくりくるような気がしていた。道幅と言い、雰囲気と言い、山中を進む未舗装路の時と同じような…探索者の勘とでもいうのか、そんなものを感じていた。

路肩に立つ杉の木に守られた細い道が前方に見えるフェンスのあたりで右にカーブしている。地図上でも同じように記載されていて、曲がり終えたあたりで小さな橋を渡って現道に合流しているはずだ。その部分は現道から見た方がわかりやすいだろう。一旦現道に戻って、探索の続きをすることにする。だがこの細い道が、この後で謎を投げかけてくるとは思わなかった。



ということで現道の合流点にやってきた。前方に見える丁字路から左に行くと下条川ダム方向、右に行くと県道になり長福寺の集落の中心に入っていく。私が向かうのはもちろん右方向である。チェンジ後の画像は丁字路から右に曲がった方向を眺めたものだ。決して広くない1車線幅の道が続くが、前方の路肩にはデリネータも見えていて、いずこかの行政の管理下(県道なので新潟県)にあることを教えてくれている。さぁ、旧道と現道の合流点に進もう。



途中、一段上がった左手にあった廃屋を県道から眺めつつ先へ進むと、ここに出る。ここがおそらくは旧県道と現道の分岐点で、右手のカーブミラーのあたりには橋らしきものもあるようだ。チェンジ後の画像が近づいてみた画像で、案の定小さい橋が架かっていて、この橋を渡り右に進むと、あの狭い旧県道の道になるのだ。ここまではそう思っていた。だが、この渡った先の道は左へ進む道もある。地図をもう一回眺めてみても、県道の表示にこそなってはいないものの左に進んでいる道があり、その道は現道がこの先で渡る橋のたもとにつながっているのだ。
と言うことで、この小さな橋を調べてみるものの、御覧の通り簡易なコンクリート製の桁橋で銘板などもつけられていなかった。
これも疑問に思った一つだ。もし、この橋が県道の名残だったとしたら(後世に架け替えられたのかもしれないが)、橋があまりにも簡素すぎる気がする。あるいは県道になる前の街道筋だったか…調べてみないとわからないが、今はこの街道の可能性の方が高いような気がしていた。

ついでに、と言ってはなんだが、その小さい橋の上からも現道を眺めてみた。左が加茂川ダム方向、右が長福寺集落の中心方向だ。御覧のように現道は一直線(とまではいかないが)走っているが、橋の袂を見てみると、なんだか「右側からやってきた道が以前はここで曲がり、橋を越えていました。」というような道形に見えるのは、はたして私だけだろうか?。


なんだか、謎が謎を呼んでいる気がするが、それは旧版地形図で確認してみれば、答えが得られるような気がする。
橋の向こう側の道も気になるし、もう少し先に進んでみよう!

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