新潟県一般県道137号
天神林上条線 未開通区間
第6部

2020年11月14日 探索・2021年1月17日 公開

左側に何やら棒が突っ立っているが、これはおそらく標識柱だと思う。と言うことで、こういった場合にお決まりの「付近大捜索」を行ったのだが、標識らしきものは残念ながら見つからず…。ここに標識を立てるとしたら何だろう?。「左方屈曲あり」だろうか。もっと古い、旧制道路標識だったら嬉しかったんだけどなぁ(笑)。
それはそれとして、路面に生えている草の背が若干高くなりつつあるのは気のせいか。それに、路面のダブルトラックがなくなっているではないか!。もしかすると、ここまで来ていよいよ草と格闘か?!。

キタキタッ!(笑)

路面を覆う草はさほどではないが、でもヤブだっ!(←なぜか喜んでいる(笑))。
右側の法面も、左側の放棄された耕作地だろうか、いい感じで草が生えている。路面のダブルトラックはすっかり消えて、下草に覆われてどこが路面かわからなくなっている。てことは…この道、若宮側からのこの手前までの(前章の最後の地点)交通量はあるが、この辺になると殆ど交通量がないらしい。
幸いというべきが、多少歩きにくいが通れないということはなく、草を踏みしめながら進む。

V字型に切り開かれた谷を走る、未舗装の県道。この未完成区間が完成してしまうと、いったいどんな道になるのか想像がつかない。やっぱりこの道は未成道のままの方がいいのかなという気さえしてきてしまう。木々の隙間から見える別の山と、その手前に広がる田園風景、斜めに差し込む太陽の光にどことなく懐かしさを覚えてしまって、立ち止まってしばらくの間この風景を眺めてしまった。

少し先に進むと、山に沿って進む道の姿が見えた。木々の隙間から差し込む光が眩しく、思わず目を細めてしまう。左側はやはり休耕田か耕作放棄地になっていて(おそらく元は田圃だったと思われるが)、以前はこの道を使って通っていたのだろう。だけど、それも今はなくなってしまった。路面はしっかり砂利で固められて通りにくいということはないものの、通行する人がほとんどいないためにこのあたりだけ道が荒れた感じになってしまっている。

ふと道路脇を見ると、山側の法面に擁壁があった。この部分だけ崩れてしまった補修だったのだろう。苔生したその姿からすると施工されたのはかなり前みたいだが、何年前からこの道を守り続けてきたのだろうか、その姿は自然と一体化している。決してスポットライトは当たらないが、こういった存在が道を守っていると思うと感慨深い。


いいねぇ、この雰囲気

なんだかこの道、雰囲気的に旧街道の匂いがするのは気のせいだろうか。道の両側に立った杉の木の雰囲気が非常にいい感じで、車よりも人が歩いたり馬車が通る風景の方がこの道には似合う。この道を通っていた昔の人々の姿が目に浮かぶようだ。ここは県道の未開通区間ではあるけれど、ぜひ「県道137」のおにぎり(県道標識)が欲しい。そうすれば、一躍有名になる可能性があるのになぁ(笑)。
…と言うことで、作ってみたのがチェンジ後の画像だ。なかなかサマになってると思うのだがどうだろうか(実際には立ってないのであしからず)。

少し進んで、道の脇に杉が立ち並ぶ区間にやってきた。よく見ると路面にダブルトラックが復活していたりして、道の左側にはきちんと整地された田圃が見える。なるほど、ここまでは農作業の車がやってくるために、きちんと路面の下草が刈られたりして手入れがされてるようだ。未舗装の道でもやっぱり県道、こうして道と人々の生活が繋がってる風景を見ると非常に嬉しいし、そういった道は心に残る風景を見せてくれるもの。

山道を抜けると、前方に長福寺の集落が見えてきた。山の麓に広がる田圃と集落の姿は、日本の原風景の一つだと思う。路面は少しぬかるんでいて、私は自転車に乗っているが、歩くには長靴じゃないと少々不安が残る道だ(ちなみに私はヘビ対策もあって長靴を履いている。これで勇気百倍(笑))。
太陽はまぶしかった先ほどよりもさらに傾き、辺りは夕暮れの様相を見せているが、実は撮影したのは14時16分だったりする(原画像のタイムスタンプで確認した)。やっぱり冬は日が傾くのが早いなぁ。14時半までにはこの区間を抜けたい。それは太陽の都合もあるが、そろそろプーさんが動き出す時間でもあるからだ。少し早めに抜けることにしよう。


前方に見える長福寺の集落まで、あと少し。
この探索も終わりを迎えるが、それもなんだか惜しいような
気がするのは気のせいか。

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