新潟県一般県道137号
天神林上条線 未開通区間
第4部

2020年11月14日 探索・2021年1月9日 公開

杉林の中を進む県道。この辺の杉の木は(おそらくだけど)植林ではなく、自然に生育したものだろう。生え方が一定ではなくバラバラな印象を受けるからだ。ダブルトラックが復活した道は、こんもりとした丘を削って道路を通しましたと言うような線形をしている。緩やかな下りの固く締まった砂利敷の路面で長福寺方面へ向かっていて、未舗装の県道の雰囲気を色濃く残す、いい道だ。この探索を行ったのが11月。もう一か月もすれば、ここも雪に覆われることだと思う。

探索時は秋で、プーさんたちが冬眠に備えて木の実などを食べまくる時季。こうして自転車で通っていても、いつ前から歩いてやってくるかわかったものではない。出来ることなら、この道は徒歩でのんびりと周りの風景を堪能しながら探索したかった。ところで、この辺りは斜面を削り取って道を造りました!と言うような道の造り方をしている。これをトラックが通れるまでに拡幅し、舗装しなきゃならないということを考えると、結構な工事になるだろうな。

このような未舗装の未開通区間だと、真っ先に思い浮かぶのが県道178号山ノ相川下条停車場線の未開通区間だ。だが、ここは道幅に結構な余裕があり、少し整地して舗装すればすぐにでも開通出来そうな雰囲気だった(もっとも、開通したところで、それなりの交通量があるかどうかは疑問だが)が、ここは道幅が非常に狭い。それが故に、昔の県道の雰囲気を色濃く残しているともいえると思う。
地形図の等高線をきれいにトレースしているかのような道は、晩秋の穏やかな日光の明かりに包まれて、実に柔らかな雰囲気で私を迎えてくれた。ここなどは明暗のコントラストが綺麗で、思わず立ち止まって眺めてしまった。そして、この右カーブを過ぎると…

おおっ!いいねぇ!

光と影のコントラストが非常に美しい。ところどころにある広葉樹の葉に太陽の光が当たり、一枚一枚の葉が輝いていたりする。立ち止まり、思わず見とれてしまった。道の風景は刻一刻と変わり、同じ風景には二度と出会えないものと私は思っていて、まさしく一期一会。この風景を見せてくれたこの道は、忘れられない道になりそうだ。ここまでの道程で舗装区間を除くと、ここが一番「県道です!」と主張しているような気がした(でも、未舗装で未開通区間だけどね)。

コントラストが鮮やかな区間を抜けると、今度は色彩の区間だ。冬が近いことを教えてくれる赤い葉に目を奪われると、その脇には黄緑色の広葉樹に緑の葉をたたえる杉の針葉樹。その間をダブルトラックの未舗装路が貫く。いやぁいいなぁ、この道。私の好きな道路風景の一つだ。
・・・やっぱりここは未舗装路で、未開通のままがいいのかな。そんな気がしてきた。ここはクルマが走る道じゃない。代替路で加茂市道があるしね。

光と色鮮やかな風景で楽しませてくれた区間を抜けると、道は右カーブの急角度で下っていく。先の方を見ると、景色がだんだんと明るくなってきた。どうやら峠からだいぶ降りてきているらしい。この右カーブで、この道幅だとトラックは通れないけど、牛車や馬車なら通れそうだ。これまで石仏や馬頭観音の類は見かけなかったし、旧街道ではないのかもしれないけど、長福寺と若宮町を結ぶ重要な道であったことは確かなようだ。

美しいコントラストを見せてくれたこの道も、辺りの風景がだんだんと明るくなってくる。この画像を撮影したのは14時過ぎだが、晩秋でもあり太陽が傾く時間が早いので、斜めに太陽の光が入ってきていることもあるだろう。でも、実に爽やかな森の中の道だ。多くの人が知っているであろう超有名な、とあるアニメ(ト〇ロ)に出てきた森の中を走っているバスは、実はこんな道を走っていたのかもしれないと思ってしまう道だ。
あ~、歩いて通りたいな~。

今は自転車で通っているが、いろんな状況が落ち着けば(コロナとかプーさんとか)、もう一度再訪して歩いてみたい道。
ここまで7割通ってきて、残り3割。その残りに何かあるような気がして、なぜかワクワクしている私だ(←変態(笑))。

第5部へ