一般国道49号旧道
鳥井峠 第3部
2019年7月5日 探索・2019年7月23日 公開
おお、いい日陰だ!。日差しが強くても、この林の中では空気が冷やされて涼しい風が吹いている。入った瞬間にホッとした。背中の重い機材を下ろし、道端に自転車を止めて休憩する。ここまで上がってきてもアブはいないし、小鳥たちの賑やかな囀りが聞こえる。水分を補給しながら地図を広げて確認すると、三分の二は来ただろうか。もう少しで峠だ。水分も塩分も気力も補給したし、出発しよう。
休憩した林を抜けると、いきなり右カーブ。光と影のコントラストが非常に美しく、路面もカーブの部分は非常に広くなっている。ここでも勾配はさほどきつくなく、緩やかにという言葉がぴったりの角度で登っていく、典型的な馬車道である。自動車が通るようになると、道の中央部分をゴトゴトと音を立てながら(砂利道だから)のんびりと車が通り、福島側の集落の宝川と新潟側の集落の八ツ田の間を歩く人達が行き交った風景が目に浮かぶ。身体も先ほどの林での休憩で冷えていることだし、ここは観察しながらゆっくり上がっていくことにする。
光が強くて画像が白トビしてしまった。先へ進んでいくと、若干勾配が急になって左カーブで登っていくが、その前に左側に何やら構造物がある。道幅と構造物がある場所から考えて、これはこの道が旧道化してから出来たものだろうが…。いやでも、峠の途中でもあることだし、馬が休む水飲み場に水を供給していた、昔からある井戸?。想像は膨らむ。何やらフェンスで厳重に囲われていたりするが、近づいて確認してみよう。
う~ん、これは何だろう?。一見するとやはり井戸のようにも見えるが…。どこにも何も表示がなく、結局これが何かわからなかった。山の中の旧道を歩いていると、こんなわからないものがよく出てくる(→音無川右岸道)。そのほとんどは立ち入り禁止等になっているので無理に追いかけたりはしないが、そのようなものを眺めるのも、楽しみの一つであったりする(笑)
金網で囲まれた井戸(そういうことにしよう)を過ぎて先に進むと、なんとも雰囲気のいい木立の道に出た。勾配が今までの中で一番急なのもあるが、やはりここは歩いてみたくなって、自転車を降りて押しながら歩いてみる。木々の間から見える青空が気持ちよく、街中では見られないほど空が高い。
ここは切通しだろうか。これで近所に石垣でもあれば最高なのだが、残念なことになかった。この峠は全体的に良く手が入って保存されているために、過去の国道49号がどうだったかと言うことを現道と比較することが非常にやりやすいし、それを比較することで昔の旧道の風景を思い出すことが出来る。これも旧道を探索するときの楽しみの一つ。
先へ進むと、このような道の風景になった。ここだけ見ていると、どこぞの廃線跡のような雰囲気も醸し出しているがそんなことはなく、ここは間違いなく鳥井峠の旧道の風景である。先に見える明るい道の先には何があって、その先には何が見えるのだろう。
…きっと右カーブなんだろうな、うん(笑)。
よっしゃ!当たり!
いいじゃないか!。緑が非常に綺麗ですごく気持ちいい。ここはやはり自転車で正解だった!。今は観察のために歩いているが、全体的に上り坂だけど非常に快走路だし、この旧道はやはり自転車で気持ちよく駆け抜けるのがベストだと思った。森の風と林の光、木々や小鳥の声を直に感じながら走っていると、普段のストレスなどもどこかに吹っ飛んでいく気がする。
この辺などは「いかにも昔の街道です」と言った雰囲気。路面のダブルトラックはさておき、この道の奥の方から和服の旅人が歩いてきたりすると、非常に絵になりそうな気がする(実際にその時代はそうだったのだろうが)。時を経ても、そこを通る人がいて整備されていれば、道は色褪せることはなくそこに在り続ける。と言うことを実感した。
更に進んでいくと、いくつかのカーブを過ぎてここに来た。この地点でおよそ8割は来てるだろうから、峠までそんなに遠くないはずだ。だが、私はここに来た時に「何か」が視界に入って、「おや?」と思いブレーキをかけて止まったのだ。何だろう?と思って辺りを見回すけど、視界に入った何かがわからない。が、少なくとも「プーさん」ではないことだけは確かだ。
いったい、私は何を見て止まったのか!(←きっと、そんな大した理由ではなく、せいぜい何かを見つけたんだろう (^^;)。
以下、次回に続く!