一般国道113号 沼沢旧道

2022年4月17日 探索 2023年1月11日 公開

またまた登場の国道113号旧道シリーズ。今回は、明沢トンネル旧道の先にある旧道を紹介しよう。・・・また国道113号かぁと言う声が聞こえてきそうだが、この道はホントに多いんだってば、このテの旧道が。しかも気軽に探索できるけど実は奥が深いっていう旧道や廃道の類が多いから、初心者に毛が生えたような私が修行するには最適なのだ。なもので、もう少しお付き合い願いたい。今回の探索場所はどこなのか。まずはおなじみの地図を見てみよう。

国土地理院の電子地形図(タイル)に注釈と矢印を追記して掲載

画像中、国道113号は左斜め上から右斜め下に通っているが、左斜め上は明沢トンネル方向、右斜め下は宇津峠方向になる。この道は既にレポートになっている明沢トンネル旧道のすぐ近くで、同じように川沿いを通っていた国道113号の旧道なのだ。ただ、この二つはすぐ近くなのに、そばを流れる川の名前は明沢川から桜川に名前を変えている。実はこの川、まだこの地点では桜川と言う名前で、この先の明沢橋のところで明沢川と桜川が合流して、明沢川として片洞門方向へ進んでいくのだ。

この旧道はその桜川に沿って通っているが、こうして地図を見てみると昔の道路の通し方と言うものがよくわかる。この道が開通した1886年(明治18年)当時の道は、集落と集落を結ぶ造り方をしていたものだから、道が集落のど真ん中を通っている。これが後世になると、幹線となる道路は簡単に言うと起点と終点を結ぶ道となり、途中の集落への道は枝葉の形で分岐して繋ぐという形に変わるため、幹線道路が集落の真ん中を通ると言うことはなくなっていくのだ。このため、局改で改修される際に米坂線を挟んで山側を通る形に変更され、沼沢集落への出入りは現在のように旧道を通る形になったと思われる。

集落の方々からすれば、交通量が増大していく道が集落の中を通っていると事故の危険性などもあったわけだから、山側に移動してくれたおかげで交通事故を心配することはなくなったが、商店などは交通量が減少したことで何らかの影響はあったことだろう。この辺は痛し痒しといったところか。

さて、現地である。今回は上の地図上で言うと、新潟側からやってきて明沢トンネルを通過した直後の右側にある明沢トンネル旧道の入口に車を停め、そこをベースとして自転車で探索を行った。従って、この旧道の探索は明沢トンネル旧道と同じ日に行っている。今の私は明沢トンネルの探索を終えて車に戻ってきて自転車を下ろし、組み立てて小休止しているところだ。探索の全長を比較すると明沢トンネル旧道と同じくらいか、もしくは若干長いくらいだが、自転車が使えるのは非常に大きい。時間で言うと明沢トンネル旧道の半分くらいの時間だろうと見込んだ。

この旧道全体が今も使われている現役の道路であり、舗装路でもあることから、隧道や橋梁などの道路構造物はほとんど改修されて残っていないかもしれない。だが、この道はあの三島通庸が通した道と言うことを考えると、やはり探索しなくてはいけないだろうと言うことと、明沢トンネル旧道から繋がる道の「つながり」を確認したかったと言うのもある。

これは上の画像よりも少し進んだところから撮影したものだ。
左の路肩に立っている標識柱のすぐそばから左に入っている道の入口が見えると思う。これがこの旧道の入口だ。私が今いるところはすっかり除雪された上に、ここのところ晴天が続いたので路面には雪は無いが、いったん旧道に入るとどうなるか。それは、この前に探索した明沢トンネル旧道のレポートを見て頂ければお分かりいただけると思うが、雪だらけで歩くのに苦労した。

さて、息も落ち着いたし、そろそろ探索を始めようか。
短い脚を上げて自転車に跨り、ペダルに置いた足に力を込める。

さぁそれでは…

探索開始!

第1部へ