新潟県主要地方道6号
山北朝日線

大俣橋・鍋割橋旧道

2022年3月22日 探索 2022年4月22日 公開

2021年から2022年にかけての冬は、山間部は特に雪が多かった。この新潟県主要地方道6号山北朝日線が走る新潟県村上市の旧朝日村の地域も例外ではなく、例年の2倍降ったとか降らないとか。降雪や積雪も、もうここまで来ると「雪害」の範疇になるので「克雪(雪を克服する)」なんて言葉が生まれてきたりする。私が訪れた3月下旬の時季は新潟市などの都市部では雪もすっかり消えているが、山間部ではまだ雪が残っているので、探索するにもまだまだ冬装備が必要だったりするのだ。

ところで、この日私はそれまでレポートしていた「一般国道352号種苧原・城山トンネル旧道」を終えて、次のレポートである「新潟県主要地方道6号山北朝日線 旧巻澤橋」の補完取材のため、再度この地を訪れていた。だが、3月下旬だったため雪が消えているかどうか自信がなく、とりあえず行ってみようと来たのはいいものの、やはり雪はまだたっぷりとあった。
いや、正確に言うと現道の路面は雪もすっかり消えて、車で走るにも普通に走れていた。ところが私が訪れようとしていたのは旧道だから、当たり前だが交通量は(まったく)ない。なので、雪がたっぷりあったというわけだ。
当然だがそんな中で補完取材など出来るはずもなく、雪に覆われて地形の確認も出来ないので帰ろうと思ったが、このまま帰るにも無駄足のようになってしまい何だか面白くない。そこで、この主要地方道6号を海側の寒川(さんがわ)集落まで通ってみることにして、車を走らせた。

旧巻澤橋の分岐点から車を出発させて、10分ほど走っただろうか。私は視界の左側に何かを見つけて、急に車を停める(もちろん、後方確認と周囲の確認は行った上での話だ)。私が見つけたものとは何か。それは、この風景であるっ!。

これは旧道?!

後ろ向いた菱形の標識が印象的な風景だ。私が左側の視界に捉えた「何か」は、この背中を向けた標識だった。この菱形は、おそらくは警戒標識。標識が立っている位置から、何となく「これは公道だな」と直感していた。にも拘わらず、この荒れ具合と言うことは、これが旧道でなくて何ぞや。しかも、もしかすると(しなくても)おそらく地図上から抹消されてる。となるとこれは・・・

探索しなくてはなるまい!

余談だが、こういう時の私は非常にノリやすい。おまけに補完取材をしようとして出来なかった欲求不満もあったもんだから、さっさと突入の準備をして突っ込もうとしていた。私はいったいどこに突っ込もうとしていたのか。おなじみの地理院地図で確認してみよう。

国土地理院の電子地形図(タイル)に注釈を追記して掲載

私は画像下の蒲萄方面からやってきて、視界の左にあの警戒標識を見つけたというわけだ。地図上で現道の道筋を見てみると、図中に青い線で描かれているのが蒲萄川で、我らが主要地方道6号は蒲萄川の左岸を通っていた。だが、何故か大俣橋で一旦右岸に渡り、鍋割橋でまた左岸に戻っている。そして、右岸側には道が造れるだけの等高線がない平地の部分が。もし最初に私がこの地図を見ていたら、真っ先に「ここに旧道があるんじゃないか?」と疑っていた。



これが分岐点の様子だ。現道との分岐点にはご丁寧に停止線が引かれている(右端にその一部が見える)。と言うことは、現道が開通しても旧道は通行可能だったと言うことだ。私なら、迷わず旧道に進むところだが・・・(笑)。
チェンジ後の画像は分岐点に引かれている停止線の上に立って、旧道を撮影したものだ。どうだろう、実にいい雰囲気じゃないか。菱形の警戒標識の後ろ姿が小さく見えているが、我ながら感心する。よく見つけたもんだ(笑)。

改めて旧道の入口に立ってみる。いつも思うが、こうして旧道や廃道に入っていく瞬間と言うものはいいものだ。
期待感とワクワク感が入り乱れて、これからどんな風景が見れるのかと思うと気分が高揚する。そして今回の旧道も、もれなく「川沿い」だ。これはどうやら私の定番らしい(笑)。さぁそれでは・・・

探索開始!

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