新潟県主要地方道6号
山北朝日線
大俣橋・鍋割橋旧道 第2部

2022年3月22日 探索 2022年4月30日 公開

足元に積もっている雪は一度融けて凍ったようで雪の粒が大きく、俗に言う「ザラメ雪」となっていて、私が歩いているとシャリシャリと音を立てている。そんな中、私は進んでいるわけだが、右の路肩側に見えるガードロープを見るとわかるように、まだまだ数十センチの積雪はあるようだ。道の左側には山の斜面を固めた強固なコンクリート壁が連なっている。これらのことから見る限り、この道は日本国トンネル旧道と同じく土砂災害の危険性豊かな(?)道だったのだろうと思う。

だが、山間の里である蒲萄と、鉄道の駅がある寒川(かんがわ)を結んでいたこの道は、遥か明治時代から存在した道なのだ。詳しくは後述するが、この山と川に挟まれた狭い道を多くの人が通り、ボンネットバスが通っていたわけで、その時代を想像すると実に感慨深い。
大きな体を揺らしながら、向こう側からボンネットバスが走ってくる光景を想像してみると・・・絵になるじゃないか。

探索する時季が悪くて路面に雪が多く残ってしまっているが、道の雰囲気はちゃんと掴める。これ、雪が無かったら結構楽しめる旧道じゃないか?とか、この道が改良されたのは土砂崩れなどの災害の防止もあるんだろうけど、この辺からだんだん道幅が狭くなっていくところを見ると、道幅の狭さもその一員ではなかったか・・・などと思いつつ雪の中を歩いているが、長靴で歩いているもんで雪に足を取られることもあったりして、体力を消耗していく。
この辺で少し休憩しようかと言うことで、立ち止まって持参したペットボトルのお茶を飲む・・・のはいいが、失敗した!冷たいお茶だった!(笑)。

冷たいお茶で身体は余計に冷めてしまったが、ここは旧道を探索すると言う熱いハートで補うことにしよう(←無理)。幸いなことに路面の雪の深さは幾分浅くなってきたので、周りの景色を楽しむ余裕が出てきた。今にも泣き出しそうだった空も少し明るくなってくると、旧道の雰囲気も明るくなってくる。ここで初めて気づいた。そうだ、この道は川のそばを走っていたんだっけ。右側の路肩の先を覗き込むと、大量の雪解け水を日本海に注ぎ込む蒲萄川の豊かな流れが見える。こうして歩いていると、今自分がいる場所が水面からどのくらいの高さがあるかなんてわかりにくいものだが、こうして覗き込んでみると結構な高さがある。いやー、こりゃ落ちたら危ないなぁ・・・。

気を取り直して(笑)、先へ進むことにする。
先ほどまでの道幅は更に狭くなり、今は軽自動車がやっとすれ違えるほどの幅だろうか。先へ進むほどになんだかだんだん狭くなってくる気がする。まさか、最終的には1車線になるとか・・・そんなことはないか。ところで、こうした道を通るたびに思うことだが、新道が開通したからと言ってこうした道を放置しておくにはもったいないなぁと思う。せめて徒歩道として維持していくことは出来ないものか。でもなぁ・・・徒歩道として整備しても、誰も通らないかもしれないと言う問題もあるなぁ。

一層狭くなった場所!。一車線しかなくなってしまった(笑)。
この山側の法面と川側のガードロープの間の狭さはどうだ!。実にいい。こういう道は大好きだ(笑)。
その先はまた少し広くなっているようで、こんなに狭くなっているのはどうやらこの区間だけのようだが、こりゃ大型トラックは通れないな。もしかすると4トンのトラックもギリギリかもしれない。あ、わかった!。そういった車を守るために、ガードロープがキッチリと整備されているのか!(←そんなことはない)。

最狭部を抜けていくと、また少し道幅が広がる。やれやれ、この先は少しだが安心して進むことが出来そうだ。深いため息を一つついて辺りを見回すと、まず一番最初に目に着いたのは、右側に流れる蒲萄川の水面の低さだ。私が旧道の一番狭い部分と戯れていた最中に、旧道は標高を下げていたらしい。水面は川岸の少しの河原を挟んで、すぐ近くにある。河原に降りれば蒲萄川の水を手に取ることもできそうだ。
路面は雪解け水で潤っており、長靴がないと通行できないような状態ではあるものの、その路面が水平と言うことは路面の潤った泥の下にはもしかすると舗装されたアスファルトがあるかもしれない。

少し先に進むと、今まで川側の路肩を守っていてくれたガードロープは消え、いつの間にかデリニエータだけになってしまっていた。おまけに、この区間が今までで一番路肩が弱そうだ。山側の斜面には落石防止柵か雪崩防止柵か、強固な擁壁と共にまだ新しそうに見える柵が見える。右側の川側の路肩を改めて眺めてみると崩れている箇所もありそうで、もしかするとこの道の一番危険な箇所に辿り着いたかもしれない。

幸いなことに路面の積雪はさほどでもないが(ここだけ開けた空間になっているため、常に太陽の光が差し込むようになっていて、それで融雪が進むようだ)、雪で隠れている部分もあるので慎重に進むことにしよう!。

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