新潟県主要地方道69号
長岡和島線
阿弥陀瀬トンネル旧道
第5部
2022年10月15日 探索 2023年4月5日 公開
小鳥のさえずり、風のささやき?
立っている十字路の左手に立っている案内板を見てみる。左に行くと「大坂塔」、右に行くと「七曲り」と言う場所に行き着くらしい。毎度おなじみ国土地理院の地図を見てみると、この峠から少し離れたところに大坂塔と言う地名があり、道はここに繋がっているようだ。地名にしては珍しいので後で調べてみることにして、その道を眺めてみたのがチェンジ後の画像だ。山の中を進む未舗装の道路。雰囲気としては実にいい。こういう道の先はぜひ調べてみたいもの。と言うことで、少し進んでみると…。
このような脇道があって、ここを上っていくと「大坂塔」なる地名の場所に出るらしい。道の感じは登山道か、または県道550号東谷塚野山線のような未開通の県道といった趣で、先へ進んでみたいが、時間はもうすぐ夕刻に掛かる。プーさんの活動時刻に入るのも気がかりなので、この道は深追いはしないことにした。そういえば十字路に案内板があったな。大坂塔と言う地名も気になるし、戻って見てみようか。
この看板が出来上がったころは、まだ阿弥陀瀬トンネルは完成しておらず、私が今探索している旧道に「長岡和島線」の標記がある。阿弥陀瀬トンネルが開通したのが1999年(平成11年)3月なので、この看板はそれより以前に設置されたものと言うことがわかる。
また、地図中には「小鳥のさえずり、風のささやきを聞きながらあるこう」とある。これをそのまま歩けば結構長いコースのような気がするが・・・それにプーさんも気になる。朝早く出ないと全行程は無理だろうし、このコースを通るなら2日に分けないと無理だろう。
ここから大坂塔に進む道とは反対側に進む林道に入っていくと、あの中永隧道の近所に出るらしい。これは少し意外だった。道はあちこちに繋がっているものだと、改めて実感した。
旧道に戻ってきた。擁壁を苔が覆って、枯葉が積もる側溝も旧道感を盛り上げてくれるが、その割には側溝に積もっている枯葉が少ないように感じる。定期的に清掃が行われていないと、あっという間に埋もれてしまうのが側溝で、これだけ綺麗なのはちゃんと管理されている証だろう。こうして端っこから眺めてみると、広葉樹や針葉樹を織り交ぜた美しい森に包まれた見事な切通しで道幅も広く、正に貫禄十分な峠道。ここから下っていくと、古き城下町の与板はもうすぐだ。
峠を越えて、真っすぐに与板を目指して降りていく旧道。右側の路肩が一部分だけ広くなっていて、そこにコンクリート製の四角いものが並んでいる。どうやらここはちょっとした展望台になっていたらしく、私も探索中にここから覗いてみた記憶はあるけど、どうやら撮影を忘れてしまったようで画像がない。見ることが出来るであろう方角から想像すると、ここから見えるのは長岡市辺りで、夏にはあの長岡花火もここから見えたかもしれず、現道時代は通る人の目を楽しませてくれたスポットだったのかも。
景色を楽しめるスポットを過ぎたところで、道は急に急ぎ足になったかのように下り始める。画像右側の路肩(右隅の部分)は一部分だけ木々がないように見えるし、コンクリートで施工された山側の左の法面が左隅の部分だけないこと、前述の一部分だけ木々がない右の谷側の箇所を合わせて考えてみると、どうやらここは過去に大規模な地滑りか土砂崩れが起きた可能性が高い。その時の路盤は崩壊したかもしれず、やはりここも災害が多発する県道だったんじゃないかと思えてきた。トンネルが掘られるには何か理由があるものだ。
右も左も真っ直ぐな杉の木。そこに造られた非常駐車帯。春先になるとスギ花粉が飛散するだろうし、花粉症の方は飛散する時季には絶対来たくない場所かもしれない。幸い(?)にも私は花粉症ではないが、花粉症の方はこの時季(春)の探索はどうしてらっしゃるのかと心配になってしまう。
細かいことだが、右側の路肩にあるガードワイヤーがちゃんと張っているのに目が留まる。こういった旧道ではガードワイヤーが弛んでいることが多く、現道の開通から23年経っているので支柱だけになっていてもおかしくない。だが、ここは緩んでおらずにいまだ現役。結構意外な気分になったのと同時に少し嬉しくなった。旧き道も現役でちゃんと使われている。この道は旧道になっても、表舞台で活躍しているようだ。
探索もいよいよ終盤戦
旧道から見える空も峠を下りるにつれて
徐々に高くなっていく