新潟県主要地方道69号
長岡和島線
阿弥陀瀬トンネル旧道

2022年10月15日 探索 2023年3月16日 公開

天高く、馬肥ゆる秋。とは誰が言ったか。
秋も本番の一日。とは言え紅葉とまではいかず、木々が色づくのはもう少し寒くなってからだろうか。探索には気温も風も心地よい、ちょうどよい一日。こんな日は探索が捗りそうな絶好の日和なのだが、今日は午前中の用事を済ませて、午後からのスタートとなるのが少々口惜しい。

ということで、私が今いるのは新潟県長岡市。平成の大合併までは三島郡(さんとうぐん)和島村(わしまむら)だった阿弥陀瀬と言う集落から、越後の城下町で有名な与板(よいた。古い表記だと「與板」と記載されているものもある)町方向に少し進んだところだ。私がいるところはいったいどこか。まずは地図を見てみよう。

国土地理院の電子地形図(タイル)に注釈を追記して掲載

地図中、左側が旧和島村方向で、阿弥陀瀬集落の端っこが見えている。右側は与板町方向で、中央付近を左右に通っている黄色く着色された道路が、新潟県主要地方道69号長岡和島線だ。阿弥陀瀬トンネルはこの中央部にあり、和島村と与板町の境の山を貫いていて、このトンネルの前後に山側を迂回する道がクネクネを通っているのが見えると思う。これが阿弥陀瀬トンネルの開通を以って旧道となった峠道で、今回の探索のステージとなる道だ。

実は、この旧道をどのようにして発見したか、あまり覚えていない。おそらく地図を眺めていて見つけたのだろうと思うが、それにしては「よし、ここにいつか行こう!」と思った覚えがないのだ。だから、見つけて直感的に行ったということになる。直感で赴いて探索したにしてはなかなかに楽しく、上出来と言ったところか。

と言うことで、現地。前述の通り午前中の用事を済ませて、これから探索をするべく私は今ここに立っている。右に伸びる道が現道、それに対して左に逸れて山に入って行く道があるが、これが峠を越える旧道だ。こうして新旧の両方が見える地点で眺めてみると、道が造られた年代が違うだけに雰囲気も違っていて、なかなか面白い。

現道は路側帯も広く、一つの車線も広く造られているように見える。これに対し旧道は、そもそも路側帯らしきものがない。いや、路側帯を示す白線が消えかかっていると言った方が正解か。道全体も狭く、造られた当時は2車線の幅だったのだろうが、クルマの幅そのものが大きくなっている現代では、すれ違いは難しいかもしれない。

少し旧道に入ってみる。そこには今は無き自治体名の「和島村」の名前で「冬期間通行止」の表示板があった。この道が現役の主要地方道であったころも、おそらく冬の期間は通行止めになっていたことと思う。実はこの付近は地理的に海側の和島村と山側の与板町を結ぶ道はこの阿弥陀瀬越えの道と、塩之入峠と言う峠を越える道の2本しかない(この塩之入峠には現在、新潟県一般県道274号与板北野線が通り、峠部分は塩之入トンネルが繋いでいる)。

その峠道に立って、これから行く先を眺めてみる。いかにも「これから峠越えになりますよ」と言った雰囲気の、いい道ではないか。上の画像と2枚前の画像を見た頂きたいが、現道と旧道の分岐点が庭園や公園ぽく整備されており、これには感激したし嬉しくなった。現道と旧道の分岐点と言えば、これまでこのように整備されている分岐点はほとんどなかったように思う(当たり前と言えば当たり前なのかもしれないが)。
それだけに、このきちんと整備されている分岐点は嬉しい。これは、この地域を担当している新潟県の出先機関、新潟県長岡地域振興局地域整備部与板維持管理事務所の方々の手によるものだろう。心から拍手を送りたい。

直感的に見つけて探索をするこの道
はたしてどんな顔を見せてくれるのか
非常に楽しみだ

頭の中には久しぶりに
Electric light Orchestra の「Twilight」が
鳴り響いている

それでは、探索開始!

第1部へ