新潟県主要地方道69号
長岡和島線
阿弥陀瀬トンネル旧道
第4部
2022年10月15日 探索 2023年4月1日 公開
峠に挑む者を祝福する道
前回の最後に私がいた地点が、ここから見えるカーブのあたりだ。私は今、通ってきた道を振り返った景色を見ている。なぜ振り返ったか。それは目の前の標識を見つけたからだ。ガードワイヤーの外側にある、鉄管で拵えたフェンスの更に外側にあるその標識は、一つはおそらく「折つづらあり」の警戒標識だろう。設置者はおそらく新潟県。でも、その上にも何かあったようにも見える。確認したかったが、いかんせん背が届かず、フェンスの上によじ登ろうかと思ったが、何とかの冷や水ではないけれどケガしそうだったのでやめておいた。
しかしまぁ蔦がよく絡みついているもんだ。中には何があったんだろう?。
蔦が豊富な(?)標識の位置からふと山側を見ると、ポツンと一つだけデリニエータが。
「おおっ!新潟県のデリニエータか?!」と興奮気味に駆け寄って見ると(←こういう時だけは俊敏なのだ)、そこには「和島村(わしまむら)」の文字。新潟県ではなかったか・・・。
しかし、和島村と言うのも懐かしい。この村はかつて新潟県三島郡(さんとうぐん)にあった村で、1955年(昭和30年)3月31日に三島郡の桐島村と島田村が合併して発足した村だ。この後、平成の大合併の際に出雲崎町、与板町と合併して「良寛町」の誕生を目指すが結局断念、2006年(平成18年)1月1日、長岡市に編入合併され消滅した村の名称だ。
その名前のデリニエータと言うことは、設置されたのは2006年(平成18年)以前となるが、現道となる阿弥陀瀬トンネルが開通したのが1999年(平成11年)3月だから、およそ7年間の間のどこかでこのデリニエータが設置されたことになる・・・とまぁ、この趣味はこんなこと一つでも楽しめるものなのだ。さ、ひとしきり楽しんだところで先へ進もう(笑)。
デリニエータから少し進むと、やがて周りの木々の並び方が変わって、峠に挑む者を祝福するかのように整然と立ち並ぶようになってくる。そして、それからまた少し進むと思った通り見えてきた。峠だ。少し立ち止まって峠を眺めてみると、なかなかいい峠じゃないか。だが、道の真ん中に何かが置いてあるようだ。もしかして峠から先は通行止めか?。ま、通行止めであっても…ねぇ?。まずはもう少し進んでみよう。
峠まで登ってくると…なるほど、十字路になっているようだが旧道は直進しているはず。だがその先には…ん?。黄色と赤の誘導板が設置されているが、通行止めにしては矢印の向きが変だ。矢印が内側を向いていて、その中央はチェーンなどでも封鎖されておらず、そのまま通行できるように見える。面白い!これは確認してみよう!。
おお!なるほど!。どうやら通行止めの規制ではなく、交通を規制する目的でこの誘導板が設置されているものと思われた。スピードを出してこの坂道を上がってくると、直進の先に峠があるのでスピードが乗りに乗ったところで下りに入ることになる。ということは、ここで思いっきりジャンプしかねないので、その防止だろうと考えたのだが…。
峠でこんなことを考えながら峠道をウロウロしているが、その姿を想像してみるとアヤシイったらありゃしない。おまけに私のことだから、ブツブツ呟いていたことだろう。人っ子一人通らなかったのがせめてもの幸いだ(笑)。
やっぱり。車一台がギリギリ通れるだけの道幅を残して、誘導板の土台のコンクリートブロックが置いてある。左側の誘導板の根元には「通行規制中」の文字が。道は峠らしく見事な切通しになっていて、左右の法面も崩れた様子もなく美しく保たれている。地元自治体である長岡市の手できちんと管理されているのだろう。一般国道351号の榎峠・比礼隧道に向かう道もそうだったが、旧道とは言えどちゃんと通行できるのが素晴らしい。
道は下りになり、与板方向へ下っていく。
と、その前に少し寄り道…?