新潟県主要地方道52号
山北関川線
日本国トンネル旧道 第8部
2021年10月23日 探索 2022年1月16日 公開
日本国トンネル旧道を制覇し、いよいよ一の瀬橋目指して鏡岩トンネル旧道に入っていく。さほど長くない足を大きく開いてガードレールを跨ぐが、こういう時に自分の身体の老化を感じてしまう。若い時なら(←この言葉が出てくること自体がオヤジ臭いのだが)難なく値で越えられたものが、今では「よいしょ」と自らに掛け声をかけないと越えられない。困ったものだ。
ところで、この画像を見ると左側のガードレールが二重になっていることがわかる。これはおそらく日本国トンネルが開通した後に鏡岩トンネルが開通するまでの1年少しの間、今は旧道となっている道が使われていたことを示すものだと思う。
右カーブにあるカーブミラーを愛でたのち(笑)、旧道区間を進んでいく。道幅は1.5車線ほどあるだろうか。決して狭くはない道幅であるものの、かと言って広いわけでもない。ただ、ここも日本国トンネル旧道と同じように路面に草はなく、非常に歩きやすいのは助かる。取り立てて通行するのに障害もなさそうだし・・・このまま一の瀬橋に辿り着けるかな。
ところで、日本国トンネル旧道の入口に設置されていた標識には、通行止の規制と「この先700m」と表示されていたのを覚えているだろうか。手元の地図を確認してみると、ここからもう少し先が700mになるだろうか。その原因となるものが間近に近づいているとなると、おのずと緊張感が高まる。小俣川川岸を走るこの道で通行止の原因と言うと、これまでの道の様子から考えると一つしかないような気もするが、それはあまり考えないようにしよう。
何やら周りの緑が道に迫ってきて、なかなかいい感じの美しい旧道風景じゃないか。路面の部分だけ草が侵食してないし、あれこれ観察しながら撮影したりして進んでいると、実に楽しい。ところで、ここから少し道幅が狭まっているようで、1車線の幅になってしまっている。そして、その先には何やら壁のようなものが見えるが、あれはたぶん道が回り込んでいるからだろう。・・・と思っていたのだが…
ん~と・・・
こりゃ道が回り込んでいるんじゃないな・・・。どうやら、ここが通行止めの本陣のようだ。こりゃぁ通行止めにもなるわな。画像中央、路面の上を斜めに横切る土砂が見えるだろうか。しかも、角度からするとこの土砂は小俣川に落ち込んでいると見た。そうすると、これから私に起こる予想されることは、あの崩れている斜面の越えなければならないと言うことになる。まずは現場確認といこう。
おおっ!こりゃまた派手に!
ありゃ~・・・。一目でわかる。これはアカンやつや!。土砂ではなく、岩肌が崩れてしまっているように見えるし、しかも崩れている岩肌はその角度からすると、遠くから見て思った通りそのまま直接小俣川に落ちているようだ。周りは小鳥の声と、小俣川の流れの音が心地よく聞こえる空間。だが、目の前の路面はそんなこと言ってはいられないほど埋まってしまっている。
少し現実逃避(笑)
ガードワイヤーの先には、小俣川が結構下に流れている。いや~高いなぁ・・・10mくらいはあるだろうか。もし落ちたら一巻の終わりだな。だが、あたしゃこんなところで終わるわけにはいかない。まだまだ見てない廃道や旧道の景色はたくさんあるんだ。・・・さぁ、ご対面といこう!。
うおっ!
声が山中に響き渡る。少しこだましたようにも思えるし、これではクマさんも退くかもしれない(笑)。そろそろ現実と対面しようか。思った通り崩れたのは土砂ではなく岩塊だ。その斜面はところどころに草が生えて、一見すると安定しているようにも見えるが、その崩れた岩がどうも浮いているようにも見える。さて・・・
この画像は路面から崩れた斜面を見上げて撮影したものだ。やはり崩れた岩は浮いているようで、下手に荷重をかけようものなら一気に崩れて小俣川へ向かって一直線、一巻の終わりだろう。通るとするなら、少し上から高巻気味に通るしかないだろう。そのまま突っ切っていくと崩れる気がする。
私は幸いなことに、こうした崩れた旧道や廃道にはあまり出くわしたことはないが、それでも直感でわかる。これは慎重に行かないといけない。お恥ずかしい限りだが、この時点で私は迂回して反対側に回ろうと言う考えは浮かばなかった。どうか皆さんはマネしないでいただきたい。
崩れた斜面に高巻気味で上がると、思った通り崩れた岩塊は非常に不安定で、変に体重をかけようものなら一気に崩れ落ちてしまいそうだ。本当はそんなことはないのだろうが、私はそう感じた。この画像は、慎重に足場を選びながら通っている最中に路肩方向を撮影したもので、私はアドレナリン出まくりの真っ最中。崩れてしまえば小俣川まで一直線。その高さは非常に高くて、高いところが苦手な私はやや下半身が寒くなる思いをしているが…
崩れるなよ~
わかりにくいと思うが、これも崩れた斜面から撮影したものだ。
やっぱり高けーな・・・。画像の中に見える、林のような木々の先は小俣川の水面だ。「なんだ、撮影する余裕があるじゃないか」などと思う方もいらっしゃるかもしれないが、現場は不用意に少し荷重をかけ間違えると岩塊が小俣川に落ちると言うもの(実際に私もいくつか崩してしまった)。
この先、私は無事に一の瀬橋に辿り着くことが出来るのか?!。
(だが、ここまで来たら行くしかない)