新潟県主要地方道52号
山北関川線
日本国トンネル旧道 第5部
2021年10月23日 探索 2022年1月4日 公開
短い脚を駆使して(笑)なかなかに大きい倒木を乗り越えると道幅は一気に広がり、なかなかに歩きやすい道が広がる。先ほどまでとは違い安定した路面が広がっていて、思わず立ち止まって周りの景色を眺めてしまう。路面の草は歩きにくいほどではなく、踏みしめて歩けるほどの深さだ。
ところで、道が放棄されて路上に土が被さると、大抵はそこに草が生えてきて一面緑の草藪になる。で、次にその草藪を苗床に灌木のような植物がニョキニョキと育って灌木の林が出来上がり、それが時を重ねると樹木が主体の廃道となるが、この道はその草藪になる途中の状態のようだ。詳細は後述するが、今から(2022年現在)23年前に旧道になったこの道は、それ以降もしばらく閉鎖されずに現役の道路として使われていたんじゃないかと言う気がする。
せいぜい膝の高さほどの草を掻き分けて進んでいく。勇気百倍のアイテムである「長靴」を着用しているので、全く気にならない。画像を見てもわかると思うが、この付近は非常に道幅が広くて優に2車線の広さはあるし、路面には落石もないので、道の風景を楽しみながら先へ進んでいける。左側にはガードロープに沿っての並木道。自然に生えたのかと思ったが、それにしては綺麗に並んでいるので、そうも思えない。背の低い路面の草と相まって、ハイキングコースにでもすればいいのにとも思うが、右側の斜面には雪崩防止柵。やはり災害と直結した道だったのか。
と、あれこれ思いながら先へ進んでいると、私の目の前に・・・っ!
キタキタッ!
決して喜んではいないことを、先にお断りしておく(←ウソ)。
ごめん。正直に言うと、心が高ぶったのは事実だ(笑)。世間ではそれを「喜んでいる」と言う。
だって、今までそこそこに平和な道が続いてくるんだもの。この辺で少しくらい「ヤブ~」とか「路盤崩壊~」とか「がけ崩れ~」とか、その辺の障害がないと面白くないじゃない。ねぇ?。
それにしてもまぁ正面がいきなりこんなヤブと言う、なんて楽しませてくれる道だろうか。
面白い。受けて立とうじゃないか。探索を始めたばかりならともかく、こちらもそれなりに経験を経てきているのだからな!。いざ、進もう!。
この先を進んだらどこへ行きつくのか。見たこともない街?。お腹が空いたからと言って、誰もいない店で飯を喰らうのはごめんだぞ。それに私は小学生の女の子じゃないし。だが、隣の小俣川は守り神の白い龍がいそうな川ではある。
閑話休題。だが、幸いなことにこの道の進む先は明るそうで、見たこともない街に辿り着くことはなさそうだ。何故か背を低くして中腰か屈み腰になりながら、このややヤブが深くなった道をガサゴソと進む。
路面にさほど陽が当たらないせいか、草の背は低くて非常に歩きやすい(山側の灌木には閉口するが)。こういうところこそクマが出てこないか、周囲に最新の注意を払いながらガサゴソと進んでいると目の前に立ち尽くす黄色の影が。カーブミラーか?。とするなら左側に立っていると言うことは、道はこの先右カーブ、しかも結構急なカーブだろう。小俣川もその脇を流れているはずで、ヤブで気づかず真っ直ぐ進み過ぎて、川に転落しないように気を付けないと。
山側を見上げると、スパッと切り立ったような崖。どうも崩れた跡のような気がするが…。だが、ここはカーブミラーの真下。どうやらこの岩を切り崩して道を通したようだ。それなら隧道で抜けた方が良いような気もするが…岩を切り崩した方が建設費が安かったのか。
チェンジ後の画像は、草に埋もれてしまってもカーブの先を映し続けるカーブミラー。今となってはカーブの先から来るのはプーさんくらいだろうが…。あ、私の同業者の方々も来るか(笑)。
カーブミラーの存在のおかげで進み過ぎて川に落ちることなく、無事に右カーブを回り込むと目の前に広がったのはこの景色。右側に切り立った岩肌。左側も垂直だろうか。画像では下草に埋もれてしまって見えないが、右側の隅には岩肌から崩れ落ちたのか、不用意に当たると履いている長靴が切れてしまいそうなほど鋭い割れ方をした石が、あちこちに転がっている。ヘルメットを被っておいてよかった。
旧道が現道へ合流する地点は、まだまだ先のようだ。
てことは、まだまだ楽しめるってことだな(笑)