山形県一般県道349号
鶴岡村上線旧道 大針洞門

第6部
「安全地帯」

2023年9月30日 探索 2024年1月18日 公開

「安全地帯」

カーブミラーを発見したあと、川側を見るとこのようなガードレールが横たわっていた。・・・いや、横たわると言う表現は変かもしれない。だって、このガードレールはまだ支柱から外れていないもんね。前方を見てみると、茂っている灌木の隙間から現道が見えるような気もするので、現道の合流点はもうすぐだろう。でも・・・こんなにガードレールが曲がっているのは何故だろう?。これが現役の旧道とかなら、除雪して道端に寄せた雪で曲がるってこともあるんだが・・・過去に曲がったものだろうか。

さて、前に進もうか。あ、あったあった。さっきから写り込んでいたカーブミラーだ。その先には・・・あれは祠だろうか。画像でもわかって頂けると思うが、道は緩やかな右カーブで進んでいる。足元は、さほど深くもないが浅くもない下草が茂っていて、マダニに気を付けないといけないだろう。

ちなみに私はディート系の虫除けスプレーを、頭の先から足の先まで吹きかけてからヤブの中に入ることにしている。この方法は決して正しいとは思わないし、むしろ間違っていると思うので、決してマネしないでいただきたいのだが、私がこうするようにしたのはきっかけがある。

旧道や廃道を追いかけるようになってすぐの頃、私は新潟県村上市の国道7号旧道の蒲萄峠を探索していた。この時は夏でアブに苦しめられていたのだが、そこで働く林業関係の方がアブの大群の中に突っ込んで行く前にされていたのがこの方法だったのだ。それ以来、何だかクセと言うか儀式みたいになってしまって、今に至っている。そのせいかどうかはわからないが、どんなにアブの大群の中に突っ込んで行っても、刺されたことは今まで一度もない。

現道に合流する前に、これまで通ってきた道を惜しむかのように振り返ってみる。う~む・・・緑一色だな(笑)。
だが、ここに道があったということは今でもはっきりとわかる、なかなかにいい廃道じゃないか。私が入った側の眺めもなかなか良かったが、こちらの景色も初めて見たら大いにそそられる景色だ。こっち側を初めて見たら、すぐに突っ込んで行ったかもしれないな。ただ、ここから見ても洞門の存在はわからない。こっちから入っていって、目の前にあの洞門の入口が見えたら・・・きっと狂喜乱舞していただろうな。
その方がレポートとしては面白かったかな?(笑)。

おお!合流点だ!

いい風景じゃないか!。手前に見える紅白の柵。それは単純に鉄パイプを曲げただけの柵だが、こういう場所にはよく似合う。こういった柵は設置されていても何かの理由で抜けるようになっていることが多くあるので、もしかするとここもそうなのかもしれない。ま、この状態だと柵を外して車が進入する前に、まず草刈りをしないといけないような気もするが・・・。
ここから見える合流点に葉、祠と石碑のようなものも見える。これは後ほど確認してみよう。

上の地点から振り返って見ると、こんな景色が見える。現道の分岐点から旧道に入っていくと、道は左に大きくカーブしながら赤川の川岸を進んで洞門に入っていくが、現道は赤川を渡って大針の集落の中を通って、また旧道と合流する線形を辿っている。ここで気づいたが、と言うことは旧道の洞門の様子が現道から見えるんじゃないか?。

・・・よし、帰りは現道を辿って帰ろう。で、現道から見た旧道(廃道)の姿を見てやろう。探索が終了に近づいている今でも、相変わらず楽しませてくれる道だなぁ。こんな道は大好きだ。

ん~、カーブミラーもバッチリ入っているな(笑)。
ここから左カーブで突っ込んで行く旧道。この位置にカーブミラーがあると言うことは、ここがこの旧道のいくつかのネックの一つであったことは間違いないと思う。ここに立って道の様子を眺めていると、いつものことだが現道時代の風景が目に浮かぶ。もともと、そんなに交通量が多い道ではないようだが、それでも行き交う人々はそれなりにいただろう。天候が悪い日に懸命にこの道を通ってきて、この洞門に行き着いて雨や雪を凌ぐとホッとする、そんな洞門だったのかもしれない。言わば「安全地帯」と言ったところか。

あともう少しで現道と合流だ。はたして、あの石碑はいったい…?

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